the pillows×怒髪天、盟友2組によるセッションも飛び出したツーマンツアー最終公演

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the pillows怒髪天によるツーマンツアー「B.M. I LOVE YOU」の東京公演が昨日9月12日にSpotify O-EASTにて開催された。

「B.M. I LOVE YOU」最終公演の様子。(Photo by Rui Hashimoto)

「B.M. I LOVE YOU」最終公演の様子。(Photo by Rui Hashimoto)

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「B.M. I LOVE YOU」は、the pillowsと怒髪天という旧知の仲である2組による東名阪ツアー。ファイナルを飾る東京公演は、当初は7月21日に開催される予定だったが、怒髪天メンバーの発熱により延期に。振替公演が昨日9月12日に行われた。

怒髪天(Photo by Rui Hashimoto)

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先攻を務める怒髪天は「ジャカジャーン!ブンブン!ドンドコ!イェー!」を1曲目に演奏し、「よぉ暫くぶりだな 最近調子はどうだい?」と観客に語りかけるようにライブをスタート。さらに「天誅コア」「セイノワ」が立て続けに演奏されると、観客は拳やピースサインを力強く掲げる。増子直純(Vo)による活気に満ちた歌声、清水泰次(B)と坂詰克彦(Dr)が織りなす重厚感のあるビート、上原子友康(G)によるエッジィなギターが渾然一体となって観客に届けられ、フロアはたちまち熱気で満たされていった。続けて「北風に吠えろ!」「孤独のエール」とアップテンポのナンバーがパフォーマンスされ、メンバー全員が50代中盤とはにわかには信じられないようなエネルギッシュな演奏が繰り広げられた。

増子直純(Vo / 怒髪天)(Photo by Rui Hashimoto)

増子直純(Vo / 怒髪天)(Photo by Rui Hashimoto)[拡大]

その後も、増子ならではのエモーショナルな節回しのボーカルで始まった「杉並浮浪雲」、フロア中の観客が増子とともに拳を振り上げた「ド真ん中節」など、勢いを落とすことなく演奏を続ける怒髪天。MCでは増子が、自身のなりふり構わぬ全力のパフォーマンスについて「バカみたいだと思うよ、俺も。でも、向き合ってくれてる人が目の前にいて、気持ちを伝えるときにカッコつけて気持ちを渡せるほど、俺はできていない。鼻水垂らして、『お願いだからわかってくれ』って必死こいて伝えて、その結果フラれるかもしれない。でも、できる限りのことをやればフラれたって次に行くよ。そう思ってやってる」と熱弁する。また対バン相手であるthe pillowsの山中さわお(Vo, G)について「山中は何も変わっちゃいない。山中に嫌われたらもうダメかもっていうのはあるね。山中が正しいとか正しくないとかは関係ないから。山中さわおという人間の定規でちゃんと測れてるかどうかっていうのは大事だね。あれは日本でも有数のめんどくさい形をした定規ですけど(笑)」と思いを語った。

その後も止まることのない増子のマシンガントークを清水が「もういいよ!」と遮りつつ、4人は「あおっぱな」「HONKAI」を演奏。そしてラストに4人は満面の笑みを浮かべながら「オトナノススメ」を披露する。増子はステージを所狭しと動き回り、観客と一体となって手を振りながらパフォーマンス。最後に「ピロウズあとはよろしく!」と叫び、熱気に満ちた空気のままthe pillowsにバトンを渡した。

the pillows(Photo by Rui Hashimoto)

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the pillowsのパートは「ターミナル・ヘヴンズ・ロック」で勢いよくスタート。2曲目「ビスケットハンマー」の演奏後に山中は「おい増子さんめちゃくちゃ言ってたな!(笑)」と笑いを誘いつつ、真鍋吉明(G)、佐藤シンイチロウ(Dr)、サポートの有江嘉典(B / VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)とともに「MY FOOT」「空中レジスター」「Ritalin 202」と軽快なロックチューンを連発し、オーディエンスの体を揺らしていく。印象的なギターリフから始まる「ニンゲンドモ」では、間奏で山中が髪を振り乱しながらギターをかき鳴らし、会場を熱狂の渦に包み込んだ。続けて披露されたのは、重厚なバンドアンサンブルが胸を打つ「Fool on the planet」。ゆったりとしたメロディに乗せて、強靭な歌声がライブハウス中に響き渡り、演奏後にはフロアから大きな拍手が沸き起こった。

山中さわお(Vo, G / the pillows)(Photo by Rui Hashimoto)

山中さわお(Vo, G / the pillows)(Photo by Rui Hashimoto)[拡大]

その後「About A Rock'n'Roll Band」「BOON BOON ROCK」が軽やかにパフォーマンスされ、うねるようなベースの音からヘヴィなロックナンバー 「Sleepy Head」へ突入。4人は激しくまたたくストロボの中、耳をつんざくような轟音をかき鳴らし、勢いそのままに「No Substance」へとなだれ込む。彼らは真っ赤な照明のライトに照らされながら、息もつかせぬハイテンポな演奏で観客を圧倒し、駆け抜けるように颯爽とステージをあとにした。

「B.M. I LOVE YOU」最終公演の様子。(Photo by Rui Hashimoto)

「B.M. I LOVE YOU」最終公演の様子。(Photo by Rui Hashimoto)[拡大]

アンコールではthe pillowsと怒髪天がステージに勢ぞろい。彼らはトークを展開し、30年以上前にさかのぼる出会いを回想する。さらに怒髪天がコーラスで参加したピロウズの楽曲「Finger post of magic」を8人で披露。増子と山中が声を合わせ、清水、坂詰、上原子はユーモラスな動きを交えながらコーラスを添えてステージをにぎやかに彩る。観客は和気あいあいとしたパフォーマンスに身を委ねるように体を揺らしつつ、手拍子をしながら2組のセッションを全身で楽しんだ。そして最後にthe pillowsは4人で代表曲「ハイブリッド レインボウ」を演奏。残った力をすべて振り絞るような渾身のパフォーマンスを届け、ツーマンツアーの幕を下ろした。

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「B.M. I LOVE YOU」2022年9月12日 Spotify O-EAST セットリスト

怒髪天

01. ジャカジャーン!ブンブン!ドンドコ!イェー!
02. 天誅コア
03. セイノワ
04. 北風に吠えろ!
05. 孤独のエール
06. 杉並浮浪雲
07. ド真ん中節
08. あおっぱな
09. HONKAI
10. オトナノススメ

the pillows

01. ターミナル・ヘヴンズ・ロック
02. ビスケットハンマー
03. MY FOOT
04. 空中レジスター
05. Ritalin 202
06. ニンゲンドモ
07. Fool on the planet
08. About A Rock'n'Roll Band
09. BOON BOON ROCK
10. Sleepy Head
11. No Substance
<アンコール>
12. Finger post of magic(the pillows×怒髪天
<ダブルアンコール>
13. ハイブリッド レインボウ

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※記事初出時、キャプションに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

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