やのとあがつま、サニーデイ、T字路s、二階堂和美らが圧巻のパフォーマンス披露した「CIRCLE」初日

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オンラインフェス「CIRCLE '20→'21 東京▲福岡 実況中継」が5月14~16日まで前夜祭含め3日間にわたり開催された。この記事では15日公演の模様をレポートする。

やのとあがつま(撮影:東美樹)

やのとあがつま(撮影:東美樹)

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「CIRCLE」は、毎年5月に福岡・海の中道海浜公園 野外劇場で開催されている野外音楽フェス。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて現地開催は中止となり、オンラインイベントとして行われることに。15日公演には計9組のアーティストが登場し、約30分という持ち時間の中、それぞれが熱のこもったパフォーマンスを繰り広げた。

サニーデイ・サービス(撮影:東美樹)

サニーデイ・サービス(撮影:東美樹)[拡大]

この日のトップバッターを務めるサニーデイ・サービスは、「今夜でっかい車にぶつかって死んじゃおうかな」という印象的な歌い出しで始まるロックナンバー「春の風」で序盤から熱いステージを展開して画面越しのファンを釘付けにした。近年の代表曲「セツナ」では、終盤にメンバー3人が向き合って長尺のセッションを披露。最後は「若者たち」をおだやかに歌い上げてステージをあとにした。

羊文学(撮影:東美樹)

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2番手の羊文学は1曲目に最新シングル「ラッキー」を演奏すると、「mother」「砂漠のきみへ」を続けて、息の合ったバンドアンサンブルと美しいコーラスワークで視聴者を惹き付けていく。ライブ中盤のMCでは塩塚モエカ(Vo, G)が会場に装飾された「CIRCLE」のロゴ入り提灯に触れて、「今年も(コロナ禍で)祭りに行けないと思ってたからうれしい。皆さんもお家でビールでも飲みながら祭りをしてください」と一言。そして、ポップチューン「あいまいでいいよ」を届け、場内をさわやかなバンドサウンドで満たした。

T字路s(撮影:東美樹)

T字路s(撮影:東美樹)[拡大]

3組目のT字路sは「あなたのお部屋にお邪魔します。よろしくどうぞ!」と元気よく挨拶すると、映画「下衆の愛」の主題歌「はきだめの愛」をパフォーマンス。そのまま聴く人の背中を押すような「暮らしのなかで」をパワフルに歌い上げた。ラストの「T字路sのテーマ」では、伊東妙子(Vo, G)がカメラ越しにコール&レスポンスを求めるなど、無観客ながらも視聴者との距離を感じさせない一体感のあるステージを繰り広げた。

手嶌葵(撮影:勝村祐紀)

手嶌葵(撮影:勝村祐紀)[拡大]

手嶌葵はサポートメンバーに大坂孝之介(Key)を迎えてステージに登場。1曲目に「The Rose」をしっとりと歌い上げて静かにライブの幕を開けた。次曲「明日への手紙」でもう1人のサポートメンバーであるオオニシユウスケ(G)が合流すると、2人の演奏と手嶌の細やかで美しいボーカルが相まって、会場には幻想的なムードが生み出された。そして彼女はMCを挟んだのち、マリリン・モンロー「I Wanna Be Loved By You」のカバーや、ライブ初披露となる新曲「ただいま」を届けた。

二階堂和美(撮影:東美樹)

二階堂和美(撮影:東美樹)[拡大]

続いてステージに現れた二階堂和美は、恋に落ちた乙女心を描いた「萌芽恋唄」でライブをスタート。曲の途中からサポートメンバーの松下マサナオ(Dr / Yasei Collective)が演奏に参加し、彼女の歌声に繊細なドラミングを添えた。二階堂はその後、民謡調の新曲「やれ せんなや」や、ドラマチックな曲展開が印象的な「岬」を演奏。そして「私はフェスの中で『CIRCLE』がとても好きです。またあの会場で皆さんとお会いできたらいいなと思います」と画面越しの視聴者に語りかけ、最後に「いとしい気持ち」をパフォーマンスした。

