ユニコーン流ロックンロールショーを体現、メンバーが八面六臂の活躍を繰り広げた武道館公演

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ユニコーンのライブツアー「ユニコーンツアー2021『ドライブしようよ』」が11月24日に東京・武道館にてファイナルを迎えた。

「ユニコーンツアー2021『ドライブしようよ』」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:三浦憲治[ライトサム])

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「ユニコーンツアー2021『ドライブしようよ』」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:三浦憲治[ライトサム])

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8月下旬に開幕した今回のツアーは、ロックンロールをテーマにした最新アルバム「ツイス島&シャウ島」を携えて全国21会場で行われ、最終公演の模様はWOWOWで生中継された。ヤシの木の置物やジュークボックス、「DRIVE YOU CRAZY」の文字が輝くアメリカンダイナーを想起させる巨大なネオンのオブジェ、銀色のフリンジのカーテンなど、アルバムの世界から飛び出してきたかのようなセットに現れたユニコーンの面々。5つのシルエットがステージに浮かび上がると、オーディエンスは大きな拍手で彼らを出迎えた。ツアー初日ではABEDONと奥田民生のリーゼント姿が話題となったが、蓋を開けてみれば最終公演では川西幸一とEBIもリーゼントに。轟くエンジン音を浴びながら、最初にメインボーカルをとったのは川西。彼は奥田が叩く硬質のビートを背に受けながら堂々と「ZG」を熱唱し、いちボーカリストとしての力量を発揮してみせた。

「ユニコーンツアー2021『ドライブしようよ』」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:三浦憲治[ライトサム])

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奥田から川西にドラムを交代して披露されたのは、ライブの定番曲「WAO!」。今度はABEDONがフライングVを抱えて、朗々とした歌声を響かせる。間奏では手島いさむ得意のライトハンド奏法が炸裂し、流麗なギターサウンドに合わせて観客が手を左右に振り、大海原のような景色を作り出した。マルチプレイヤーぞろいのバンドらしく、途中途中でパートチェンジの時間が挟み込まれるが、その間はひたすら冗談を飛ばし、コントのようなやり取りを交わしていた5人。序盤で奥田が「無事(ツアー)完走ですよ。変なことを言わなきゃね」とWOWOWの生中継について触れると、ほかの4人が口々に「言うなよ! 言うなよ!」と畳みかけるなど、相変わらずの調子でファンを和ませた。

「ユニコーンツアー2021『ドライブしようよ』」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:三浦憲治[ライトサム])

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ツアーで練り上げた脂の乗ったバンドサウンドを聴かせると同時に、ユニークなパフォーマンスでも観客を魅了したメンバーたち。ロカビリー調の「紅CAR」では奥田とABEDONがシャウト合戦を繰り広げ、「短歌のやつ」では川西が一句詠みあげ、ABEDONがトランペットを高らかに吹く。さらに「西の外れの物語」の前にはEBIが「みんなわかってるね? 合言葉は?」と突然歌詞を引用した合言葉を求め、マイペースすぎる曲つなぎで観客だけでなくメンバーをも翻弄。「R&R はぐれ侍」の間奏中には、メインボーカルをとる川西がABEDONと一緒に真剣白刃取りの真似をしたり、踊ったりとステージ上で自由気ままに振る舞う。その姿に奥田は「あんなことツアーの最初ではやってなかったよ。ドリフになってたよ」とツッコミを入れていた。

「ユニコーンツアー2021『ドライブしようよ』」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:三浦憲治[ライトサム])

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笑いを誘う一方で、飛び道具的なステージングに終始しないのがユニコーンらしいところ。奥田曰く「わりと普通のやつ(曲)」という「ロックンローラーのバラード」では貫禄たっぷりの存在感を見せ、「夢 Me Tender」ではダイナミックなサウンドスケープを描いてオーディエンスを圧倒した。その後、ABEDONがひたすら「ミレー」とシャウトする後ろで、奥田がサックスを吹き、EBIと手島が軽やかにそろいのステップを踏む「ミレー」や、手島の渋い歌声が冴える「Go Back Is Alright !」、マタギに扮したEBIが「狙った獲物は 逃さねぇ」とキメ顔をしながら歌うThe Venturesサウンドを彷彿とさせるサウンドの「米米米」と「ツイス島&シャウ島」に収録されているノリのいい曲が続き、会場は陽気な空気で満たされる。その雰囲気を引き継ぐように5人は「Boys & Girls」「チラーRhythm」を披露したあと、ライブのクライマックス直前のタイミングで骨太なロックナンバー「オレンジジュース」を投下。炎が立ち上る演出を交えながら、一枚岩のアンサンブルを武道館に轟かせた。

「ユニコーンツアー2021『ドライブしようよ』」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:三浦憲治[ライトサム])

「ユニコーンツアー2021『ドライブしようよ』」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:三浦憲治[ライトサム])[拡大]

本編は、32年前にリリースされたユニコーンの代表曲である「服部」と、最新ナンバーの1つである「ツイス島&シャウ島」という2曲で、過去と現在のユニコーンのロックンロールサウンドを対比的に披露する形で終了。しかし観客は熱烈にアンコールを求め、ステージに奥田、川西、手島、EBIを呼び戻す。最後に悠々と姿を見せたABEDONは、エルビス・プレスリーを思わせる佇まいで「RRQ」を歌い出した。しかしその口から繰り出される歌詞はオリジナルバージョンを逸脱し、おふざけモード全開。メンバーも思わず吹き出す始末で、一時は収拾がつかない状況なりかけるも、最後はツアータイトルの「ドライブしようよ」を全員で連呼する形で無事締めくくられた。

「またお会いしましょう」。奥田の放ったそのひと言で、ツアーのラストナンバーとして届けられたのは「KEEP ON ROCK'N ROLL」だ。5人はグッと表情を引き締めると、ロックンロールバンドとしての自分たちのスタンスを宣言するように、爆音に乗せて「欲しいものはここにある KEEP ON ROCK'N ROLL」と、何度も立ってきた武道館に改めて爪痕を残すかのごとく高らかに繰り返した。

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ユニコーン「ユニコーンツアー2021『ドライブしようよ』」2021年11月24日 日本武道館公演 セットリスト

01. ZG
02. WAO!
03. スペースカーボーイズ
04. 紅CAR
05. 短歌のやつ
06. 西の外れの物語
07. R&R はぐれ侍
08. ロックンローラーのバラード
09. 夢 Me Tender
10. ミレー
11. Go Back Is Alright !
12. 米米米
13. Boys & Girls
14. チラーRhythm
15. オレンジジュース
16. 服部
17. ツイス島&シャウ島
<アンコール>
18. RRQ
19. KEEP ON ROCK'N ROLL

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しろっくま組長、👺🍒🍎 @19751022Dragons

【ライブレポート / フォトギャラリー】ユニコーン流ロックンロールショーを体現、メンバーが八面六臂の活躍を繰り広げた武道館公演(写真25枚) https://t.co/xbnXmc3RO9

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