外の世界夢見るSUPER★DRAGONが見た景色は?495日ぶりに会場を染めた“スパドラブルー”の光

851

SUPER★DRAGONが4月9、10日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)でワンマンライブ「NEO CYBER CITY -ネオサイバーシティ-」を開催した。

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON

大きなサイズで見る(全23件)

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON[拡大]

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年春に実施予定だった全国ツアー「九龍領域」、そして今年1月に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で実施予定だったワンマン「サイバーシティ」の中止を余儀なくされたスパドラ。昨年はオンラインライブを積極的に行い、そのたびに作り込まれた世界観のステージでファンに驚きを与えてきた彼らだが、有観客ライブを実施するのは実に495日ぶりだった。田中洸希は急性咽頭炎からの回復途中のため本編のパフォーマンス参加を見合わせる形となったが、メンバーは2日間、全3公演にわたって力強いステージを披露。この記事では2日目の昼の部の模様をレポートする。

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON[拡大]

1月に披露する予定だった公演「サイバーシティ」の世界観を踏襲した「NEO CYBER CITY」。スパドラは公演への導入として3週間前からYouTubeに全3話のボイスドラマを公開し、来場者を物語の世界へと招き入れていた。「NEO CYBER CITY」の舞台は荒廃した近未来。主人公は終焉を迎えようとしている世界から守られたシェルターで暮らす、外の世界を知らない9人の青年だ。

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON[拡大]

“変な夢”を見ることをきっかけに、洸希はシェルターでの生活に疑問を抱き始める。「9人の生活や記憶が管理されているのでは」と推測した洸希は仲間たちに相談を持ちかけ、9人は真実を知るためにシェルターの外へ出ることを決めた。

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON[拡大]

「みんなで行くぞ!」という言葉で結ばれたボイスドラマに続き、495日ぶりにファンの眼前で展開する“物語”はキラーチューン「Untouchable MAX」で幕を開けた。高揚感を煽るアッパーなイントロに乗せて8人は拳を上げ、ステージ上段で力強く客席を見つめる彼らの姿に会場の熱は一気に高まる。全身に気迫をみなぎらせた歌とダンスで“外の世界”へ飛び出さんとする情熱を表現した彼らは、続く「LRL -Left Right Left-」でオーディエンスに「オーライ、みんな一緒に踊ってこうぜ!」と呼びかけ、ファンを自分たちのパフォーマンスに巻き込んでいった。

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON[拡大]

松村和哉の攻撃的な低音ラップが曲を引っ張るラテン調の「La Vida Loca」が終わると、この日最初のMCへ。メンバーは順にファンと挨拶を交わし、ジャン海渡は「心の中で歌ってもらっても、僕らには届いてますからね」と語りかける。髪をグレーに染め、イメージチェンジした姿でライブに臨んだ飯島颯は「青一色に染まった会場を見て、すごく感動しているので……目に焼き付けてパフォーマンスしたいと思います」と感慨深げに思いを伝え、柴崎楽も「僕が見たかった“スパドラブルー”!」と、青いペンライトの光が輝くフロアを笑顔で見渡した。また、和哉はパフォーマンス中にジャンから耳打ちで「表現よくなってる!」と突然伝えられたことをここで暴露。すると池田彪馬がすかさず「俺も言われた!(笑)」と続き、ステージ上は大きな笑いに包まれた。

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON[拡大]

ファンの前に立てる喜びがにじみ出るような挨拶を終え、古川毅は「全員まとめて僕らから目を離せなくなるようなライブをお届けしていきますのでよろしくお願いします!」と宣言した。ステージが再開すると、物語はメンバーの“独白”とともに進行。ボイスドラマでも外の世界に出ることに後ろ向きな姿勢を見せていた伊藤壮吾が「正直俺は外の世界に行きたくない。外の世界はみんなが思ってるようにいい場所じゃない。このシェルターにいることが一番の幸せなんだ」と意味深に吐露したのち、張り詰めたピアノの旋律から「BLACK BOX」へ。「当たり前 疑おう」と歌うドラマティックなボーカルと緊迫感のあるダンスで葛藤を表現するメンバーから1人離れた壮吾は7人のフォーメーションの間をさまよい歩き、鬱屈とした心情を浮き彫りにした。続く「MY PLAYLIST」では楽曲のアーバンな雰囲気に合わせ、どこかの街並みがLEDビジョンに映し出される。曲を歌い終えると、毅は「繁華街を歩いている夢を見る。自分はシェルターの中の世界しか知らないのに」と小さくつぶやいた。

