テミン(
SHINeeとして2月に2年6カ月ぶりのアルバム「Don't Call Me」をリリースし、4月には約3年ぶりの単独公演を行ったテミン。今回の配信ライブは、5月末に入隊することが決まった彼にとっては、入隊前最後のソロコンサートとなった。
開演時刻を迎えると、ステージ上に置かれた1本のスタンドマイクにスポットライトが当たる。ドローンカメラが臨場感いっぱいにカメラの周りをぐるりと回ってその様子を捉えると、テミンはステージ袖からゆっくりとマイクの前へと歩みを進め、「Think Of You」で穏やかにライブをスタートさせた。ロングヘアにベージュピンクのシャツとパンツ、ホワイトのTabiブーツというニュートラルな出で立ちの彼は、長い後れ毛とシャツを風にはらませながら優しく歌声を響かせる。スモークの中で2曲目の「I Think It's Love」を歌うと、ステージ奥のビジョンには「Never Gonna Dance Again」というライブタイトルが映し出された。
フューチャリスティックなオープニングVTRののち、ステージ上のムードは一変。クロスモチーフが無数にあしらわれたモノトーンのスーツに眼帯という衣装に着替えたテミンは「Guess Who」「Sexuality」をメドレーで披露し、カラフルなレーザーが飛び交うステージ上で妖しく力強いフロア技を見せる。続く「Criminal」では両手首を縛った状態でパフォーマンスをスタートさせ、鋭い視線でカメラを見つめたテミン。曲のクライマックスで眼帯を取り去ると、彼は持ちうる力をすべて解放するような、パワフルさに満ちたダンスで視聴者を魅了した。
「IDEA:理想」を終え「『Never Gonna Dance Again』へようこそ。本当に、待ち望んでいた瞬間ですね」と視聴者を歓迎したテミン。最初のMCでは、今回のライブのタイトルを去年から考えていたというエピソードが語られ、テミンは「もちろんダンスはずっと続けますよ?」と笑う。そして「最後までご覧になってくださいね。これからもいい曲をたくさん披露しますし、VTRにもいろんな姿が映っていますから」と期待感を高めた。
「皆さんがたくさん愛してくださっている曲です」という紹介からスタートした「Heaven」ではステージが前傾し、その上に立つテミンとバックダンサーの立体的なフォーメーションやステージパネルに映し出される波紋のようなグラフィックが挑発的で艶めかしい曲のストーリーを鮮やかに際立たせる。続く「DOOR」では目元を布で覆われたテミンが体と手も白いベルトで束縛された姿で楽曲をパフォーマンス。ステージの四方からベルトで繋がれたまま、美しく危うげなステップでリズムに乗り、“禁断の扉”を開こうとする主人公の心情をドラマティックに表現した。
コンセプチュアルなシーンが続いたセクションを終えると、画面上には「Just Me And You」のVTRが。くっきりと映し出される自身のシルエットや“影”を表現するダンサーとともに、テミンがアーティスティックなコンテンポラリーダンスを踊る様子が印象的なこの映像について、彼はのちのMCで「とても気に入っている映像です。影で僕の自我を表現しました」と語った。そしてブルーの衣装に着替えたテミンは、日本でリリースされた「さよならひとり」の韓国バージョンである「Goodbye」を披露。バックダンサーのいない1人だけのステージ上、情緒豊かでしなやかなダンスを踊り、圧倒的なパフォーマンススキルをファンに提示する。10曲目の「Shadow」が終わる頃には額に汗が光り、テミンは「どうやってカメラ映りをよくするか悩んで『髪を結んだらきれいかな?』なんて思いましたが、僕が頭をたくさん振ってしまったみたいです(笑)」と、無心でステージに熱中していたことを笑顔で告白していた。
続くパートは「WANT」からスタート。テミンはこのパートについて「皆さんを誘惑しようと思って作った」と語り、その言葉通り強い眼差しでカメラの向こうを見つめながら曲を重ねていく。「Drip Drop」はデジタリックなアレンジが施され、オリジナルバージョンよりもパワフルなサウンドの中、テミンは男性のダンサー陣とリズミカルに躍動した。
