「Superstar」は、12月25日から3日間連続で実施されている超特急にとって今年最後のワンマンライブ。1日ずつ異なるテーマを設けたステージが披露されており、2日目のこの日は「超特急のキズナ物語」をテーマに、楽曲でストーリーを表現するライブパフォーマンスが8号車(超特急ファンの呼称)に届けられた。
「We are the BULLET TRAIN!」。超特急の円陣のかけ声が物語の幕開けを告げると、彼らはデビュー曲「TRAIN」でライブをスタートさせた。リフトアップしていくステージに並ぶ5人が着ていたのは、デビュー当時の衣装を彷彿とさせるカラーリングとフォルムで仕立てられたブルーのスーツ。きらびやかにアップデートされたコスチュームを着こなしたメンバーは、9年の進化を確かに感じさせるパワフルなダンスで冒頭から8号車を釘付けにする。
ユーキの合図で「僕たちは超特急です!」と自己紹介した5人は、旅への出発を告げるべく「gr8est journey」を披露。ステージ背景の特大ビジョンには世界各地の空撮映像が流れ、観る者に壮大な冒険を想起させた。そしてメンバーは「Burn!」「バッタマン」とアッパーなキラーチューンを連投し、全力で暴れる超特急のライブならではの持ち味を発揮して視聴者を一気に引き込んでいく。「バッタマン」ではダンサーメンバーが次々に渾身の絶叫を披露し、タクヤは「頂点に行くぞ!」と力の限りに叫んだ。
5人がフルパワーで「バッタマン」を駆け抜けた次の瞬間、8号車のテーマカラーであるピンク色のドレスに身を包んだ女性がカメラの前を横切った。この女性に目を奪われた5人は、運命の人を追い求める姿を描く「need you」を情熱的に披露。タカシが「行かないで 大好きだよ」と歌うアカペラからスタートした「refrain」ではカメラが5人のパフォーマンスを後ろから捉え、舞い踊るドレスの女性に向けて切ない思いを投げかける姿が映し出された。
歌とダンスであふれる思いを捧げた5人だったが、振り向いた“彼女”が女装したリョウガだったことで状況は一変する。「What's up!?」のにぎやかなダンスパフォーマンスでこの“ドタバタ劇”を笑いで納めたメンバーは、続く「My Buddy」で8号車にも「一緒に踊って!」と呼びかけて笑顔の輪を増幅させた。
5人がブルーのジャケットを脱ぎ去り、モノトーンのセットアップへ衣装替えすると、ステージは次のシーンへ。5分割された画面で「Snow break」の繊細な表現を視聴者へじっくりと提示すると、歪んだギターの音が鳴り響く「Beautiful Chaser」では一転、ユーキとほかのメンバーが鬼気迫るパフォーマンスで対峙する、ひりつくようなダンスセッションを繰り広げた。炎に包まれるセンターステージの上、ユーキは眼差しに狂気を宿しながらシャープに舞い、タクヤとの“相討ち”の末にその場にしゃがみ込んだ。
すべてを焼き尽くすような熱をはらんだ「Beautiful Chaser」のパフォーマンスは会場内に大きな余韻を残したが、暗転したステージには一筋の光が。1人立ち上がったカイはこの光に優しく触れ、彼の行動をきっかけに5人はバラードナンバー「小さな光」を初披露した。タカシは「昨日の自分を 超えてゆけば この先にゴールがある もう大丈夫」と、小さな光をつかんだ先に希望が広がることを優しい声で歌い伝え、ダンサーの4人が待つメインステージへと歩みを進めた。彼らがつかんだ“小さな光”は「Starlight」で“満天の星空”へと姿を変え、無数の星の光に彩られた舞台上、タクヤは柔らかな笑みをたたえながら「どんなに時が過ぎて行っても 変わらないものはここに」という曲のメッセージを8号車に送った。
超特急にとって“再出発”の曲でもある「a kind of love」、そして明日への希望を歌う最新曲「Asayake」で「超特急のキズナ物語」はクライマックスを迎えた。14曲のパフォーマンスを終え、この日初めてのMCタイムでユーキは自身が手掛けた演出について「今までの超特急の歴史というものを感じてもらえたらと思いますし、皆さんが自分の人生とも照らし合わせて、『こんな思い出もあったな』なんて振り返ってもらえたらうれしいなと思って」と思いを語る。そして5人はオープニングで着用していた「TRAIN」風のコスチュームにも触れ、この日の衣装をプロデュースしたタクヤは「(オリジナルと比べて)生地が厚くなりました!(笑)」と胸を張っていた。
MCの最後、カイは「まだまだこれからも超特急は突っ走っていくので。全員で思いっきり楽しんでいきましょう!」と呼びかけた。このあとに披露された「超ネバギバDANCE」も、超特急が初めてオリコンウィークリーシングルランキングで1位を獲得した、グループの歴史を語るうえでは欠かすことのできないナンバー。大サビでセンターに立ったユーキは車掌のポーズで「ご乗車ください!」とウィンクを決める。5人をきらびやかに照らすド派手な照明演出と共に「超えてアバンチュール」のお祭り騒ぎが繰り広げられるとライブも佳境。「キズナアルゴリズム」ではボーカルのタカシをダンサーの4人が“超特急ビーム”で倒すというコミカルなシーンや、倒され横になっても余裕の表情で歌声を響かせるタカシの屈強なボーカルスキルが8号車の笑顔を誘った。
タカシが「次が最後の曲です。何も悔いを残すことありません。最後まで楽しんでいこうな!」と視聴者に呼びかけ、ダンサーの4人も朗らかなラップリレーを披露した「Stand up」でこの日のライブは幕を閉じたが、メイキング映像を使ったエンドロールののち、ライブカメラは再びステージを映し出す。メンバーカラーのカジュアルな衣装に着替えた5人は、本当のラストナンバーとしてライブタイトルにも冠された楽曲「Superstar」を披露した。活動初期から“自己紹介曲”としてファンに親しまれてきた「Superstar」は、超特急が怒涛の日々を駆け抜けてきたここ数年の活動の中では披露されることがなかったナンバーとあり、「#超Superstar」のハッシュタグで盛り上がる8号車のタイムラインにも驚きのコメントがあふれる。
今の5人のためにアップデートされた新たな「Superstar」でダンサーの4人はスキルフルなダンスリレーを披露し、彩り豊かな個性を提示。ダンサーを歌声で支えるタカシは「最後尾 みんな見守る」を「最後尾 みんな乗せていく」と歌い替え、9年間の研鑽を経て強さとたくましさをたたえた自身の背中を指差した。昨日12月25日に結成9周年を迎えた超特急にとって、この日は活動10年目の第1歩を踏み出す日でもある。“Superstar”になるという意志を8号車にしっかりと伝えた5人は曲を終えると視聴者に背中を向け、“物語の続き”を見せるように足並みをそろえて歩みを進めた。
BULLET TRAIN ONLINE SPECIAL LIVE2020「Superstar」2020年12月26日 セットリスト
01. TRAIN
02. gr8est journey
03. Burn!
04. バッタマン
05. need you
06. refrain
07. What's up!?
08. My Buddy
09. Snow break
10. Beautiful Chaser
11. 小さな光
12. Starlight
13. a kind of love
14. Asayake
15. Winter Show
16. 超ネバギバDANCE
17. 超えてアバンチュール
18. キズナアルゴリズム
19. Stand up
20. Superstar
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超特急、彩り豊かな楽曲で描いた“超特急のキズナ物語”「Superstar」に決意込め踏み出す10年目の第1歩 https://t.co/U7Q71OEzaI