「GLAY史上最も笑顔に包まれたツアー」さいたまで終幕

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GLAYの全国ツアー「GLAY LIVE TOUR 2010-2011 ROCK AROUND THE WORLD」のファイナル公演が、2月5日・6日にさいたまスーパーアリーナにて行われた。今回のツアーは昨年夏のホール16公演、秋から今回のさいたま公演までのアリーナ21公演、全37公演にわたって開催。アリーナ公演開始直前には約3年9カ月ぶりとなるオリジナルフルアルバム「GLAY」もリリースされ、大きな注目を集めるツアーとなった。

GLAYは3月9日にコンセプトベストアルバム2作品を同時リリース。7月には幕張メッセでファンクラブ限定ライブを行う(写真は2月6日のライブの模様)。

GLAYは3月9日にコンセプトベストアルバム2作品を同時リリース。7月には幕張メッセでファンクラブ限定ライブを行う(写真は2月6日のライブの模様)。

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TERU(Vo)

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TAKURO(G)

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HISASHI(G)

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JIRO(B)

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2月5日

さいたま公演初日、5日のライブ冒頭では、このツアーのオープニングを彩ってきたおなじみのムービーが流れる。「ボレロ」をBGMに、ツアータイトルどおりロックが世界中を旅するような映像が、会場を埋め尽くした約2万人のファンの期待を煽る。そしてメンバー4人がステージに現れると、場内からは大歓声と拍手が沸き起こった。

会場の声援に腕を上げて応えた4人が、1曲目に鳴らしたのは「シキナ」。力強い重低音のリズムがアリーナを揺らし、TERU(Vo)の伸びやかな声がライブの幕開けを高らかに告げる。そして「OK、さいたまスーパーアリーナ! 今日はガンガン愛し合おうぜ!」というTERUの絶叫から「汚れなきSEASON」へ。「ビリビリクラッシュメン」ではTAKURO(G)が攻撃的なギターフレーズを鳴らし、会場の温度を急上昇させた。

TERUはファンに向けて「最終日間近になってちょっと寂しいけど、寂しさを吹き飛ばすようなライブにするって約束するから」と挨拶。「More than Love」「Cynical」と懐かしめのナンバーが披露された後は、サポートメンバーのSEI(Key)が奏でる柔らかなピアノから始まる「遥か…」へ。自身が語った言葉のとおり、TERUは思いを込めるように目を閉じて情感豊かな歌声を響かせる。続く「Precious」では、しっとりと始まった曲が徐々に広がりを見せ、圧巻のバンドアンサンブルで会場中を飲みこんでいく。歌詞で描かれた物語の悲しみを、サウンドの熱量がより強く引き立てていた。

華やかなレーザー光線の演出と、HISASHI(G)の深みのあるギターが印象的な「風にひとり」、2万人が一斉にタオルを回し、ハンドクラップでステージとの一体感を楽しんだ「AMERICAN INNOVATION」の後は、メンバーをアニメ化した映像で盛り上げる「週末のBaby talk」。メンバーの煽りに合わせて観客全員が腕を振り上げ、ジャンプを繰り返す。この中ではマイケル・ジャクソンの「スリラー」を模したフレーズと映像でファンを楽しませるのが恒例だったが、アリーナツアー終盤はスペシャルバージョンで「HIGHCOMMUNICATIONS」にチェンジ。すでにツアーに参加したファンも大いに驚くサプライズとなった。

「時の雫」「Satellite of love」とバラードナンバーが続いた後、ライブ本編はいよいよ終盤へ。「俺たちはお前らが欲しい!」とTERUが叫び、「FAME IS DEAD」から怒涛のアッパーチューンが立て続けに鳴らされる。火柱が上がり、炎に煽られるように激しいパフォーマンスが展開された「FATSOUNDS」、オーディエンスの一体感がピークに達した「彼女の"Modern..."」。そして「本気で愛してくれるみんながいるから俺たちがいる、そんな曲を最後に贈ります!」というTERUの言葉に続く、本編最後の曲は「Chelsea」。会場には金色のテープが舞い、ラストを華やかに締めくくった。

この日は2月2日にHISASHIが誕生日を迎えて以来初のライブということもあり、アンコールの声に替わって場内からは「ハッピーバースデー」の歌声が起こる。そんな声に応えてステージに登場したHISASHIは「ありがとうございます。実はさっきリハーサルで、スクリーンに映して祝ってもらったんです。でも『本番はないんだなー』って思って……(笑)。まあこんなもんですよ」と笑いながら語った。

アンコール1曲目「月の夜に」の後、自然発生的にメンバーが「ハッピーバースデー」を演奏すると、HISASHIは「やるんなら最初からちゃんとやってくれ(笑)」と苦笑気味。そして「この流れから入んのやりづらいって毎回言ってんだろ!(笑)」というJIRO(B)の叫びに続く「SHUTTER SPEEDSのテーマ」で場内は再び熱狂の渦へ。オーディエンスの大合唱が響いた「ピーク果てしなくソウル限りなく」、TOSHI(Dr)の迫力あるドラムがアリーナを揺らす「ACID HEAD」と、アンコールにふさわしい盛り上がりを見せる。最後のMCでTERUは「2011年が始まったけど、今年はすごくいい年になりそうです。みんなと過ごす時間をもっと作りたい、20周年まで駆け抜けていきたいと思います」と抱負を語り、ラストチューン「BELOVED」でその思いを新たにするように力強い歌声を聴かせた。

