THE BACK HORN、ストリングスとともに“リヴスコール”を9年ぶりに響かせる

1

174

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 39 134
  • 1 シェア

THE BACK HORNが6月11日に「『KYO-MEIストリングスツアー』feat.リヴスコール」の東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演を行った。

THE BACK HORN(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])

THE BACK HORN(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])

大きなサイズで見る(全9件)

2012年6月リリースの「リヴスコール」は、東日本大震災という未曾有の天災を経て、THE BACK HORNが音楽を奏でる意義と向き合って制作されたアルバム。バンドは今回、曽我淳一(Key)、銘苅麻野(Violin)、雨宮麻未子(Violin)、須原杏(Viola)、松尾佳奈(Cello)とともにツアーを回り、10年近く前の作品を今現在の彼らのモードにアップデートしてファンに届けた。

山田将司(Vo)(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])

山田将司(Vo)(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])[拡大]

SEが響く中おもむろにステージに登場したメンバーは、「リヴスコール」の1曲目を飾る「トロイメライ」でライブをスタートさせる。山田将司(Vo)の歌声は徐々に熱を帯びていき、そのまま「シリウス」に突入。盤石なバンドアンサンブルにストリングスがさらなる厚みを加え、続く「ブラックホールバースデイ」では松田晋二(Dr)の刻むどっしりとしたビートに乗せてストリングスがスタッカートで緊張感を演出。この日のライブがいつもと違う特別なものであることを観客に印象付ける。さらに山田がラジオボイスで歌う「超常現象」、静と動の緩急差がカオティックな「ジョーカー」と不穏なムードの楽曲が場内を包み込んだ。

岡峰光舟(B)(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])

岡峰光舟(B)(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])[拡大]

「ジョーカー」が強烈な余韻を残してカットアウトで終わると、バンドは疾走感のあるロックナンバー「自由」を演奏。岡峰光舟(B)のタッピング奏法が光った「グレイゾーン」ではストリングスが有機的に絡み合い、「いつものドアを」でもイントロをストリングスが担う。またバラードナンバー「君を隠してあげよう」が奏でられると、オーディエンスはその切ないサウンドにじっと耳を傾け、曲が終わると大きな拍手を送った。

松田晋二(Dr)(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])

松田晋二(Dr)(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])[拡大]

MCでは松田が「『リヴスコール』は自分たちにとって音楽がどういうものか、自分たちに何ができるのかを向き合うきっかけとなった大切なアルバムです。東日本大震災から10年の時を経て、このアルバムを今もう一度再現しようとツアーを回りました」と、今回のツアーに込めた意図を語る。そして「このツアーはより立体的なライブができると思うので、音をたっぷり感じてください」と語ってパフォーマンスを再開させると、その言葉通り「夢の花」「星降る夜のビート」では曽我淳一のキーボードがアーバンなエッセンスを注入。「星降る夜のビート」の間奏では菅波栄純(G)のギターソロがファンを魅了した。

菅波栄純(G)(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])

菅波栄純(G)(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])[拡大]

松田のドラムソロからギターとベースが加わり、「コバルトブルー」でライブはラストスパートへ。観客はシンガロングパートで声を出せないものの、拳を突き上げてバンドの熱演に応える。そして「シンフォニア」「戦う君よ」で場内の熱気は最高潮に達した。山田が会場に足を運んでくれたファン、配信を観ているファンに感謝の気持ちを述べたあと、「何年もこの歌を歌っていきたいと思います」という紹介で披露されたのは「世界中に花束を」。東日本大震災直後に急遽チャリティソングとして制作された楽曲だ。その震災から10年経った今、新型コロナウイルスという新たな惨事に直面している人々の心情に寄り添うように山田の歌声が場内に響き渡り、感動的なムードで本編は終了した。

THE BACK HORN「『KYO-MEIストリングスツアー』feat.リヴスコール」東京・Zepp Haneda(TOKYO) 公演の様子。(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])

THE BACK HORN「『KYO-MEIストリングスツアー』feat.リヴスコール」東京・Zepp Haneda(TOKYO) 公演の様子。(Photo by Rui Hashimoto[SOUND SHOOTER])[拡大]

アンコールでは松田が「皆さん1人ひとりの幸せを願っています。どんなことがあっても生きましょう、音楽の力を借りて」、山田が「1歩ずつやれることをやっていこう。生き続けようね」とファンに言葉を送り、「ミュージック」「ラピスラズリ」をパフォーマンス。最後は山田が「また会おう。絶対だぞ!」と力強く宣言して「刃」を熱唱し、ライブの幕を下ろした。

このライブの模様は6月20日23:59までStreamPassとFanStreamにてアーカイブ配信中。チケットの販売は同日21:00まで。またバンドは6月27日に延期となっていた大阪・Zepp Namba(OSAKA)公演の振替公演を実施する。

THE BACK HORN「『KYO-MEIストリングスツアー』feat.リヴスコール」2021年6月11日 東京 Zepp Haneda(TOKYO) セットリスト

01. トロイメライ
02. シリウス
03. ブラックホールバースデイ
04. 超常現象
05. ジョーカー
06. 自由
07. グレイゾーン
08. いつものドアを
09. シュプレヒコールの片隅で
10. 君を隠してあげよう
11. 夢の花
12. 星降る夜のビート
13. コバルトブルー
14. シンフォニア
15. 戦う君よ
16. 世界中に花束を
<アンコール>
17. ミュージック
18. ラピスラズリ
19. 刃

アーカイブ配信チケット販売URL:https://tixplus.jp/feature/thebackhorn_2106/

THE BACK HORN「『KYO-MEIストリングスツアー』feat.リヴスコール」(※終了分は割愛)

2021年6月27日(日)大阪府 Zepp Namba(OSAKA)※振替公演

この記事の画像(全9件)

読者の反応

  • 1

音楽ナタリー @natalie_mu

【ライブレポート】THE BACK HORN、ストリングスとともに“リヴスコール”を9年ぶりに響かせる
https://t.co/yPMCXbdwdI

#THEBACKHORN #バックホーン #バクホン #リヴスコール

コメントを読む(1件)

リンク

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 THE BACK HORN の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。