開演時間になり、ステージにトオミヨウ(Key)と2人で登場した石崎ひゅーいは、「スワンソング」でライブを静かにスタートさせる。曲が終わるとほかのバンドメンバーが合流し、「ブラックスター」の演奏へ。石崎はうれしそうにフロアを見渡し、続く「第三惑星交響曲」では「立てる人は立ってもいいんだよ」と観客に促す。その後アコースティックギターを手にした彼は「さよならエレジー」をパフォーマンス。高揚感に満ちたサウンドがオーディエンスの体を揺らした。
石崎は「2年ぶりのバンドツアーになります。2年分のエネルギーを放出しようと思います!」と宣言し、「ガールフレンド」と「ピノとアメリ」を披露。どちらもバラードナンバーだが、バンド編成ならではのサウンドアレンジが施され、しっかりのエネルギーが伝わるパフォーマンスに。そして「みんなの代わりに俺が叫んでもいいですか」と言ってステージを練り歩きながら「ファンタジックレディオ」を歌い届けた。
続くブロックでは、バラード「ナイトミルク」やスケール感あふれる「Namida」、硬質なロックナンバー「Flowers」、観客のダンスを誘った妖艶なムード漂う新曲「パラサイト」、そして再びバラード「お前は恋をしたことがあるか」といった具合に短いスパンでバラエティに富んだ楽曲が並べられ、観客は表現力豊かな石崎の歌声を味わう。MCでは12月22日にリリースされる5年ぶりのフルアルバム「ダイヤモンド」を改めて紹介しつつ、来年10周年を迎える現在の心境について「最初の頃はなんでも1人でできるんじゃないかと思ってました。でもいろんな経験をして、みんなと同じ時間を共有して気が付いたんです。石崎ひゅーいの音楽はみんなが聴いてくれて初めて完成するんだと。10周年、まだまだ見せたいいろいろな景色があるのでついてきてください」と語った。
後半戦は「メーデーメーデー」でにぎやかに幕開け。「夜間飛行」で勢いを加速させ、「僕がいるぞ!」ではバンドの熱演も相まってクライマックスに向けてさらなる盛り上がりを見せる。そして少し間を置いてアコースティックギターのストロークから「ジャンプ」がスタート。私立恵比寿中学に提供し、新アルバム「ダイヤモンド」でセルフカバーすることが発表された楽曲だ。「手を伸ばしたら 届きそうでさ」という歌詞に合わせてフロア一面から腕が上がり、石崎もファンの思いを受け止めるように両手を広げていた。「心の中で一緒に歌ってください」と言って始まったのは「花瓶の花」。ラストは「アヤメ」で穏やかな空気を作り出し、2年ぶりのバンドツアーはフィナーレを迎えた。石崎はバンドメンバーがステージをはけたあともしばらく残り、「今年もう会えない人もいると思うから、メリークリスマス。そしてよいお年を」と挨拶。ファンの顔を脳裏に焼き付けるようにフロアに目をやり、最後まで名残惜しそうにしながらステージを去っていった。
石崎ひゅーい Tour 2021「from the BLACKSTAR」2021年12月7日 Zepp DiverCity(TOKYO)セットリスト
01. スワンソング
02. ブラックスター
03. 第三惑星交響曲
04. さよならエレジー
05. ガールフレンド
06. ピノとアメリ
07. ファンタジックレディオ
08. ナイトミルク
09. Namida
10. Flowers
11. パラサイト
12. お前は恋をしたことがあるか
13. メーデーメーデー
14. 夜間飛行
15. 僕がいるぞ!
16. ジャンプ
17. 花瓶の花
18. アヤメ
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石崎ひゅーい、エネルギー放出した2年ぶりバンド編成ライブ「みんなが聴いてくれて初めて完成する」 https://t.co/rH789C9eT3