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON[拡大]

「よっぽど憧れがあるのかも。外の世界なんて知らないのに、なんで俺たちはこんな夢を見るんだろうな」。そんなジャンの言葉から始まったのは、彼らが昨年12月にリリースした最新作「Burn It Black e.p.」のリードトラックである「Burning in the nights」。8人は、静けさの中に情熱を内包するような表情や身振り、声色で“夜明け”を待ち望む強い思いを形にする。続く「Distance」では歌い出しのパートを担う洸希の優しい歌声が会場に響き渡り、オレンジ色の光に包まれた毅と彪馬は穏やかな表情を浮かべながら歌声を重ねる。高架を走る電車の映像の前で踊る壮吾、ペアで楽しげに体を揺らす志村玲於と颯……と、オーガニックなサウンドに乗せて描かれるステージ上の景色は、シェルターの中の世界しか知らない9人の“まだ知り得ぬ郷愁”を観る者に想起させた。

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON[拡大]

ノスタルジーを誘うようなシーンを経て、和哉による「俺は真実が知りたいんだ!」という叫びからストーリーは加速。ここでメンバーは全英語詞の「BLOODY LOVE」をドロップし、ボーカルの毅と彪馬は情熱的な掛け合いを聴かせる。続くトラップ調の「Set It Off」ではジャンと和哉が洸希の穴を埋めて余りあるほどパワフルなラップを披露し、MCチームの固い絆を見せつけた。また、「SAMURAI」ではムービーカメラが舞台の上に乗り、ステージセットの内部まで8人を追いかけてその姿をLEDビジョンに映し出していく。スパドラが配信ライブでも得意としていた臨場感ある映像表現とリアルなパフォーマンスを組み合わせたハイブリッドな演出は、客席を大いに盛り上げ、楽しませていた。

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON[拡大]

メンバーがステージから姿を消すと、会場に響いたのは洸希の声。“過去の自分”と対話する中で、彼は自分たちがクローンの“イレギュラー因子”であること、アップデートが繰り返される中で優秀な者のみが生き残り、そうでない者は廃棄されるという真実を知る。「がんばって自分が何者なのか見つけてみてくれ」と投げかけられた洸希は「俺はクローンなのか?」と戸惑いつつ、それでも「とにかく俺はここを出る!」と決意を新たにした。

SUPER★DRAGONのワンマンライブの様子。

SUPER★DRAGONのワンマンライブの様子。[拡大]

その後、メンバーは蛍光イエローのアウターをまとって再登場。そして彪馬の高らかな歌声を合図に、強い向上心と「俺達の時代」の到来を歌うセルフタイトルトラック「SUPER★DRAGON」をここで披露した。エモーショナルなボーカルワークと情熱を爆発させるようなダンスで確かなアイデンティティをオーディエンスに知らしめると、ジャンは「ブチ上がる準備はできてるか!? 拳上げて、心の中では俺たちと歌っていこうぜ!」とファンに呼びかける。「Mada’ Mada’」では轟音のミクスチャーロックサウンドに乗せ吹き上がるスモーク、花火とド派手な演出が客席を圧倒し、8人は獣の咆哮が響き渡る中で熱いソロダンスリレーも見せる。そして、これまでならば会場が1つになって「まだまだイケるぜSUPER★DRAGON!」と叫んでいたパートは、声で加勢できないファンの分までメンバーが声を上げ、限界のテンションまで自身を引き上げていた。畳みかけるように披露された「BADASS」は“怒りの感情”をテーマにした、スパドラらしいメタル調のハードロックナンバー。無数のムービングライトに照らされたステージ上、和哉は感情の赴くままにデスボイスを轟かせる。最高潮の盛り上がりの中、洸希の「絶対に外へ出る!」という声と共に届けられた本編の最後の楽曲は「SWEET DEVIL」。間奏のダンスパートでは“龍”を表現するようなラインダンスも披露され、メンバーは「もっと!」「2階も!」と最後まで客席に向かって力強く呼びかけていた。

