「必ず帰ってきます」金澤朋子がJuice=Juiceから卒業、新リーダー植村あかりと後輩にバトン託す

Juice=Juiceが11月24日に神奈川・横浜アリーナで単独コンサート「Juice=Juice Concert 2021 ～FAMILIA～ 金澤朋子ファイナル」を開催。この公演をもって金澤朋子がグループおよびハロー！プロジェクトを卒業した。

金澤は2013年2月25日にオリジナルメンバーとしてJuice=Juiceに加入し、2019年6月に2代目リーダーに就任。結成時から8年9か月にわたりグループで活動してきた。この公演は7月に加入した新メンバーの有澤一華、入江里咲、江端妃咲を交えた10人体制で臨む最初で最後の大型公演で、Juice=Juiceにとって横浜アリーナでのワンマンライブは今回が初。公演の模様はひかりTVで生中継されたほか、全国の映画館でライブビューイングが実施された。

会場が暗転しダンサブルなビートが響き渡ると、ステージ後方の階段にJuice=Juiceが颯爽と登場。白と黒が基調の衣装に身を包んだ彼女たちは、金澤の「私はローズクォーツ」というフレーズが印象的な「イジワルしないで 抱きしめてよ」を皮切りに、新曲「Future Smile」、Juice=Juiceのメジャーデビュー曲「ロマンスの途中」を力強く歌唱した。金澤は自身のラストステージについて「本当にドッキドキなんですけど、その分私たちも気合十分です！」とコメント。続いて新メンバーを除く7人で、シュガー・ベイブのカバー「DOWN TOWN」、ミディアムロックナンバー「Va-Va-Voom」、アダルトな雰囲気漂うボサノバ調の「素直に甘えて」といった緩急のあるセットリストを展開した。また竹内まりやのカバーで新曲の「プラスティック・ラブ」では、再び新メンバーと合流し、10人全員で一体感のあるクールなパフォーマンスを見せつけた。

ライブ中盤、新メンバー以外の7人によるキレのあるダンスパフォーマンス、新メンバー3人のフレッシュな笑顔が光る「如雨露」を経て、金澤を中心とした少人数編成のメドレーコーナーへ。金澤は段原瑠々、松永里愛、江端妃咲と「プラトニック・プラネット」、稲場愛香、工藤由愛、有澤一華と「TOKYOグライダー」、井上玲音、入江里咲と「Wonderful World」を披露。自身と同じJuice=Juiceのオリジナルメンバーである植村あかりとは、メロディラインが切ないバラード「シンクロ。」を伸びやかに歌唱し、心がぴたりと通じ合っているかのような2人の美しいユニゾンを会場いっぱいに響かせた。

後半戦では、新メンバー以外の7人による「『ひとりで生きられそう』って それってねえ、褒めているの？」「私が言う前に抱きしめなきゃね」「Fiesta! Fiesta!」といったアグレッシブな楽曲のパフォーマンスを経て、彼女たちはメンバー全員で「CHOICE & CHANCE」に突入。井上のダイナミックなボイスパーカッションが炸裂したほか、段原がラスサビの高音パートで渾身のシャウトを繰り出す。さらに続く「Magic of Love」では、メンバーがライブでお決まりの「ここだよ朋子！」コールを金澤に元気よくお見舞い。また井上ははつらつと「朋子が好きよ」、植村は照れながら「朋子が大好き、ああ、うう」とそれぞれサビの歌詞を変えて歌唱したり、段原が曲終盤のダイナミックなフェイクを懸命に歌い上げたりと、曲中でいくつものドラマチックな場面が見られた。そしてライブ終盤、金澤の「笑顔で歌えるようにがんばります」という言葉を合図に、新曲「Familia」がスタート。涙と微笑みを浮かべる金澤にほかのメンバーが寄り添うようにして、温かなパフォーマンスが届けられた。

アンコールで真っ赤なドレスに身を包んだ金澤は、自身が尊敬する中島卓偉作詞作曲によるソロ曲「あなたを想う帰り道」を情感豊かに歌唱。続いてメンバーと「続いていくSTORY」を歌ったあと、これまでの自身の歩みを振り返り始める。以前は公務員を目指し模擬試験を受けていた時期もあったが、カラオケコンテストに参加したことをきっかけにハロプロに加入した金澤。「ひょんなきっかけと奇跡の連続で約9年間の活動につながり、本来はあるはずのなかった多くの出会いに恵まれたこと、心から感謝しています」「Juice＝Juiceの金澤朋子として活動できたこれまでの期間は、私の人生の誇りであり宝です。ほかの何にも変えることのできない、大切で尊い時間でした」と語った。さらにファン、メンバー、スタッフへの感謝を述べ、「私は病気のことがあって卒業を決意しました。悔しさや寂しさがないと言い切るのは嘘になりますが、それでも最終的には自分で決めたこと。自分の体を大切にしながら精進して参ります」「必ず皆さんの前に帰ってきます。わがままかもしれませんが言わせてください。私にも皆さんが必要です。どうか信じて待ってくださると幸いです」と続けた。

その後、各メンバーから金澤へのメッセージが贈られるコーナーへ。松永は「金澤さんの居場所はたくさんありますので、いっぱい帰ってきてください」、段原は「金澤さんをはじめ先輩方が見せてくれた素敵な景色や場所を守っていきたい。これからも受け継いでいきます」とコメント。またこの日金澤からグループの3代目リーダーに指名された植村は、「朋子の寂しい思いも、Juice＝Juiceメンバーみんなでまるごと背負っていきます。新リーダーになるということで、朋子のようにはできないかもしれないけど、私らしく、朋子のバトンをつないでいけるようにがんばりたいです」と朗らかな口調で語った。そしてラストナンバー「未来へ、さあ走り出せ！」では10人が花道を駆け抜けながら「行くぜ！ 私たちの未来！ Juice＝Juice!!!」と歌声を響かせ、この日の公演の幕を降ろした。

なお現在、金澤が歌唱する「あなたを想う帰り道」の音源がiTunes、レコチョク、moraで配信されている。