「Memories & Remedies」は曽我部が新型コロナウイルスに罹患した7月末、その療養期間中に制作したアンビエントアルバム。数日間高熱が続いたという彼は半ば無意識の中、歌と言葉を用いず、抽象画を描くように音のレイヤーを重ねて各楽曲を作り上げた。ラストナンバー「Love In The Time Of COVID」のタイトルはコロンビア出身の作家、ガブリエル・ガルシア=マルケスの作品「コレラの時代の愛」に倣って名付けられた。
曽我部は本作のリリースに際し、「熱が下がったらまた少しづつでも歌いはじめなきゃと思っていたが、実際よくなり始めても音楽に向かう気持ちがぜんぜん持てない。レコードをターンテーブルに載せる気持ちにもなれないのだ」「そんな療養期間にリハビリのつもりで、これらの音楽を作った」と制作時を振り返っている。
曽我部恵一 コメント
7月の末にコロナに罹った。
40℃手前の熱が4日ほど続き、動けずモノも食べれず、こんなにきついことは、肉体的なことに限って言えば、人生であまり経験したことがなかった。
ライブもいくつか中止になってしまったし、熱が下がったらまた少しづつでも歌いはじめなきゃと思っていたが、実際よくなり始めても音楽に向かう気持ちがぜんぜん持てない。レコードをターンテーブルに載せる気持ちにもなれないのだ。
ひょっとしたらこのまま無気力な人間になってしまうのでは、と、そのことがいちばんの不安だった。いやむしろ、不安感もそこまで感じなかったかもしれない。感情が、うまく出てこないのだ。
そんな療養期間にリハビリのつもりで、これらの音楽を作った。
ただ没入することができる音の方へ、一日の少しの時間をパソコンに向かって録音した。だれに聴かせるつもりもなかった。一曲録り終えるとぐったりして、後の時間は一日中ずっと寝ていた。
曽我部恵一「Memories & Remedies」収録曲
01. Only Love
02. River Fish
03. Summer Move
04. Highway Dream
05. Portrait Of Father
06. House Where Mother Lives
07. Love In The Time Of COVID
○代目 @askaryohukkatsu
相変わらず創作意欲が高い https://t.co/8V6zxKZqPn