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON[拡大]

大きな一体感の中で曲が終わるとステージ奥の扉が開き、メンバーは光に包まれながら“外の世界”へと飛び出していった。しかし楽だけは、扉の手前に立ったまま。「やあ洸希。気付く個体が出てくるなんて思ってなかったよ」と語りだした彼は、自身がシェルターの中でクローンを管理していた“黒幕”であることをここで明かした。楽が伝えたのは、外の世界に出たクローンは廃棄される運命にあるということ。衝撃の結末が客席に深い余韻を残す中、「NEO CYBER CITY」の物語は幕を閉じた。

円陣を組むSUPER★DRAGON。

円陣を組むSUPER★DRAGON。[拡大]

アンコールでは、物語の世界から抜け出していつもの9人に戻ったメンバー。ここからは洸希もステージに参加し、毅から「いや、洸希!」と霜降り明星・粗品風のツッコミを受けると「お騒がせして申し訳ありませんでした! ただいまでございます」と照れ笑いを浮かべる。そして、メンバーからライブの感想を聞かれ、洸希は「カッコよかった。誰推し? 箱(推し)ですよ」と語っていた。

毅は今回のライブについて「かなり作り込んで。試行錯誤して仕上げていきました」と思い入れを語り「なんつったって問題は(物語の)最後ですよ!」と楽に注目。メンバーから「スパドラきっての“黒幕体質”」と言われた楽は「記憶改ざんしても愛してるよ!」とマイペースにファンへ語りかけた。

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGON[拡大]

9人全員が階段に腰かけ、笑い声混じりの歌声が響いた「雨ノチ晴レ」、メンバーと同じ動きでファンもリズミカルにハンズアップした「Strike Up The Band」を経て、メンバーはやっと実現できた有観客ライブへの思いを語る。毅は「こうしてライブ会場に皆さんが来てくれることがどれだけありがたいか、身に染みて感じた496日でした。今日同じ感覚を共有して、『スパドラというエンタメを楽しむ』という意思疎通ができたことがうれしいです。いつでも僕らの音楽が、皆さんの一瞬の救いになればいいなと思っています。これからも僕ら、誇れる存在でありたいなと思います」と誓い、彪馬は「オンラインライブでも温かいメッセージをいただいて……誰1人欠けずにやってこれたのも皆さんのおかげだし、それをメンバーそれぞれが理解しているからこそ、ここまで来れたんだと思います」とファンへの大きな感謝を口にした。

彪馬が「僕らが目指す目標への通過点として考えると、すごくいいライブになったと思う」と語った通り、深い充実感と手応えの中でライブはラストナンバーの「SOUL FLAG」へ。毅の「これからも9人で1つになって、スタッフ、ファンの皆さんと一緒にスパドラの母体をもっと大きくして。さらなる高みを目指していきたいと思います」という言葉ののち、9人は舞台上で肩を抱き合い、円陣を組む。観客と笑顔を交わし、温かなムードで曲を終えると、毅は最後に「最高に楽しかったです。これからも夢の続き一緒に見ようぜ! 俺たちがSUPER★DRAGONでした!」と叫んでいた。

この記事の画像(全23件)

SUPER★DRAGON「NEO CYBER CITY -ネオサイバーシティ-」2021年4月10日 Zepp Haneda(TOKYO) 第1部 セットリスト

01. Untouchable MAX
02. LRL -Left Right Left-
03. La Vida Loca
04. BLACK BOX
05. My Playlist
06. Burning in the nights
07. Distance
08. BLOODY LOVE
09. Set It Off
10. SAMURAI
11. SUPER★DRAGON
12. Mada’ Mada’
13. BADASS
14. SWEET DEVIL
<アンコール>
15. 雨ノチ晴レ
16. Strike Up The Band
17. SOUL FLAG

全文を表示

関連記事

SUPER★DRAGONのほかの記事

リンク

撮影:笹森健一、小坂茂雄

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 SUPER★DRAGON の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。