「東京」のミュージックビデオの撮影に校庭を使用したり、「修学旅行」と題したライブツアーを行ったりと、“学校”と関わりのあるワードや題材を数多く用いてきたMONO NO AWARE。今回のライブではイベントタイトルの通り、ある小学校を貸し切ってパフォーマンスを繰り広げた。
開演までさまざまなミュージックビデオが流される中、スタート10分前になると配信ページに学校の入り口のような場所が映し出される。するとMONO NO AWAREの4人が談笑しながら登場し、ボールをパスし合ったり、お手玉のように投げたりと和気藹々とした様子を見せた。しばらくするとメンバーはどこかに駆け込んでいき、カメラはゆっくりと上昇。3階まで移動するとベランダに立つ玉置周啓(Vo, G)の姿が捉えられ、彼の「起立、礼!」「よろしくお願いしまーす!」という挨拶でライブは幕を開けた。
ライブの前半では音楽室が使用され、4人はまず「新人類」をアコースティック編成で披露。加藤成順(G)は小型の鉄琴、竹田綾子(B)はリコーダーを演奏し、オリジナルとは大きく異なるアレンジが施された。続く「ゲームは1日30分」では柳澤豊(Dr)がPlayStationのコントローラでリズムマシーンを操作し、ノイジーなサウンドを炸裂させる。さらに「わかってるつもり」では玉置がギターの代わりにピアノを弾いたりと、さまざまな楽器を用いた実験的なアプローチが試みられた。
「わかってるつもり」の演奏が終わると、おもむろに玉置はアコースティックギター片手に音楽室の外へと移動。「勇敢なあの子」を歌いながら校内を練り歩き、図書室の椅子に腰掛けるとMCコーナーに突入した。彼は机に用意されたタブレットで動画のチャット欄に目を通し、「概ね好評ってことでよかったです」「満場一致ってことはないですから」とコメント。続けてタブレットの横に置かれた「世界一おもしろい国旗の本」や絵本「ミッケ!」を手に取り、子供の頃落書き帳によく国旗を描いていたことを話題にしたり、「テープで補修されたページのある絵本は人気」と語ったりと、リラックスした様子でトークを行った。
その後図書室を離れた玉置は再び「勇敢なあの子」を爪弾きながら移動。今度は体育館へと入っていき、暗いステージ上でホイッスルを吹くと、締め切っていた幕が勢いよく開いた。そのまま玉置はアリーナ中央にスタンバイしていたメンバーと合流し「井戸育ち」をプレイ。4人はお互い向き合うような配置で演奏し、体育館ならではのエコーが効いたサウンドに包まれながら、グルーヴィなセッションを繰り広げた。
早口言葉で構成された歌詞が特徴的な「かむかもしかもにどもかも!」の最後には、玉置が「噛んだーーー!」と絶叫。メロディアスなギターフレーズにさわやかな恋心をつづった歌詞を乗せた「ゾッコン」、コーラスパートでノスタルジックなムードが生み出された「東京」といった楽曲でライブは佳境へと入っていく。そして4人はラストナンバーとして、“私の好きなもの”や“私のいたところ”を題材にした新曲(タイトル未定)を披露。この曲が終わるとライブ冒頭と同じく「起立、礼!」「ありがとうございました!」とあいさつし、体育館から去っていった。
なおSpotifyとApple Musicでは「学校ライブ2020」の新曲を除いたセットリスト、LIVEWIREでは12月6日(日)23:59までアーカイブ映像を公開中。またMONO NO AWAREは1月に東名阪ツアーを開催する。
MONO NO AWARE「学校ライブ2020」2020年11月28日 セットリスト
01. 新人類
02. ゲームは1日30分
03. そういう日もある
04. わかってるつもり
05. 勇敢なあの子
06. 井戸育ち
07. マンマミーヤ!
08. かむかもしかもにどもかも!
09. ゾッコン
10. 言葉がなかったら
11. 東京
12. イワンコッチャナイ
13. 新曲
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小学校にMONO NO AWARE、校内巡って配信ライブ https://t.co/FYtYAhS9Z9