ボカロP、歌い手、踊り手がライブでボカロの歴史を振り返った「ボカコレ」ライブ

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12月12日に東京・チームスマイル・豊洲PITにて、ボーカロイドにまつわるさまざまな企画が繰り広げられる「The VOCALOID Collection ~2020 Winter~」のライブイベント「The VOCALOID Collection LIVE」が開催された。

「The VOCALOID Collection LIVE」の様子。

「The VOCALOID Collection LIVE」の様子。

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12月11日から13日かけてニコニコ動画を中心にさまざまな企画が展開された「The VOCALOID Collection」。本イベントの“リアルイベント”して開催された「The VOCALOID Collection LIVE」は、2009年から2014年のボカロ曲をテーマにした第1部と、2015年から2020年までのボカロ曲をテーマにした第2部からなる2部構成のライブとして行われた。

第1部

左からHeavenz、針原翼(HarryP)。

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オープニングムービーが流れる中、ステージにはHeavenzと針原翼(HarryP)の姿が。DJブースの前に立ったHeavenzは、「初音ミク V3」の公式デモソングとして制作された「ペイメント」をかけてライブをスタートさせた。針原はHeavenzがかけるボカロ曲をエレキギターの生演奏で華やかに彩り、ライブを盛り上げる。2人のステージでは「Strangers」「それがあなたの幸せとしても」といったHeavenzの曲と「晴天前夜」「EARTH DAY」といった針原の曲がノンストップでかかり、往年のボカロファンを歓喜させた。

164

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+α/あるふぁきゅん。

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ステージ転換の後にステージに現れた164+α/あるふぁきゅん。は、2011年に発表されたヒットソング「天ノ弱」で勢いよくライブを再開した。164の唸るようなギターサウンドに+α/あるふぁきゅん。の力強いボーカルが絡み合い、会場内は一気にヒートアップ。2曲をパフォーマンスしたところで+α/あるふぁきゅん。がステージから去ると、164はボーカロイドのオケで40mPとのコラボ曲「タイムマシン」を演奏した。「新型コロナウイルスが落ち着いたらまた思いっきりライブしたい」と未来のことを明るく語った164は最後に「青」を披露。会場内が青い照明に照らされる中、164は体を反らしながらエモーショナルなギターソロを熱演し、息を切らしながらステージをあとにした。

Capital Rhythm

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3組目に登場したのはCapital Rhythm。この日のステージではグループのうち、けったろ、つかさし、nero、NORISTRY、Rioの5人がペアを組んで登場し、ボーカルを代わる代わる変えながらメドレー形式で「東京テディベア」「ネトゲ廃人シュプレヒコール」といったアッパーチューンを歌いつないでいく。最後に5人がステージに集結するとパーティチューン「Mr.Music」の演奏へ。オリジナルでは複数のボーカロイドが使われているこの曲で5人は声を合わせ、心地よいハーモニーを会場に響かせた。

SHARE LOCK HOMES

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続いてのコーナーでは、めろちん、SHARE LOCK HOMES、愛川こずえ、いりぽん先生、みうめ、仮面ライアー217というダンサーたちによるパフォーマンスが繰り広げられた。このコーナーでは「The VOCALOID Collection」のリミックス企画の応募作品が使用され、「メルト」「Sweet Devil」といった黎明期に発表されたボカロ曲のリミックス音源に乗せて、多数の“踊り手”たちが個性豊かなダンスで視聴者たちを魅了した。

koma'm

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小林幸子

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キーボードの前に座ったkoma'nは「from Y to Y」「虎視眈々」といったボカロ曲をピアノの弾き語りでパフォーマンス。ジャジーなアレンジの「千本桜」を弾き始めると、ステージには「ラスボス」の愛称で親しまれる小林幸子が“光臨”。真紅のドレスに身を包んだ彼女はkoma'nの伴奏に乗せて「千本桜」をこぶしを効かせて歌い上げ、会場内の拍手喝采をさらった。「皆さん、ずっと会いたかったです」とオーディエンスに挨拶をした小林は共演相手であるkoma'nに向けて「こんなにお上手だとは思いませんでした」と彼のピアノを絶賛。「もし2人でユニットを組んだら“幸子ma'n”になる」といったゆるやかな談義を挟み、2人は「桜ノ雨」の演奏へ。曲の最後に「来年は笑顔でまた会いましょう。ここで、ニコニコで、また会いましょう」とオーディエンスと視聴者に向けて熱いメッセージを送った小林は、相方であるkoma'nと一緒に手をつないでステージをあとにした。

