「MY FIRST STORY ''V'' TOUR 2020 FINAL」は、マイファスの最新アルバム「V」のリリースを記念したアリーナツアー。12月に愛知・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)、大阪・エディオンアリーナ大阪、東京ガーデンシアターで開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて愛知、大阪公演は延期に。東京公演はキャパシティを制限して実施された。また19日の東京公演は昼夜2部制で、夜公演はバンドにとって2020年最後のライブとなった。ここでは19日の夜公演の模様をレポートする。
ライブは「V」の収録曲「アンダーグラウンド」で幕開け。Kid'z(Dr)が刻むどっしりとしたビートに乗せて、Hiro(Vo)がステップを踏み、艶やかに歌い上げる。ファンも体を揺らしながら骨太なロックンロールサウンドを堪能した。本公演のセットリストは最新アルバムの収録曲を中心に構成されていたが、バンドは2016年に発売したアルバム「ANTITHESE」の収録曲「ALONE」や、2014年に発売したアルバム「虚言NEUROSE」の収録曲「Drive me」など、ファンの間で人気の高い楽曲もセットリストに組み込んで観客を熱狂させた。中盤で4人はエレクトロなシンセサウンドが印象的な「moonlight」を披露。メンバーの足元にはスモークが焚かれ、楽曲のイメージを表現したかのような幻想的な光景が広がった。
10月から11月にかけては神奈川・パシフィコ横浜でツアー「MY FIRST STORY "TOUR 2020"」を行ったマイファス。Hiroはこのツアーについて「1stアルバムから最新の『V』までいろんな楽曲をやりましたし、カップリング曲だけの日もあったし、コラボの日やカバーの日もあったし」と各公演異なる内容だったことを振り返る。さらに「昨日と今日はパシフィコのツアーを統括する感じの内容で。だから今日もパシフィコのときにやったことをやろうと思っとるわけですよ」と予告した。そして2016年に脱退したドラマーのMasack、2015年末よりライブ活動を休止しているギタリストのShoがステージに登場。Hiroは「MY FIRST STORY ''TOUR 2020''」の一部公演でも、Hiro、Teru(G)、Nob(B)、Sho、Masackという結成当時のオリジナルメンバーで演奏したことを回想し、「パシフィコのときにも思ったんだけどさ、こんなバンド見たことないぞ。辞めたやつとか活休してるやつがちょいちょい暇なときに戻ってくるバンドなんて。この間も5人でやったばかりだから、なんかもう懐かしくもないわ(笑)」と冗談めかした口調で観客の笑いを誘う。そして5人はリラックスしたムードで、バンドの原点の曲である楽曲「Take it Back!!」を届けて、ファンを喜ばせた。
4人編成に戻って、彼らはソリッドなバンドサウンドときらびやかな電子音が絡み合う「大迷惑」、リズミカルな「猿真似ドロップアウト」と「V」の収録曲を連投してバンドの最新のモードを打ち出した。中盤のMCのユルい雰囲気とは打って変わって真剣な表情を浮かべたHiroが、「ラスト1曲、この4分間に今年の1年間全部を詰め込んでお前らに伝えるよ」と前置きすると、バンドは本編最後に「With You」を演奏。鬼気迫る熱演で観客を圧倒した。そしてHiroが「2020年、本当に大変な1年だった。もちろん俺らだけじゃなく全世界が大きな危機に瀕していて。それでも俺らは生きなければいけない。それでも俺らは夢を持って、生き続けなければいけない。俺らが『この日までに夢を叶える』と誓った日まであと1年。残された時間は少ないけど、精一杯がんばって必ず叶えてみせるからさ、それまで一緒にいてやってください。よろしくお願いします」と真摯に語って4人はステージをあとにした。
MY FIRST STORY「MY FIRST STORY ''V'' TOUR 2020 FINAL」2020年12月19日 東京ガーデンシアター 第2部セットリスト
SE. V
01. アンダーグラウンド
02. ALONE
03. 終焉レクイエム
04. アイデンティティー
05. plastic
06. mine
07. Drive me
08. moonlight
09. ハイエナ
10. Take it Back!!
11. One Step
12. 大迷惑
13. 猿真似ドロップアウト
14. ACCIDENT
15. 無告
16. With You
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マイファスが原点から最新まで届けた2020年ラストライブ、Sho&Masackも登場 https://t.co/e2gI9s6mey