「fun time ACCIDENT」はユニゾンが異なるシーンや世代のアーティストを招いて行うイベントで、今回が6年ぶりの開催。大阪公演には
9月6日 なんばHatch
この日のトップバッターを務めたのはカッパマイナス。1曲目「BOOT(仮タイトル)」のヘビーなアンサンブルでその世界観をオーディエンスにアピールしたあとは「16少年漂流記」へ。石原倫人(B)、タロー(Dr)が刻む超高速のビートに乗せてフロアが揺れた。「Sugar Moon」の荒々しいサウンドを響かせたのち、石原達郎(Vo, G)は「たぶん日本で一番『誰やねん』と思われてる人数が多いと思いますが……(笑)」と観客に挨拶。「ただただいいライブをしたいと思います。声を出せない状況ですが、一種のプレイ的に楽しんでいただければ」と呼びかけ、場内の空気を和ませた。
続いて披露されたのはバラードナンバー「SINGER」。さらにしっとりとしたイントロから熱量を徐々に増していく「雪にかわれ」を披露し、観客を圧倒した。最後の曲に入る前、石原倫人は感謝を述べ、「最後に僕たちの愛している曲をやって終わります」と紹介。赤いライトに照らされながらラストナンバー「ジャム」をアグレッシブに披露し、ステージを去っていった。
2番手の崎山蒼志は1人きりでステージに現れ、力強いアコースティックギターのストロークに乗せて「ソフト」を熱唱。圧巻のギターテクニックと独特のボーカルでオーディエンスを一気に引き込んだ。続いてサポートメンバーの宗本康兵(Key)、マーティ・ホロベック(B)、GOTO(Dr)が加わり、「find fuse in youth」をパフォーマンス。歌い終えた崎山は今回の出演を「呼んでいただけてすごくうれしいです。大阪でのライブもなかなかなくて」と喜び、観客に「楽しんでいってください」と呼びかけた。
疾走感に満ちた「Undulation」で場内のテンションを上げたあとは「Heaven」「Samidare」といったナンバーを歌い、さらにオーディエンスを惹き付けていく。その後はこの季節にぴったりな「花火」を披露。哀切な歌声で夏の終わりを彩った。サポートメンバーがひと足先にステージを降りたあと、崎山はテレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」5期第2クールのエンディングテーマでもある最新曲「嘘じゃない」を弾き語りで歌う。オリジナルバージョンとはまた異なる、メロディの美しさがシンプルに伝わるパフォーマンスで締めくくった。
トリを務めたUNISON SQUARE GARDENは「エアリアルエイリアン」でオープニングを飾り、予想外の選曲で観客を驚かせた。その後は「MIDNIGHT JUNGLE」「Phantom Joke」といったナンバーで場内の熱気を高めていく。「サンポサキマイライフ」では声援を送れないオーディエンスが、その代わりとばかりに力強く腕を上げた。
「静謐甘美秋暮抒情」に続き、鈴木貴雄(Dr)の力強いドラムソロを起点に3人のセッションが繰り広げられたあとは緑と赤のライトに照らされながら「サイレンインザスパイ」を披露。さらに高々と脚を上げる田淵智也(B)のパフォーマンスが印象的な「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」で場内のテンションを再び引き上げる。「桜のあと(all quartets lead to the?)」の華やかなサウンドで、会場はこの日一番の一体感に包まれた。
アンコールで斎藤宏介(Vo, G)は今回のライブの意図を「素晴らしいミュージシャンのライブを観たいという気持ちと、素晴らしいミュージシャンと対バンライブをしたいという気持ちをギューッとしたのが今日のライブです。『ライブを観たいなら呼べばいいじゃない』って、貴族の遊びみたいだけど(笑)」と語る。そして「カッコいいミュージシャンはたくさんいるので、ライブに行けるときはぜひ行ってほしいです」と観客を促し、最後の曲「mix juiceのいうとおり」を披露した。
9月10日 Zepp Tokyo
この日、最初に登場したのは7月に1stアルバム「骨格」をリリースしたばかりの黒子首。アルバムにも参加したサポートメンバーの江渡大悟(G)、秦千香子(Key)を迎え、5人体制での初ライブとなったステージは「Champon」で幕を開けた。クールなサウンドと堀胃あげは(Vo, G)の独特な歌声で観客を引き込むと、みと(B)のグルーヴィなベースが炸裂する「Driver」を聴かせる。息を呑むオーディエンスを和ませるように、田中そい光(Dr)はドラムを叩きつつ「どうも黒子首です! 我々、やる気まんまんでやってまいりました」と大きな声で挨拶し、場内の空気を緩めた。
「チーム子ども」「熱帯夜」と温度感のまったく異なる楽曲を連投したあと、堀胃は「このライブを企画した人、成功させるために努力した人、ここまで足を運んだ人が大好きです。敬意に値します」と自身の思いを語り、そんな思いを表現するかのように次の楽曲「あなうめ」へと移る。メンバーの熱演にオーディエンスも大きなハンドクラップで応えた。ラストは「静かな唄」の圧巻の演奏で締めくくられた。
