≠MEは指原莉乃がプロデュースを手がける=LOVEの姉妹グループとして、2019年2月24日にお披露目された。国際フォーラム ホールA公演はそれから3周年を迎えたことを記念して開催され、≠MEにとって過去最大規模の単独コンサートに。昼夜2部合わせて約9000人のファンが来場し、メンバーが届ける気持ちのこもったパフォーマンスやメッセージを受け取った。この記事では本公演の第2部の模様をレポートする。
場内に「Overture」が響き渡り、会場全体のテンションが高まる中、≠MEはメイド風の衣装に身を包んで観客の前へ。初のオリコン週間シングルランキング1位を獲得した最新シングルの表題曲「チョコレートメランコリー」でコンサートの幕を開けた。この曲はゴシック調のサウンドに乗せて独占欲あふれる愛情を歌うバレンタインソングで、ライブで披露されるのはこれが初めて。菅波美玲や谷崎早耶は曲中に“激重”な愛のセリフを放ち、ファンの心を鷲づかみにした。
楽曲のダークな世界観を雰囲気たっぷりに表現した≠MEだが、2曲目の「秘密インシデント」が始まると、明るくさわやかなパフォーマンスを展開し、場内の空気を一変させる。サマーチューン「クルクルかき氷」ではタオルに加えて浮き輪やビーチボールを手に持ち、会場の端まで広がって客席にウエーブを巻き起こした。さらに彼女たちは本田珠由記の「ここからはみんなでIQゼロになっちゃいましょう!」という掛け声を合図に、中毒性の高い歌詞やメロディがTikTokで話題を呼んでいる「てゆーか、みるてんって何?」を披露。立体的なスクリーンに投影される映像がステージをポップに彩り、「ポニーテール キュルン」ではポニーテールがトレードマークの鈴木瞳美が持つグループ随一のアイドル性の高さがより一層際立っていた。
この日最初のMCの時間になると、メンバーはファンへの感謝の気持ちを込めながら1人ずつ自己紹介。リーダー蟹沢萌子は「4年目ももっと楽しい時間を一緒に過ごせるよう、お休み中の櫻井ももちゃんも合わせて12人、気持ちをひとつにがんばっていきたいと思います」と一時活動休止中の櫻井に触れながら意気込みを述べた。その後、3年前の思い出を和やかに語り合うトークを経て、ライブはユニット曲のコーナーへ突入。まずは映画「スパゲティコード・ラブ」の挿入歌「誰もいない森の奥で一本の木が倒れたら音はするか?」を、同作に出演した蟹沢、河口夏音、川中子奈月心、鈴木瞳美、冨田菜々風の5人が純白の衣装で歌い上げ、力強い歌声、透明感のある表情や動作で表現力の高さを見せつける。冨田はそのまま1人ステージに残り、自身のソロ曲「空白の花」も熱唱。≠MEの不動のセンターがカリスマ性あふれる存在感で観客の視線を釘付けにした。続く「#おふしょるにっと」では尾木波菜、菅波、鈴木、谷崎の4人が“あざとさ”が垣間見えるオフショルダーのニット衣装で登場し、会場を華やかかつキュートなムードで染め上げた。
ライブ中盤にはアッパーなビートに合わせて踊るダンスパートが差し込まれ、パワフルでキレのあるパフォーマンスによって会場の空気が再び引き締まる。独特な緊張感が広がる中、ステージセット上段のLEDスクリーンが上下に割れると、そこにはクールな表情を決めた永田詩央里の姿が。ステージ上にスモークが漂い、炎が噴き上がる演出を交えつつ、アグレッシブな1曲「ワタシアクセント」がスタートした。この曲でセンターを担当する永田は小柄な体格や、愛嬌のある普段のキャラクターとのギャップを感じさせるダンススキルを存分に発揮し、会場のボルテージをぐんぐんと上昇させていく。続いて≠MEは冨田と蟹沢がダブルセンターを務めるダンスナンバー「P.I.C.」も間髪入れずに披露し、場内を交差するレーザーとともにクールな世界観を作り上げた。
結成当初からの活動を振り返るメンバーのインタビュー映像を挟み、ライブはここから後半のブロックへ。≠MEは記念すべき初のオリジナル曲である思い出のナンバー「≠ME」でパフォーマンスを再開し、結成1年目の懐かしの映像をバックに「好きだー!」と力いっぱい叫んだ。勢いそのままにメジャー1stシングルの表題曲「君はこの夏、恋をする」など、≠MEの持ち味であるエモーショナルで青春感あふれる楽曲が次々に畳みかけられ、「『君の音だったんだ』」の大サビでは休養中の櫻井に代わって蟹沢が冨田と絶妙なハーモニーを響かせる。蟹沢の「一緒に頂点へ」という言葉とともに始まった「『君と僕の歌』」の曲中には客席をバック歌うメンバーの姿がスクリーンに映し出され、「約束さ 大きいステージへ連れて行く」という歌詞にさらなる説得力が生まれた。また最新シングル「チョコレートメランコリー」より、最年少メンバーの川中子が初センターに抜擢された楽曲「君はスパークル」が初披露されると、観客は力強くも儚いその歌声にじっくりと聴き入った。
