GRANRODEOが3年ぶり「ROCK☆SHOW」で結成15周年イヤーにピリオド、新たな未来へと歩き出す

GRANRODEOが1月14、15日に東京・国立代々木競技場第一体育館で“Gナンバリング”ライブを開催した。この記事では14日公演の模様をレポートする。

GRANRODEO は2010年より結成年数をタイトルに冠してライブを行ってきた。しかし結成15周年を迎えた2020年、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でライブの実施は叶わず、アニバーサリーイヤーの延長を宣言。2022年1月14日に結成15周年の集大成となる「GRANRODEO 15th ANNIVERSARY LIVE 2022 G15 ROCK☆SHOW "Being Late Rush Rush Rush”」、15日に2022年の幕開けを飾るライブ「GRANRODEO LIVE 2022 G16 ROCK☆SHOW "RODEO-SOUNDS PARADE”」がようやく実現することとなった。

開演時間になると、360°オーディエンスが囲む円形ステージに続く3本の花道にKISHOW（Vo）、e-ZUKA（G）、瀧田イサム（B）、SHiN（Dr）、ダンサーたちがそれぞれ登場した。ステージで彼らが合流すると、華やかなサウンドとともに「青色センセーション」でライブは開幕。KISHOWの爽快な歌声とe-ZUKAが放つみずみずしいギターの音色、はつらつしたダンサーのパフォーマンスによって会場にたちまち高揚感が広がっていった。KISHOWは1曲目からマイクスタンドを振り回し、「FAB LOVE」ではe-ZUKAが円形ステージを楽しげに回りながら軽やかなプレイを展開。「Scorn」では大量のスモークが吹き上がる中、KISHOWの熱いシャウトとe-ZUKAの華麗なギターソロが響きわたり、和の雰囲気が漂うナンバー「カミモホトケモ」ではミュージックビデオと同様に笠を被ったダンサーたちがステージを舞った。

KISHOWは「お待たせいたしました。我々がGRANRODEOです。この気持ちを言葉にするには長すぎるくらい待ったし、すったもんだでしたけど、ようやく実現に漕ぎ着けることができまして、実際に今日お客さんに入っていただいて、すでに感無量です！」と感激。e-ZUKAは「たかが15年、されど15年の歴史をお楽しみいただければと思います！」と意気込んだ。e-ZUKAの「15年分のお礼をしていきたいと思います」という言葉を経て披露されたのは、2005年にリリースされたデビュー曲「Go For It!」。オーディエンスは声を出せなくとも、パワフルなビートに合わせて燃えたぎるような赤いペンライトを力強く振り上げた。その後もGRANRODEOはきらめくようなラブソング「Infinite Love」やヘヴィなサウンドが渦巻く「HEAVEN」といった、アニメ主題歌としても多くの人々に愛されてきたナンバーを連投。「Darlin’」ではさわやかなサウンドが場内いっぱいに広がり、KISHOWが花道の先端まで走って力いっぱい歌を届ける場面もあった。

疾走感のあるサウンドとKISHOWのハイトーンボイスが心地のいい空気を生み出した「未来線を上って」を経て、ここからGRANRODEOはテレビアニメ「黒子のバスケ」の主題歌「Can Do」「The Other self」「Punky Funky Love」「変幻自在のマジカルスター」をメドレーで惜しみなく連投。会場をヒートアップさせたところで、さらに「21st CENTURY LOVERS」「Y・W・F」「Lovers High」といったダンサブルなナンバーを続けて披露して観客を踊らせた。KISHOWは「Gナンバーのライブは2018年の12月に大阪城ホールで2日間やって以来なんですよね」と感慨深げ。e-ZUKAは「いやー、楽しいですね。楽しいし、疲れるね」と素直に述べてKISHOWに「すぐ言う！ さっき着替えてたときも『はあ、歳だわ』みたいなことを言うわけ！」とツッコまれ、「ただ、みんながパワーをくれるから！」とオーディエンスの力のありがたみを感じていた。

その後、GRANRODEOは1月7日に配信リリースしたばかりの映画「文豪ストレイドッグス BEAST」の主題歌「時計回りのトルク」を初パフォーマンス。スケール感のあるエモーショナルなサウンドと魂のこもった熱い歌声を勢いよく放つ。さらに2020年にリリースされたエスニックな雰囲気が漂うナンバー「情熱は覚えている」も披露され、結成15周年を経てもすさまじい勢いで進化し続ける姿を感じさせた。そしてGRANRODEOは360°に広がる真っ赤なペンライトの光を浴びながら「Deadly Drive」「セツナの愛」をありったけの力を解放するかのように熱演。「modern strange cowboy」ではe-ZUKAの速弾きが炸裂し、KISHOWは「聞こえたよ！」とオーディエンスのあふれんばかりの心の声をしっかりと受け止めた。

ライブも終盤を迎え、e-ZUKAは「やってきましたね、KISHOWさん、15年も！」と改めて述べ、KISHOWも「今日で15周年も終わりなので、噛み締めたいですね」としみじみ語った。ラストナンバーは2010年に初めて行われた“Gナンバリング”ライブ「GRANRODEO 5TH ANNIVERSARY LIVE AT 武道館 ～G5 ROCK★SHOW～」のために制作された楽曲「We wanna R&R SHOW」。KISHOWの「俺たちGRANRODEOとRODEOBOY、RODEOGIRLのアンセムというか、テーマソング。これぞ俺たちの曲です」という言葉を経て、e-ZUKAが鍵盤をゆったりと奏で始めた。その穏やかな音色にKISHOWが歌声を重ね、ロングトーンを響かせるとe-ZUKAがギターを携え、爆発音とともに炎が吹き上がる。2人は熱いロックンロールでオーディエンスと心をつなげ合い、手を振りながらステージを去って行った。

アンコールでステージに現れたGRANRODEOは温かみのあるナンバー「僕と君の間」を披露。そして3月23日に9枚目のフルアルバム「Question」をリリースすることや、3月からライブツアー「GRANRODEO LIVE TOUR 2022 “Question”」を開催することを発表してオーディエンスを喜ばせた。そしてGRANRODEOはサンバのテイストを取り入れたサマーソング「エンドレスサマー」を届けて、会場に陽気な空気をもたらす。最後には結成15周年記念ベストアルバム「GRANRODEO Singles Collection "RODEO BEAT SHAKE”」に新録された楽曲「welcome to THE WORLD」を通して未来への思いを晴れやかに歌い鳴らした。e-ZUKAは「最高の形で15周年を締めくくることができました。本当にありがとうございました。本当に皆さん、気をつけて帰ってください。みんなで一緒に同じ時代を生きていきましょう！」と会場を見渡す。KISHOWが「ということで、GRANRODEOでした！また会いましょう！」と叫ぶと、2人は両手の拳を突き合わせ、花道の向こう側へと歩いて行った。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。