幕間のVTRにも力を入れたことをMCで語っていたテミンだが、ライブが後半に差し掛かったところで上映された映像は、「#BeyondLIVE_TAEMIN」のハッシュタグを付けてSNSやコメント欄で盛り上がるファンの熱狂をひときわ高めるものだった。それは、テミンがこれまでの自身の歩みをプレイバックし、SHINeeの楽曲やソロ曲をダンスメドレーで披露するというもの。SHINeeのデビュー曲「Replay」やソロデビュー作のリードトラック「Danger」、「Dream Girl」に「Press Your Number」……と、テミンは当時のビジュアルもオマージュしつつ、代表曲を次々とドロップしていく。そして、クライマックスに用意されていたのは初公開となる新曲「Advice」の映像。3rdソロアルバム「Advice」が5月18日にリリースされることがサプライズで告知され、コメント欄は歓喜の声にあふれかえった。
流れのままに、テミンはここで「Advice」のパフォーマンスを初披露。張り詰めたピアノの旋律が緊張と高揚感を高める中、テミンとダンサーチームは小刻みなステップを踏むスキルフルなダンスで観る者を圧倒する。操り人形のような身振り、精緻な手と視線の動きで魅せる「Pinocchio」ののち、キラーチューン「Danger」は2019年に日本ツアーでも披露されたSHINee「Sherlock」とのマッシュアップバージョンで届けられた。テミンは傾斜やリフトアップでダイナミックな動きを見せるステージを自在に移動しながら、エネルギッシュなボーカルで曲を歌い上げる。派手に噴出する花火の特効演出も白熱のムードを盛り上げ、サビパートでテミンはエモーショナルなフェイクも聞かせていた。
クライマックスを前に、改めてMCの時間を設けてファンと向き合ったテミン。ダンスメドレーの映像を話題に上げた彼は「『Replay』の“おかっぱ頭”は恥ずかしかったけど(笑)、感慨深いですね。自分を振り返れて、意義深かったです」と話し「幸い今は10代の頃とあまり変わっていないと思うけど、10年後にこんな映像を作るとしたらどれくらい変わっているかな? 30代、40代になって『Replay』や『Love Like Oxygen』を再現したら面白いですね」と笑った。
「皆さんともっと一緒にいられたらよかったけれど、これが最後の挨拶です。次に披露するのは僕が大好きな歌。ライブでやるのは緊張するけど、聴いてください」。そう伝えると、テミンはスタンドマイクの前に立ち、そっと目を閉じて「Soldier」「Rise」を歌い届けた。「Rise」ではステージがリフトアップし、奥のビジョンには壮大な宇宙の光景が映し出される。序盤で美しいファルセットを聞かせていたテミンの歌声はぐんぐんと熱を帯び、彼が天を仰いで圧倒的なハイトーンを響かせる姿でライブ本編は締めくくられた。
本編終了後、リアルタイムでの視聴者に向けたサプライズライブでは、1曲目に「I'm Crying」を選んだテミン。スツールに座った彼は、訪れた別れにも消えない愛情を歌う曲のストーリーをしっかり届けるように、1つひとつのフレーズに思いを込めた。曲を歌い終えた彼は「皆さんに本当に愛されて、いい思い出ができています。こう思うのはプロらしくないのかもしれないけど、皆さんが僕のことを応援し、気にかけてくれているから『(ステージで)間違ってもいい』と思えるんです」と微笑む。自身のファン、SHINeeのファンのことを「チャックン(親友、相棒)」と呼ぶ彼は「13年間の感謝を伝えたい」と切り出し、そして「ずっとそばにいて、永遠のチャックンでいてほしいです。皆さんが僕を思ってくれているのはよく知っています。もっと(期待に)応えられる僕になって帰ってくるので、待っていてください」と、世界119カ国から自身を見守り応援する、約9万人のファンへとまっすぐに語りかけた。
テミン「Beyond LIVE - TAEMIN : N.G.D.A (Never Gonna Dance Again)」2021年5月2日 セットリスト
01. Think Of You
02. I Think It's Love
03. Guess Who + Sexuality
04. Criminal
05. IDEA:理想
06. Heaven
07. DOOR
08. MOVE
09. Goodbye
10. Shadow
11. WANT
12. Drip Drop
13. Advice
14. Pinocchio
15. Black Rose
16. Danger
17. Soldier + Rise
<アンコール>
18. I'm Crying
19. Snow Flower
『 ᴀʀᴀʙᴛᴀᴇᴍɪɴᴛꜱ 』 @ArabTaemints
في مثل هذا اليوم السنة التي مضت كان حفل تيمين Never Gonna Dance Again 🥲🤍 https://t.co/MjFlAvZMG5