「これまでの僕たちが背中を押してくれる」M!LKが見せた7年間の集大成、涙と笑顔で新たなステージへ

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M!LKが8月20日に東京・Zepp Tokyoでライブツアー「M!LK BEST L!VE TOUR ~Thank you for your smile~」の最終公演を行った。

M!LK(撮影:笹森健一)

M!LK(撮影:笹森健一)

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8月6日のZepp Sapporo公演を皮切りに、5都市7公演が行われた今回のツアー。ファイナル公演の最後にM!LKは、グループ結成7周年の記念日である11月24日にビクターエンタテインメントからメジャーデビューすることを発表した。佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人の5人は「M!LK BEST L!VE TOUR ~Thank you for your smile~」というタイトルに込めた思いを体現するように、これまでにリリースした全シングルのリード曲を含む26曲を披露。今のM!LKの集大成を見せる全力のパフォーマンスで、み!るきーず(M!LKファンの呼称)に感謝と新たな未来に向かう決意を伝えた。

メンバーを1人ずつ紹介するオープニングVTRで期待感が高まったZepp Tokyoに、M!LKの5人は金色の装飾が輝くブレザー制服姿で現れた。彼らが頭に載せた冠は、活動初期のM!LKのロゴにも使われていた、グループにとって象徴的なモチーフ。ペンライトが輝くフロアをまっすぐに見つめて笑顔を輝かせるメンバーは、その冠を取り去ると、2015年3月にリリースされたデビュー曲「コーヒーが飲めません」でライブをスタートさせた。

佐野勇斗(撮影:笹森健一)

佐野勇斗(撮影:笹森健一)[拡大]

「東京最終日! ペンライト高く上げていこうぜ!」と、初っ端から威勢よくみ!るきーずに呼びかける勇斗は、勢いのままにハンドスプリングを決めて観衆の驚きを誘う。ここから5人は、2ndシングル曲「反抗期アバンチュール」、3rdシングル曲「新学期アラカルト」と、初期曲を連発。「新学期アラカルト」では、メンバーコールのパートで5人がみ!るきーずの分まで声を張り上げ、客席を力強く巻き込んでいく。エネルギッシュな煽りを見せる勇斗が「なんだ、M!LK(お前)いい奴じゃーん!」と歌詞を歌い替えると、5人は楽しそうに肩を組んだ。

4thシングルからは夏真っ盛りの季節にピッタリな2曲が届けられ、“タオル回し曲”「サマーガンバ!!」ではM!LKの後輩のEBiDANメンバーからなる「M!ダンサーズ」が浮き輪や虫取り網を手に登場してステージを盛り上げる。続く「夏味ランデブー」では仁人が「み!るきーずのみんな、愛してるよー!」と客席に向け絶叫。彼のストレートで力強い告白を、残る4人も照れ笑い混じりに見守った。そののち、このツアーで初披露された勇斗、柔太朗、仁人のユニット曲「月明かりの透明」がスタートすると、これまでのにぎやかなムードは一変。静かな夜を想起させる照明演出の中、柔太朗の儚い歌声と仁人の包容力のあるボーカル、張り裂けるような感情を乗せた勇斗の声がステージ上で交錯し、聴衆は3人が紡ぐ切ないストーリーにじっと耳を傾けていた。

塩﨑太智(撮影:笹森健一)

塩﨑太智(撮影:笹森健一)[拡大]

3人がステージを去ると、今度は太智が軽やかでエッジィなダンスで躍動するソロを披露し、ファンの視線を釘付けにした。このパフォーマンスを皮切りに、ステージは5人のダンスにフォーカスを当てたメドレーコーナーに突入。メンバーは黒とメタリックカラーを基調としたセットアップに着替え、ダンサブルなアレンジが施された「上昇思考クライマー」「MAGIC CARPET」といったナンバーをパワフルに踊りこなしていく。鋭い視線で客席を見つめながら髪を振り乱し、額に汗を光らせて息の合った一挙手一投足を見せる5人の姿は力強く、メドレーの最後に置かれた「Over The Storm」では強気に高みを目指す楽曲のメッセージも相まって、ヒリヒリと張り詰めるような高揚感が会場に充満していた。