ピノキオピー

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“踊り手”たちが「ルカルカ☆ナイトフィーバー」「ロストワンの号哭」といったボカロ曲のオリジナル音源を歌うコーナーを経て、第1部のトリへ。ドラマーとDJを従えて登場したボカロP・ピノキオピーは、ボーカロイドのオケを流しながら自身もボーカルを重ねるスタイルで「腐れ外道とチョコレゐト」「マッシュルームマザー」といった自身の楽曲を立て続けに歌う。「内臓ある人は手を挙げてください」と呼びかけて始まったのは「内臓ありますか」。多数のペンライトとオーディエンスの手が思い思いに揺れる中、初音ミクとピノキオピーの歌声がデュエットで響きわたり、会場内は一体感に包まれた。ラストナンバーとしてピノキオピーの代表曲「すろぉもぉしょん」がかかると、会場内で発声できないオーディエンスの代わりにニコニコ生放送の字幕に「( ゚∀゚)o彡°ハイ!( ゚∀゚)o彡°ハイ!」というコールが次々と書き込まれ、第1部のライブの盛り上がりは最高潮に。計7曲をボカロと共に熱唱したピノキオピーは「第2部も楽しんでいってください! お元気で!」と快活に挨拶をして、第1部のライブを締めた。

第2部

八王子P

八王子P[拡大]

第2部のトップバッター・八王子Pは、ライブイベント「HATSUNE MIKU EXPO」の5周年記念ソングとして制作された「ラッキー☆オーブ」でライブを開始。「Blue Star」「気まぐれメルシィ」といった自身の代表曲を中心にダンサブルな曲を畳みかけると、ステージ袖からは“踊り手”たちが駆け付け、ステージを華やかに彩った。最後に「Hand in Hand」をかけ、会場内の一体感を演出した八王子Pは「またみんなで一緒に盛り上がろうぜ!」と呼びかけて、次の出演者・DJ'TEKINA//SOMETHING a.k.a. ゆよゆっぺにバトンをつないだ。

DJ'TEKINA//SOMETHING a.k.a. ゆよゆっぺ

DJ'TEKINA//SOMETHING a.k.a. ゆよゆっぺ[拡大]

「音が大きい、気持ちいいー!」と叫んだDJ'TEKINA//SOMETHING a.k.a. ゆよゆっぺは「声が出せないなら手を叩けばいいじゃない!」とオーディエンスを焚き付け、「shake it!」「Just Be Friends」などアッパーチューンを連発。さらに「シャルル」「脱法ロック」「エイリアンエイリアン」と第2部のテーマとして設定されている2015年以降の人気曲を次々と繰り出す。さらに「とっておきの曲」という紹介から「砂の惑星」がかかるとオーディエンスは大喜びでペンライトを振って、DJ'TEKINA//SOMETHING a.k.a. ゆよゆっぺのDJステージを楽しんでいた。

john/TOOBOE

john/TOOBOE[拡大]

3組目のjohn/TOOBOEはバンド編成でステージに登場。自身のボカロ曲「rabbit」や、同世代のクリエイター・煮ル果実の代表曲「紗痲」を歌唱し、新たな世代の音楽をボカロファンたちに届けていく。さらに自身のソロプロジェクト「TOOBOE」名義で発表した新曲「毒」を歌い始めると、コメント欄には「待ってました!」「これを聴きに来た!」といった書き込みが相次ぎ、john/TOOBOEへの期待感の高さが伺えるステージとなった。

ツユ

ツユ[拡大]

4組目に登場したぷす(Gt)と礼衣(Vo)からなるユニット・ツユは、「梅雨明けの」「ナツノカゼ御来光」といったボカロ曲のセルフカバーで視聴者の心をつかむ。さらに2人は、ツユ名義で制作した楽曲「ロックな君とはお別れだ」「泥の分際で私だけの大切を奪おうだなんて」「くらべられっ子」の3曲を披露。礼衣の伸びやかな高音ボーカルとぷすの高速ギターで魅せるパフォーマンスで、観る者を圧倒した。

「The VOCALOID Collection LIVE」の様子。

「The VOCALOID Collection LIVE」の様子。[拡大]