続く日食なつこはステージ中央に据えられたピアノに向かい「2021年、たぶん最後の夏日ですね。最後までこの夏を楽しんでいきましょう」と穏やかな声で観客に語りかけてから「真夏のダイナソー」を披露。さらに小気味よいスタッカートが印象的な「空中裁判」、8月にリリースした最新アルバム「アンチ・フリーズ」の収録曲「なだれ」をパフォーマンスし、巧みな演奏と艷やかなボーカルで会場全体を魅了した。
「99鬼夜行」「エピゴウネ」でダークな世界へ誘ったあと、日食はこの日の会場に足を運んだ観客に対し「皆さんがいろいろな約束を守ってくれるからライブができます。今日こうして楽しんでくれているあなたの心の中の正解が、世の中の正解です」と真摯に語り、大きな拍手を浴びた。その拍手を手拍子に導いて始まったのは「ダンツァーレ」。イタリア語で“踊る”を意味するタイトル通りにパワフルなサウンドでフロアを揺らし、最後は「水流のロック」「音楽のすゝめ」をパフォーマンスした。
オーガナイザーのUNISON SQUARE GARDENのステージは「エアリアルエイリアン」のスリリングなイントロで幕を開け、その後も盛り上がり必須の楽曲を投下して観客を楽しませる。斎藤が「今日は時間の許す限り曲をやっていこうと思います」と宣言すると、観客は喜びの拍手を送る。「シュガーソングとビターステップ」ではオーディエンスが笑顔でジャンプを繰り返した。
「静謐甘美秋暮抒情」の涼し気なアンサンブルを届けたあとは3人のセッションへ突入。さらに「サイレンインザスパイ」「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」で場内の熱量を再び引き上げる。ラストナンバー「Cheap Cheap Endroll」では、頭突きしてくるハイテンションな田淵を斎藤が苦笑いしながら手で押し返していた。
アンコールで斎藤は、来年1月での閉館が決定しているZepp Tokyoについて「今日がラストZepp Tokyoな気がして。18歳か19歳のときにあのあたりでライブを観てて『あのステージに立ちたい』と思っていました。こういう素晴らしいライブで締めくくれるのは感慨深いです」と、フロアを指しながら思いを語る。そしてこの日のゲスト陣に感謝の言葉を送り「マナーを守れる皆さん、ぜひいろんなライブハウスに足を運んでください」と呼びかけた。その言葉に続いて披露された楽曲は「mix juiceのいうとおり」。フロア上方にはZepp Tokyoの名物でもある大きなミラーボールが輝き、エンディングを華やかに彩った。
UNISON SQUARE GARDEN presents「fun time ACCIDENT 3」セットリスト
2021年9月6日 なんばHatch
カッパマイナス
01. BOOT(仮タイトル)
02. 16少年漂流記
03. Sugar Moon
04. SINGER
05. 雪にかわれ
06. ジャム
崎山蒼志
01. ソフト
02. find fuse in youth
03. Undulation
04. Heaven
05. Samidare
06. 花火
07. 嘘じゃない
UNISON SQUARE GARDEN
01. エアリアルエイリアン
02. MIDNIGHT JUNGLE
03. Phantom Joke
04. サンポサキマイライフ
05. シュガーソングとビターステップ
06. 静謐甘美秋暮抒情
07. サイレンインザスパイ
08. 徹頭徹尾夜な夜なドライブ
09. 桜のあと(all quartets lead to the?)
10. Cheap Cheap Endroll
<アンコール>
11. mix juiceのいうとおり
2021年9月10日 Zepp Tokyo
黒子首
01. Champon
02. Driver
03. チーム子ども
04. 熱帯夜
05. エンドレスロール
06. あなうめ
07. 静かな唄
日食なつこ
01. 真夏のダイナソー
02. 空中裁判
03. なだれ
04. 99鬼夜行
05. エピゴウネ
06. ダンツァーレ
07. 水流のロック
08. 音楽のすゝめ
UNISON SQUARE GARDEN
01. エアリアルエイリアン
02. MIDNIGHT JUNGLE
03. Phantom Joke
04. サンポサキマイライフ
05. シュガーソングとビターステップ
06. 静謐甘美秋暮抒情
07. サイレンインザスパイ
08. 徹頭徹尾夜な夜なドライブ
09. 桜のあと(all quartets lead to the?)
10. Cheap Cheap Endroll
<アンコール>
11. mix juiceのいうとおり
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音楽ナタリー @natalie_mu
【ライブレポート】ユニゾン東阪自主企画で崎山蒼志、カッパマイナス、日食なつこ、黒子首と競演(写真32枚)
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