12曲を終え、この日初めてのMCタイムを取った5人。リーダーの仁人は「(ツアー)完走できそうでうれしい!」と喜びを爆発させると同時に、「最終日ってこんな緊張するもんだっけ?」と笑いながら素直な心境を吐露した。仲のよさがにじみ出るにぎやかなクロストークののち、パワフルなロックサウンドの「SAY YEAH」で会場のボルテージを再度引き上げた5人は、ここでM!ダンサーズの名前を1人ずつコールしてみ!るきーずに紹介し、後輩たちに力強いエールを送る。続く「白黒Brand New World」では舜太がソロを取り、すらりとしたスタイルが映えるしなやかなダンスでファンを魅了。「恋がはじまる」では柔太朗がカメラ目線でウインクを披露し、観客の視線を独り占めしてみせた。温かなサウンドで前向きな思いを歌う「イチニノサン」では、暗転したステージの中央に集まった5人がアイコンタクトで合図し、アカペラで冒頭のパートを歌い上げる。お互いに呼吸を合わせながら、彼らはまっすぐに響く歌声のユニゾンをみ!るきーずに届けていた。

山中柔太朗(中央)(撮影:笹森健一)

山中柔太朗(中央)(撮影:笹森健一)[拡大]

メンバーがこれまでにリリースした楽曲をプレイバックするVTR上映を経て、ライブ後半は「My Treasure」でスタートした。今回のツアーのサブタイトル「Thank you for your smile」は、この楽曲に登場するフレーズ。「Let's start again 眩しい 光の中へ」「動き出す 期待したい未来」と歌いながら、「たくさんの出会いと別れの中 見つけた宝物」の輝きを抱きしめるこの曲のメッセージは、M!LKの“今”とも共鳴するようで、メジャーデビューへの思いを胸に秘めた5人の歌声には感情がにじんだ。そしてここから5人は、再びメドレー形式でシングル曲を連投。ライブの“鉄板曲”「テルネロファイター」では勇斗が振り切れたテンションで雄叫びを上げてオーディエンスを力強く煽り、ステージ上のメンバーの熱量を受け取ったみ!るきーずも、両手のペンライトを牛の角のように掲げて1つになる。「ボクラなりレボリューション」「ERA」「かすかに、君だった。」と続く楽曲は、リリース当時の彼らの思いを歌詞に反映させながら青春のきらめきと刹那を歌う、“M!LKらしさ”にあふれる曲ばかり。それぞれの個性を輝かせながら、5人は感情のままに曲を歌い上げ、一気に6曲を駆け抜けた。

本編最後の曲を前に、仁人は「M!LKはかれこれ活動7年になります」と切り出した。「姿形を変えながら、たくさんの方に応援されながらここまで進んでくることができた」と話す彼は、このツアーが「7年の集大成」であることをファンに伝え「でもゴールじゃなくて……夢のドームツアーを、愛する5人とみ!るきーずと実現できるように……」と思いを語る。「この5人でM!LKで幸せだなって、ライブしていて思いました」と続けた仁人の瞳にはみるみるうちに涙がにじみ、そんな仁人の様子を見た勇斗は「ちょっと1回集まろう!」とメンバーを集めて5人で円陣を作り、リーダーを支えた。

曽野舜太(撮影:笹森健一)

曽野舜太(撮影:笹森健一)[拡大]

「俺たちとみんなでもっといい景色を見に行きたいって思っているので、これからも応援よろしくお願いします!」。そう仁人が力強く呼びかけると、メンバーは深くお辞儀をしてみ!るきーずに思いを伝えた。「これまでの僕たちがこれからの僕たちの背中を押してくれることを祈りながら、最後にこの曲を歌います」という仁人の言葉で始まったのは、朗らかなメロディに乗せて「これからも続いていくんだ 僕たちのオリジナルストーリー」と歌う「まっしろサンライズ」。弾ける笑顔を浮かべる太智、こみ上げる涙を笑顔でごまかす勇斗、目を真っ赤にする舜太と柔太朗……と、メンバーはそれぞれの表情で今の思いを噛み締め、仁人は大サビで力強く「輝け!」と叫んだ。

5人の感情があふれたパフォーマンスに客席の熱は冷めやらず、ライブはアンコールへ。アンコール1曲目に届けられた「愛と合図」では曲中に企画が盛り込まれ、仁人と勇斗がくじ引きで決まったシチュエーションで観客の“キュン”を誘う即興芝居を披露した。「最後にみんなで1つになりましょうー!」という呼びかけののち、ラストナンバーとして「Around The World」が鳴り響くと、5人は頭上で力強くクラップを打ち鳴らす。彼らの「せーの!」という呼びかけに反応したみ!るきーずもリズミカルに音に乗り、会場は大きな一体感に包まれた。

M!LKとニッパーくん。(撮影:笹森健一)

M!LKとニッパーくん。(撮影:笹森健一)[拡大]