ハンバート ハンバート(撮影:東美樹)

ハンバート ハンバート(撮影:東美樹)[拡大]

ハンバート ハンバートの2人は登場から、佐野遊穂(Vo, Harmonica)が「最近ね。家の庭に咲いてる紫陽花に青虫がついちゃったの」と話し始め、その青虫と対峙する日々についてのゆるいトークを展開。すると佐藤良成(Vo, G, Violin)が急にギターで合図を出し、「チキ・チキ・バン・バン」でライブをスタートさせた。その後も何気ない日常のエピソードを挟みつつ、ライブ定番曲「虎」や電気グルーヴ「N.O.」のカバーを披露。ラストナンバー「おなじ話」では、おだやかな歌声の掛け合いで視聴者を魅了した。

スチャダラパー(撮影:東美樹)

スチャダラパー(撮影:東美樹)[拡大]

この日の出演者で唯一のヒップホップグループとなったスチャダラパーは、「スチャダラパー・シン・グス」「シン・スチャダラパーのテーマ」で序盤から息の合ったパフォーマンスを披露。次曲「MORE FUN-KEY-WORD」からロボ宙が加わり、3MCによるラップの応酬が繰り広げられた。代表曲「今夜はブギー・バック」では、曲中にANIが森進一や近藤真彦のモノマネをしたり、Boseが「皆さんも一緒に歌えますか!」と煽って視聴者を楽しませた。

Kan Sano(撮影:東美樹)

Kan Sano(撮影:東美樹)[拡大]

続くKan Sanoは、サポートメンバーに森川祐樹(B)と菅野颯(Dr)を迎えてステージに登場。「福岡のみんな元気ですか? 今日は東京からライブを届けたいと思います」と挨拶すると、自身のハンドクラップを合図にグルーヴィなダンスナンバー「Baby On The Moon」を披露した。ライブ終盤、「CIRCLE」出演が夢だったというKan Sanoは「去年は中止になって本当に悔しかったんですけど、今回こういう形で出演できて本当にうれしいです」と喜びを語り、「Good Luck」「Natsume」の2曲をプレイしてステージをあとにした。

矢野顕子(Vo, Key / やのとあがつま)(撮影:東美樹)

矢野顕子(Vo, Key / やのとあがつま)(撮影:東美樹)[拡大]

この日のトリを飾るのは、矢野顕子(Vo, Key)と上妻宏光(Vo, 三味線)によるユニット・やのとあがつま。2人はまずオリジナル曲「会いにゆく」で演奏をスタートさせると、矢野が歌詞の一部をオリジナルの英語詞にアレンジした熊本県民謡「おてもやん」、上妻の歌唱による滋賀県民謡「淡海節」を続けて披露し、民謡とポップスを融合させた独自の世界観に視聴者を引き込んでいった。矢野は、やのとあがつまの1stアルバム「Asteroid and Butterfly」が昨年3月にリリースされてから、コロナ禍の影響で思うようにライブ活動ができなかった日々を振り返り「実質上のライブは今日で2回目。私たちキャリア合わせると150年くらいあるのに新人バンドみたい(笑)。しかも、もう新曲があるんですよ」と話し、浮遊感のあるシンセサウンドを取り入れたアレンジが印象的な鹿児島県民謡「小原節」を披露。最後は矢野が1976年に発表したデビュー作「JAPANESE GIRL」の収録曲「ふなまち唄 Part I」「Part II」に新たな息を吹き込んだ「ふなまち唄 Part III」を届けて、この日の公演の幕を下ろした。

なお本公演の配信チケットは5月22日16:00までイープラスで販売されており、購入者は同日23:59までアーカイブ映像を楽しむことができる。

※記事初出時、一部カメラマンクレジットに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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