マカロニえんぴつ最大規模ツアーが終幕、初の横アリワンマンで再認識「音楽は生きる糧」

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マカロニえんぴつ最大規模の全国ツアー「マカロックツアーvol.11 ~いま会いに行くをする篇~」が本日6月17日に大阪・オリックス劇場で終幕。この記事ではセミファイナルにあたる神奈川・横浜アリーナ公演の模様をレポートする。

マカロニえんぴつ「マカロックツアーvol.11 ~いま会いに行くをする篇~」の様子。(撮影:酒井ダイスケ)

マカロニえんぴつ「マカロックツアーvol.11 ~いま会いに行くをする篇~」の様子。(撮影:酒井ダイスケ)

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はっとり(Vo, G)(撮影:酒井ダイスケ)

はっとり(Vo, G)(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

2012年に神奈川県で結成し、約8年間のインディーズでの活動を経て、昨年11月に「愛を知らずに魔法は使えない」でトイズファクトリーよりメジャーデビューを果たしたマカロニえんぴつ。今年4月に「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」の主題歌を表題曲としたシングル「はしりがき」、5月には配信シングル「八月の陽炎」とハイペースにリリースを重ね、彼らの生み出すグッドミュージック“マカロック”は全国へと広がっている。そういった順調な活動で人気バンドとしての地位を築くマカロニえんぴつが臨んだ本ツアーは当初、5月23日の横浜アリーナ公演で最終日を迎えるはずだった。しかしながら新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令を受け、5月13、14日に予定されていたオリックス劇場公演が6月16、17日に延期された結果、大阪公演が千秋楽となった。

高野賢也(B, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)

高野賢也(B, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

マカロニえんぴつが横浜アリーナでワンマンライブを行うのはこれが初。SEのThe Beatles「Hey Bulldog」が会場に響く中、田辺由明(G, Cho)、高野賢也(B, Cho)、長谷川大喜(Key, Cho)、はっとり(Vo, G)が順にステージに現れた。ライブの幕開けを飾ったのはテレビアニメ「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のオープニング主題歌「生きるをする」。目まぐるしく変わるバンドサウンドでオーディエンスを圧倒した4人は、次の「遠心」で憂いを帯びたメロディを奏でた。

田辺由明(G, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)

田辺由明(G, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

はっとりはアリーナを見渡しつつ「こんなにたくさん来てくれてホントにうれしいです! すごい景色だ」と感慨深げな様子。準備を整えると彼らはひと際感情を込めるように「眺めがいいね」をプレイし、ステップを踏んだり飛び跳ねたりして会場の熱気を高めた。さらにドラマチックな展開を見せる「溶けない」、1990年代のUKロックを彷彿とさせる「恋人ごっこ」とライブの定番とも言える2曲を連発したあと、歪んだサウンドを轟かせながら「STAY with ME」へ。はっとりのシャウトや田辺のテクニカルなギタープレイでオーディエンスを踊らせた。

長谷川大喜(Key, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)

長谷川大喜(Key, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

ライブ中盤、はっとりは初めてマカロニえんぴつのライブを観るというファンに向けて長谷川、田辺、高野を紹介していく。食通の長谷川はツアー中に訪れたイチオシのつけ麺屋を発表。サウナ好きが高じて熱波師の資格を取得した田辺は、タオルを振り回して何やら準備を始める。ステージの最前線に進み出ると、上体を反らせながら客席に向かってタオルで大きな風を送った。次にアニメオタクの高野は「切ない話なんですよ。叶わぬ恋というかなんというか」と「恋は雨上がりのように」をオススメ。はっとりが「マカロッカー(マカロニえんぴつファンの呼称)は叶わない恋をしてきた人たちだから」と茶々を入れると、高野はすぐさま「ひとくくりにするんじゃない!」とツッコミを入れた。メンバーを紹介し終えたはっとりは「僕は手短に」と前置きし、「ロックスターです」とキメ顔を見せた。和やかなトークのあと、彼らは豊かなハーモニーが魅力の「春の嵐」、ノスタルジックなムードの「mother」をじっくりと聴かせる。続く「メレンゲ」のサビでは無数の白い羽が舞い、場内には幻想的なムードが広がった。オレンジの光が揺らめく中、初披露されたのは最新曲「八月の陽炎」。メンバーは繊細かつエネルギッシュなパフォーマンスでファンを魅了し、「ルート16」「ノンシュガー」と「愛を知らずに魔法は使えない」に収録されているアッパーチューンを畳みかけた。