終盤のMCでは冨田が瞳を潤ませ、声を詰まらせながら挨拶。「なかなかうまくいかないこともたくさんあったんですけど……みんなでがんばって乗り越えてこれて本当によかったです。私たちは、指原さんには≠MEを作ってよかったなって思ってほしいんです。マネージャーさんや私たちに関わってくださるすべてのスタッフの皆さんにもやっててよかったって思ってほしい。そして、なんと言ってもいつもこうやって応援してくださるファンの皆さんに『≠ME最高じゃん!』って思ってもらえるように、これから4年目も12人全員で力を合わせて走っていきます。いつかみんなで、夢が叶うその瞬間をこの目で見たいです。私たちの夢を一緒に叶えにいきましょう! 約束してくれますか?」と言葉を紡ぎ、東京・東京ドームのステージに立つという夢を結成3周年のタイミングで改めてファンと共有した。客席から温かい拍手が沸き起こる中、≠MEは「チョコレートメランコリー」のカップリング曲の1つ「虹が架かる瞬間 」をライブ本編の最後に歌唱。スクリーンに櫻井の映像が流れ、彼女のパートをあえて誰も歌わない演出が観る者の涙を誘い、メンバーたちも思わず感極まった表情を浮かべる。さらに、“もも色”のスポットライトを囲んで歌う11人の頭上にカラフルな紙吹雪が降り注ぐという、感動的な光景が国際フォーラムに広がった。
アンコールを求める拍手に応え、再びステージに姿を見せた≠MEはこの日2回目となる「てゆーか、みるてんって何?」をにぎやかに歌い、会場の一体感を高めていく。「ミラクル!」のラストのサビ前には冨田が「これからもみんなずっと一緒にいようね!」と満面の笑みで客席に呼びかけた。そしてこのコンサートの感想を語り終えたところで、冨田がラストナンバーの曲振りに移ろうとすると、スクリーンに突如「特報」の文字が。アニメ「おジャ魔女どれみ」シリーズとのコラボレーション企画として、5月15~22日に東京・ステラボールで「≠ME ACT LIVE『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』」が上演されることが発表された。「≠ME ACT LIVE『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』」は2部構成の舞台で、第1部では≠MEメンバーがダブルキャストで演じる「おジャ魔女どれみドッカ~ン!」の物語、第2部では世代を問わず楽しめるミニコンサートが届けられる予定。このサプライズにメンバーは大喜びし、本田は「びっくりびっくりBIN BIN!!」と「おジャ魔女どれみ」の主題歌としてお馴染みの「おジャ魔女カーニバル!!」の一節を引用して心境を表現した。
思わる発表にテンションが上がった≠MEは改めて気を引き締め、コンサートを締めくくる楽曲として「自分賛歌」を歌唱。ファンからのメッセージをスクリーンを映し出す演出とともに、3年間の活動を精一杯駆け抜けてきた≠MEを自分たちで讃えた。最後、蟹沢は「皆さんは私たちにこうして会いに来てくれます。それって本当に本当にすごいことなんです。私は皆さんのことが本当に大切です。皆さんから見て、メンバーそれぞれが1人ずつしかいないように、私たちから見てもあなたはあなたしかいないんです」「4年目、みんなと重ねてつないでいきたい物語、きっとキラキラでいっぱいです! ≠MEをあなたの運命のお供にしてください」と晴れやかな表情で挨拶。メンバーが去ったあとのステージ上のスクリーンには≠MEのロゴと合わせて、彼女たちの思いが込められたサインがつづられていた。
≠ME「≠ME 3rd ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」2022年2月23日 国際フォーラム ホールA セットリスト
SE. Overture
01. チョコレートメランコリー
02. 秘密インシデント
03. クルクルかき氷
04. てゆーか、みるてんって何?
05. ポニーテール キュルン
06. 誰もいない森の奥で一本の木が倒れたら音はするか? / 蟹沢萌子、河口夏音、川中子奈月心、鈴木瞳美、冨田菜々風
07. 空白の花 / 冨田菜々風
08. #おふしょるにっと / 尾木波菜、菅波美玲、鈴木瞳美、谷崎早耶
09. ワタシアクセント
10. P.I.C.
11.
12. 君はこの夏、恋をする
13. 超絶ヒロイン
14. 好きだ!!!
15. 「君の音だったんだ」
16. 「君と僕の歌」
17. まほろばアスタリスク
18. 君はスパークル
19. 虹が架かる瞬間
<アンコール>
20. てゆーか、みるてんって何?
21. ミラクル!
22. 自分賛歌
しまりょういち◢|なの絵師(なのチャン公認)◢|坂道46ックリマンシール作家◢| @shimaryoichi
@natalie_mu @sato_762 アイドル✖1.5次アニメに弱いワレ。