aikoが思い出の地・Zepp Tokyoでラストライブ、LLRツアーついに完走

aikoのライブハウスツアー「Love Like Rock vol.9」の最終公演が12月22日に東京・Zepp Tokyoで開催された。

「Love Like Rock vol.9」は2019年10月に開幕し、その後約半年間にわたって32公演が行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、最後の2日間が延期に。この振替公演として、当初予定されていたZepp Tokyoにて、このたび計5日のライブが行われた。Zepp Tokyoは2022年1月1日で閉館することがアナウンスされており、奇しくもこれがaikoにとって同会場最後のライブ。彼女は、バンドメンバーの設楽博臣（G）、佐野康夫（Dr）、須長和広（B）、佐藤達哉（Key）、浜口高知（G）とともに、これまで幾度となくステージに立ってきたZepp Tokyoでパフォーマンスを繰り広げた。

開演時刻を迎えると、真っ赤な幕が開き「アンドロメダ」でライブがスタート。その後aikoは「ストロー」をフロアにせり出したステージでパフォーマンスし、目の前のファンに手を振ったり、2階席をじっと見つめたりしながら、ライブハウスならではの親密なコミュニケーションをファンと交わす。12月14日の東京・東京ガーデンシアター公演で自身の結婚を突然公表したaiko。MCでは、観客が掲げる「結婚おめでとう」と書かれたボードなどを見つけた彼女が、「結婚しました」と改めて報告した。続けて「より道」のロックバージョンや、「明日の歌」「プラマイ」といったナンバーがノンストップでパフォーマンスされた。

その後aikoは複雑なメロディが聴く者の感情を揺さぶる「ハニーメモリー」や、サビでの高音が切なく響く「何時何分」などを披露する。恒例の「男子！ 女子！ そうでない人！」コールの時間になると、佐藤が突如「俺、ちょっとやりたいことがある」と宣言。「男子！ 女子！ そうでない人！ 旦那！ 人妻！」とコールすると、最後にaikoがはにかみながら手を挙げた。その後aikoはピンク色の照明を浴びながら妖艶なポーズで舞台に横たわり、「みんなにいろんなaikoを届けます。今日も明日もこれからも」と告げ、ライブは後半戦に突入。「beat」「未来を拾いに」「エナジー」を盤石のバンドアンサンブルに乗せて歌い、ステージをあとにした。

アンコールの拍手を受け、aikoは「相合傘」のアグレッシブなパフォーマンスでライブを再開。「メロンソーダ」では、ステージ上と天井に設置されたミラーボールの光が乱反射し、会場は幻想的な雰囲気に包まれた。「もっとヒーヒー言わせてやるよ」という煽りで突入したダブルアンコールでは、キャリア初期の楽曲「赤い靴」などが歌われる。その後aikoは「この会場では61回ライブをすることができました」と語り、Zepp Tokyoにまつわる思い出を、寂しさを滲ませつつ回想。「絶対に思い出に残るようなライブをしたいと思って今日来たけど、みんなのおかげでいつも通りのライブをすることができました」と感謝の思いを述べた。

1曲目に披露された「アンドロメダ」を軽やかにセッションしたaikoたちは、トリプルアンコールとしてライブの定番曲「be master of life」をプレイ。バンドメンバーとともに大きく飛び跳ねながら力強くパフォーマンスすると、会場は熱気の渦に包まれる。その後aikoは「最後の曲です！ Zepp Tokyoに捧げます」と告げ、ライブを締めくくるべく「二人」を歌唱。しかし、最後の最後で佐野が投げたスティックを須長がキャッチし損ねたのを見て「えー、もう1回やる？ 取り損ねたのが終わりって、ちょっとなあ」とこぼすと、観客は大きな音で手拍子。aikoは「なんの曲にしようかな」とバンドメンバーと打ち合わせた後に、「やっぱりこの曲にします！」と人気曲「ボーイフレンド」を勢いよくパフォーマンスする。フロアが最高潮の盛り上がりを見せる中、ラストに須長がスティックをしっかりキャッチ。そしてもう1本のスティックをaikoが両手で受け止めると会場は拍手に包まれ、大団円でツアーは閉幕した。