マカロニえんぴつ「マカロックツアーvol.11 ~いま会いに行くをする篇~」の様子。(撮影:酒井ダイスケ)

マカロニえんぴつ「マカロックツアーvol.11 ~いま会いに行くをする篇~」の様子。(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

終盤に突入するとはっとりは「見てる感じね、ホントに皆さん幸せそうな顔をしてるし、俺たちもたまらなく幸せです。うまくいかない毎日だけど、俺たちもだよ。あなたたちがポロポロ落としてきた幸せや後悔、全部引き受けに、拾いに来ました」と声を張り上げる。そして気合いを入れ直して、代表曲の1つである切ないバラード「ブルーベリー・ナイツ」、サンプリング音が印象的な「カーペット夜想曲」をパフォーマンス。本編も残すところあと1曲となったところで、はっとりが「生きる糧、希望、目的。そのぐらい大げさなこと言っていいと思う。音楽はそれだけの価値があると思う。僕らにとってはこのステージが生きがいです。これだけの人が聴いてくれたから生きてます。今日があります。ロックバンドはあなたがいないと死んでしまう。そう痛感したツアーでした」と言葉に力を込める。その後、深く息を吸い込んだ彼らは最後に届けたかったという「ミスター・ブルースカイ」を情感込めて披露。手を振りながら舞台をあとにした。

マカロニえんぴつ「マカロックツアーvol.11 ~いま会いに行くをする篇~」の様子。(撮影:酒井ダイスケ)

マカロニえんぴつ「マカロックツアーvol.11 ~いま会いに行くをする篇~」の様子。(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

アンコールを求める拍手に応じ、笑顔でステージに戻ってきたマカロニえんぴつ。はっとりは川崎駅前で路上ライブをした下積み時代を振り返り、これまでに足を運んだライブハウスに思いを馳せる。そして今後もマカロッカーと走り続けたいという思いを込めて「はしりがき」を演奏し、充実した表情で公演を終えた。なおマカロニえんぴつは9月から11月にかけて新たな全国ツアー「マカロックツアーvol.12~生き止まらないように走るんだゾ!篇~」を行う。

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マカロニえんぴつ「マカロックツアーvol.11 ~いま会いに行くをする篇~」2021年5月23日 横浜アリーナ セットリスト

01. 生きるをする
02. 遠心
03. 眺めがいいね
04. 溶けない
05. 恋人ごっこ
06. STAY with ME
07. 春の嵐
08. mother
09. メレンゲ
10. 八月の陽炎
11. ルート16
12. ノンシュガー
13. ブルーベリー・ナイツ
14. カーペット夜想曲
15. ミスター・ブルースカイ
<アンコール>
16. はしりがき

マカロニえんぴつ「マカロックツアーvol.12~生き止まらないように走るんだゾ!篇~」

2021年9月28日(火)新潟県 NIIGATA LOTS
2021年10月1日(金)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
2021年10月2日(土)香川県 高松festhalle
2021年10月7日(木)北海道 Zepp Sapporo
2021年10月8日(金)北海道 Zepp Sapporo
2021年10月14日(木)福岡県 Zepp Fukuoka
2021年10月15日(金)福岡県 Zepp Fukuoka
2021年10月18日(月)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2021年10月19日(火)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2021年10月23日(土)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
2021年10月24日(日)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
2021年10月26日(火)愛知県 Zepp Nagoya
2021年10月27日(水)愛知県 Zepp Nagoya
2021年11月1日(月)東京都 Zepp Tokyo
2021年11月2日(火)東京都 Zepp Tokyo

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音楽ナタリー @natalie_mu

【ライブレポート】マカロニえんぴつ最大規模ツアーが終幕、初の横アリワンマンで再認識「音楽は生きる糧」(写真23枚)
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