「The VOCALOID Collection LIVE」の様子。

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第2部の最終ブロックでは、2015~2020年に発表された楽曲で構成された“踊ってみたメドレー”を展開。ぽるしによる「乙女解剖」、神沢有紗による「シャルル」といったソロダンスや、ありくとめーとるの「アンヘル」、いりぽん先生と仮面ライアー217による「ポジティブ☆ダンスタイム」といったペアダンス、SHARE LOCK HOMESによるフォーメーションダンスなどさまざまな組み合わせによるダンスが次々と披露されていった。最後には12人の踊り手たちがステージに集結し、+α/あるふぁきゅん。をボーカルに迎えて「LIFE」をパフォーマンス。この日ならではの豪華なコラボでイベントを盛り上げ、第2部のライブは大団円を迎えた。すべての出演者がステージから姿を消すと、初音ミクの「ありがとう」というメッセージがスクリーンに映され、チャット欄は視聴者からミクへのありがとうの書き込みであふれた。

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V.A.「The VOCALOID Collection LIVE」2020年12月12日 チームスマイル・豊洲PIT セットリスト

第1部

Heavenz、針原翼(HarryP)

01. ペイメント
02. テロメアの産声
03. NightGale
04. 晴天前夜
05. 泥中に咲く
06. 徒花の涙
07. キミノオト
08. Strangers
09. EARTH DAY
10. TODAY THE FUTURE
11. それがあなたの幸せとしても

164

01. 天ノ弱 feat. +α/あるふぁきゅん。
02. 残響 feat. +α/あるふぁきゅん。
03. タイムマシン
04. 青

Capital Rhythm

01. 東京テディベア
02. SPICE
03. ネトゲ廃人シュプレヒコール
04. from Y to Y
05. チルドレンレコード
06. Mr.Music

めろちん、SHARE LOCK HOMES、愛川こずえ、いりぽん先生、みうめ、仮面ライアー217

01. だんだん早くなる(colate remix)
02. Sweet Devil(colate remix)
03. メルト(J-CORE Remix)
04. ダーリンダンス(Tom-i Remix)
05. ダンスロボットダンス(colate remix)

koma'n

01. from Y to Y
02. rain stops, good-bye
03. 虎視眈々
04. からくりピエロ
04. 千本桜 feat. 小林幸子
05. 桜ノ雨 feat. 小林幸子

SHARE LOCK HOMES、みうめ、仮面ライアー217、愛川こずえ、いりぽん先生、めろちん

01. ヒビカセ
02. リモコン
03. ルカルカ☆ナイトフィーバー
04. オツキミリサイタル
05. ロストワンの号哭
06. おこちゃま戦争
07. ハッピーシンセサイザ
08. shake it!

ピノキオピー

01. 腐れ外道とチョコレゐト
02. マッシュルームマザー remix
03. ニナ remix
04. ありふれたせかいせいふく
05. アルティメットセンパイ
06. 内臓ありますか
07. すろぉもぉしょん

第2部

八王子P

01. ラッキー☆オーブ
02. Weekender Girl
03. Satisfaction
04. Little Scarlet Bad Girl
05. Blue Star
06. バタフライ・グラフィティ
07. ヒビカセ -Mash Up-
08. Ready Steady
09. Gimme×Gimme
10. KING
11. 気まぐれメルシィ
12. バイオレンストリガー
13. Hand in Hand

DJ'TEKINA//SOMETHING a.k.a. ゆよゆっぺ

01. shake it!
02. Just Be Friends
03. メリュー
04. 妄想感傷代償連盟
05. シャルル
06. 脱法ロック
07. エイリアンエイリアン
08. 彗星ハネムーン
09. ワールドイズマイン
10. 砂の惑星
11. キミノヨゾラ哨戒班
12. Leia
13. Palette

john/TOOBOE

01. rabbit
02. 紗痲
03. ヒガン
04. 春嵐
05. 毒
06. 赫い夜

ツユ

01. 梅雨明けの
02. ナツノカゼ御来光
03. アサガオの散る頃に
04. ロックな君とはお別れだ
05. 泥の分際で私だけの大切を奪おうだなんて
06. くらべられっ子

SHARE LOCK HOMES、いりぽん先生、仮面ライアー217、神沢有紗、ありく、めーとる、ぽるし、ウィル、めろちん

01. KING
02. アンヘル
03. オートファジー
04. 乙女解剖
05. シャルル
06. 厨病激発ボーイ
07. ポジティブ☆ダンスタイム
08. ジャンキーナイトタウンオーケストラ
09. LIFE

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※記事初出時、本文に誤りがありました。お詫びして訂正します。

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