メンバー全員が肩を組み、笑顔を交わしながら曲を終えると、仁人は「本当に、ツアー完走できてよかったです!」と叫んだ。そして彼は「観ていただきたい映像があります」とファンに語りかけ、メンバーがビクターの社屋に忍び込む様子を記録したティザー映像を通して、メジャーデビュー決定ことをみ!るきーずに知らせた。客席がこの日一番の驚きに沸き立つ中、舞台上にはビクターのキャラクターであるニッパーくんが登場。ニッパーくんはM!LKの“仲間入り”を歓迎し、メンバーと記念撮影を行った。

大きな発表をもってライブを終え、5人は1人ずつファンに挨拶をすることに。メジャーデビューを「仲間が増えた」と表現した太智は「これからも、もっともっとみ!るきーずの皆さんを元気にしていきたいなと思います」と約束する。柔太朗は「僕らは何も変わらないですし、より一層パワーアップした僕らを見せられると思う」と語り、メジャーデビュー決定と合わせて発表された、パシフィコ横浜 国立大ホールでのワンマン開催決定に「(途中加入した)舜太と僕にとっては初めて立つ舞台。憧れの場所ですし夢の1つであったので、いい景色を見られるようにがんばります」と意気込んだ。

いつになく真面目なトーンで「僕らを好きでいてくれる皆さん、ありがとうございます。ステージ上で踊っていると、『いい景色だな、いい場所だな』と思いますし、いろんな活動の中でしんどいこともあるけど、みんなの顔を見ると『もっともっとがんばんなきゃな』って思います」と切り出したのは勇斗。彼は「柄でもないけど、メンバーに言いたいことは……」と続け、涙ながらに「本当に、M!LKでいてくれてありがとう。奇跡だから、本当に」と4人に伝える。2018年にグループに合流した舜太と柔太朗に対し、「2人、すごいがんばってたし。苦労を微塵も見せないで、年上に必死で付いて来てくれて本当に感謝してるし、2人で本当によかったなって心から思います」と言うと、それを聞いた2人は堰を切ったように号泣。勇斗は続けて「仁人と太智はね、もう言うことないんだけどさ(笑)。俺と仲良くしてくれてありがと! 自分がM!LKを空けることも多い中、グループを支えてくれてるのは2人だと思う」と、結成時から共に歩んできた仁人と太智に伝え、最後に「M!LKの方向性が変わるわけではありません。みんなと、卒業していった3人のメンバーと約束した、ドームツアーの夢を叶えます」と力強く誓った。

吉田仁人(撮影:笹森健一)

吉田仁人(撮影:笹森健一)[拡大]

勇斗の言葉に涙が止まらない舜太は「僕がここまで来られたのはみんなのおかげでもあるんだけど、柔ちゃんがすごい支えてくれて……」と吐露し、「本当に、これからもよろしくね!」と言って柔太朗と抱き合った。5人目に挨拶に立った仁人は「メジャーデビューやパシフィコ横浜ワンマンのことを思いながらここまでツアーをやってきて、みんなに対しての思いも強くなっていくわけよ」とツアーを振り返り「この5人はずっと楽しいし、成長し合える。見てくれる皆さんは、本当に素敵な顔をしてる」とうれしそうに語った。そして仁人は「(メジャーデビューして)仲間が増えて、もっといい景色を見せられるかもしれません。だから変わらぬ愛情で応援してくれたらうれしいです。これからもこの5人をよろしくお願いします!」とみ!るきーずに伝え、挨拶を締めくくる。メンバーは並んで手をつなぎ、「今日は本当にありがとうございました!」と一礼したが……ここでステージ上には、ライブ終演直後にメジャーデビューへ向けた4泊5日の強化合宿がスタートするというメッセージが映し出された。このことを知らされていなかった5人は「だからスケジュール空いてたんだ!(笑)」「聞いてないよ、ニッパー!」「明日の予定入れちゃったんだけど!(笑)」と口々に叫び、状況を飲み込みきれぬまま「いってきまーす!」とファンに伝え、合宿所へ向けてステージをあとにした。

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「M!LK BEST L!VE TOUR ~Thank you for your smile~」2021年8月20日 Zepp Tokyo セットリスト

01. コーヒーが飲めません
02. 反抗期アバンチュール
03. 新学期アラカルト
04. サマーガンバ!!
05. 夏味ランデブー
06. 月明かりの透明
07. Daichi Dance
08. 上昇思考クライマー
09. MAGIC CARPET
10. energy
11. May
12. Over The Storm
13. SAY YEAH(春ツアーver.)
14. 白黒Brand New World
15. 恋がはじまる
16. イチニノサン
17. My Treasure
18. 疾走ペンデュラム
19. テルネロファイター
20. ボクラなりレボリューション
21. ERA
22. かすかに、君だった。
23. まっしろサンライズ
<アンコール>
24. 愛と合図
25. Special Thanx
26. Around The World

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