2月6日

6日の公演は正真正銘のツアーファイナルということもあり、ファンの気合も期待もさらに高まっていた様子。開演前からBGMに合わせ、総立ちのオーディエンスの手拍子が鳴り響いた。この日も「シキナ」からライブの幕が上がり、TERUは「今日はどこまでも暴れるぜ!」と絶叫。MCではDVD化に向けた収録カメラが入っていることに触れ「ビデオシューティングがあるからって緊張しないでね(笑)」とファンを和ませていた。

HISASHIの奏でる軽やかなギターフレーズが心を躍らせる「Cynical」、そのまま続けてTERUが歌い始めた第一声で悲鳴が起こった「口唇」と、序盤から強力なナンバーが相次ぐ。前日同様の盛り上がりを見せた「週末のBaby talk」では、ラストの"しゃがんでジャンプ"をTERUが見事に仕切り「21公演やってきたけど、今日が一番うまくいった! 神が降りたね(笑)」と満足げに語り、オーディエンスを笑わせていた。

「俺たちが『こうやったら楽しいんじゃないか』って考えてやってることを受け止めてくれてうれしいです。そういう感謝の気持ちを託した歌があるので、聴いてください」というTERUの言葉に続き、「Apologize」が始まる。鼓動のような熱く力強いリズムが心地良く場内に響き、観客もうっとりと聴き入っていた。「時の雫」ではTERUとTAKUROが美しいハーモニーを作り上げ、ストリングスの音色と重なって壮大な音像を展開する。その後、静寂に包まれたアリーナに向けてTERUが歌い始めたのは「Satellite of love」。しっとりと始まった曲にTAKURO、HISASHI、JIROが鳴らす力強い音色がパワーを与え、TERUは天を仰いで喉が張り裂けんばかりの声を響かせる。GLAYにしか作れない圧倒的な世界にオーディエンスは息を呑み、涙ぐむ人の姿も数多く見られるひとときとなった。

本編終盤では前日同様、ロックチューンを続々と披露する。「TOSHIのドラムが火を吹くぜ!」というTERUの煽りから大ヒット曲「誘惑」が始まると、会場の熱気は急上昇。最後を飾った「Chelsea」ではTERUが「本気で愛してくれるみんながいるから、GLAYはGLAYらしく生きていける!」と歌詞を変えて歌い、観客を喜ばせた。

ファイナル公演とあって、アンコールでは他のメンバーも挨拶。JIROは「最高のファイナルだったと思います。本当に笑顔の多いツアーでした」と語り、HISASHIは「このさいたまが39歳になって初めてのライブでした。素敵なステージができて光栄です」と話す。リーダー、TAKUROは「これが30代最後のツアーなので、これから10年をどう生きていくか試されているようなツアーでした。いろいろ悩みも多かったけど、自分の今後の10年を信じていけるような自信をみんなからもらいました」と、自信に満ちた表情を見せた。

最後にTERUは「最近氷室京介さんや布袋寅泰さんのライブを観てきて、自分たちも50歳ぐらいになってもカッコいい音楽をがんばってやっていきたいと思いました。夢を抱いて、みんなと一緒に楽しく幸せな空間を作っていきたいです」と、会場を見渡しながら語る。そしてファンが待ち望んでいる巨大ライブイベント「GLAY EXPO」について「EXPOという夢に、みんなと一緒に向かっていきたいです。そしてEXPOでこの曲をみんなで歌いたいと思います」と語り、ラストナンバー「BELOVED」をファンと共に合唱した。

歌い終えたTERUは「たくさんの愛情に包まれた最高のツアーでした。本当にありがとう!」と絶叫。メンバー全員でステージ両端の花道を歩き、名残惜しそうにファンへの別れの挨拶を繰り返していた。ステージ上のメンバーと客席のオーディエンス、全員が手をつないでのジャンプでライブが終わると、スクリーンには「GLAY史上、これほどの笑顔に包まれたツアーはありませんでした」と、メンバーとスタッフからのメッセージが映し出される。会場内にはメンバーへの感謝の思いに満ちた、2万人の温かい拍手が響き渡った。

GLAY LIVE TOUR 2010-2011 ROCK AROUND THE WORLD
さいたまスーパーアリーナ セットリスト

2月5日
01.シキナ
02.汚れなきSEASON
03.ビリビリクラッシュメン
04.WASTED TIME
05.More than Love
06.Cynical
07.遥か…
08.Precious
09.風にひとり
10.AMERICAN INNOVATION
11.週末のBaby talk
12.Apologize
13.時の雫
14.Satellite of love
15.FAME IS DEAD
16.FATSOUNDS
17.彼女の"Modern..."
18.GREAT VACATION
19.Chelsea

EN-01.月の夜に
EN-02.SHUTTER SPEEDSのテーマ
EN-03.ピーク果てしなく ソウル限りなく
EN-04.ACID HEAD
EN-05.BELOVED

2月6日
01.シキナ
02.汚れなきSEASON
03.ビリビリクラッシュメン
04.WASTED TIME
05.Cynical
06.口唇
07.遥か…
08.Precious
09.風にひとり
10.AMERICAN INNOVATION
11.週末のBaby talk
12.Apologize
13.時の雫
14.Satellite of love
15.FAME IS DEAD
16.誘惑
17.彼女の"Modern..."
18.GREAT VACATION
19.Chelsea

EN-01.月の夜に
EN-02.SHUTTER SPEEDSのテーマ
EN-03.ピーク果てしなく ソウル限りなく
EN-04.ACID HEAD
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音楽ナタリー @natalie_mu

「GLAY史上最も笑顔に包まれたツアー」さいたまで終幕 http://natalie.mu/music/news/44645

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