SOMETIME'Sがライブできる喜び噛み締めたWWWワンマン「ライブハウスが帰ってきた！」

SOMETIME'Sが10月15日に大阪・ROCKTOWN、30日に東京・WWWでワンマンライブ「SOMETIME'S CIRCLE & CIRCUS Release Tour 2021」を開催した。この記事では東京公演の模様をレポートする。

このワンマンは当初、SOMETIME'Sが5月に発表した音源集「Slow Dance EP」のレコ発イベント「SOMETIME'S New EP Release Tour 2021」として企画されたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により公演は延期となっていた。その間にもSOMETIME'Sは精力的に活動を続け、8月にメジャー1stアルバム「CIRCLE & CIRCUS」をリリース。振替公演は「SOMETIME'S CIRCLE & CIRCUS Release Tour 2021」とタイトルを変更して開催されることとなった。

東京公演のチケットはソールドアウト。SOMETIME'Sは大勢の観客が見守る中、サポートメンバーである清野雄翔（Key）、佐々木恵太郎（B）、冨田洋之進（Dr / Omoinotake）、ぬましょう（Per）、永田こーせー（Sax）、大泊久栄（Tp）、藤田道哉（Manipulator）を従えてステージに登場すると、1曲目に「SUNRISE」をセレクトして華やかにライブの幕を開けた。SOTA（Vo）は「最高の夜にしよう！」と勢いよく挨拶すると、ライブ定番曲「シンデレラストーリー」をパワフルに熱唱。そのままファンクナンバー「My Love」を繰り出して序盤から会場の熱気を高めていった。演奏を終えるとTAKKI（G）がライブができる喜びを噛み締めるように「思ってた3倍くらい楽しいわ」とひと言。SOTAは「今日はあれですよね？ 皆さんが持っているのは「『（ハイ）ネケン』ですよね？ ライブハウスでお酒が出てますよ」と緊急事態宣言の解除に伴い酒類の提供が再開したことに触れつつ、「いいねえ！ライブハウスが帰ってきた！」と嬉しそうに語って会場の笑いを誘った。

4曲目までを終えると、永田と大泊の2人が一旦退場。雷鳴のようなSEから始まる「Raindrop」では、SOTAがブルーを基調としたライティングに照らされた繊細なボーカルをじっくりと聞かせる。続くファンク調のアッパーチューン「Get in me」では、TAKKIがエモーショナルなギターソロでオーディエンスを魅了した。ライブ中盤にサポートメンバー全員が退場すると、TAKKIがアコースティックギターに持ち替えて「迎灯」を2人きりで演奏。SOTAの表現力豊かなボーカルと、TAKKIの温かなアコースティックギターの音色が相まって場内は穏やかな雰囲気に包まれた。その後はキーボードの清野を迎えたミニマムな編成で「KAGERO」を届けたのち、再びサポートメンバーを呼び込んで「Stand by me」をグルーヴィにプレイ。最後はTAKKIがコロナ禍の日々を振り返りながら、「僕はSOTAに比べるとメンタルが強いほうじゃなくて、どうしようもないことで悩んじゃうんですよ。隣にこれだけ面白いボーカルがいてくれたから、この状況を乗り越えられたと思っていて。だからコロナになる前にSOMETIME'Sを始めることができてよかったなって思います」「僕たちはやめないっていう決意の歌を書いてきました。最後にその曲と、楽しい曲をやって終わりたいと思います。どうもありがとう」と言って、「You and I」「Honeys」の2曲を演奏してステージをあとにした。

アンコールでは、SOTAがSOMETIME'Sに携わるスタッフたちに感謝の気持ちを伝えたのち、「僕ら2人だけでは何もできない中で、いろんな方々に助けていただいて本当にありがとうございます！ ますますそういった輪を広げていきたいと心の底から思ってます」と挨拶するとオーディエンスから大きな拍手が湧き起こった。そしてSOTAは最後に「大好きなチームであと2曲だけやって終わりにしたいと思います。お体に気をつけて。またやりましょう！」と、ここまでライブを見守ってきてくれた観客に呼びかけて「Slow Dance」「Morning」の2曲を届け、大盛況の中この日の公演の幕を降ろした。