YOASOBIが6月に行った、イギリス・ロンドンの歴史ある会場OVO Arena Wembleyでの単独公演「YOASOBI LIVE AT WEMBLEY ARENA」の模様が、8月10日(日)21:00よりWOWOWにて放送・配信される。
当初は1日だけの予定だったが、チケットの完売を受けて2DAYS公演となった「YOASOBI LIVE AT WEMBLEY ARENA」。ヨーロッパでの日本人単独公演としては最大規模となった本公演では、大ヒット曲「アイドル」「夜に駆ける」はもちろん、今年リリースされた「PLAYERS」「Watch me!」といった楽曲も披露された。WOWOWでは会場の熱狂そのままに、臨場感あふれるライブ映像をお届け。この特集では、現在ホールツアーの真っ最中にあるYOASOBIに取材を行った。放送・配信がより楽しみになるような2人からの言葉とともに、OVO Arena Wembley公演の魅力を紹介する。
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取材・文 / 清本千尋撮影 / Tom Pallant
「YOASOBI×WOWOWスペシャル」
WOWOW「YOASOBI LIVE AT WEMBLEY ARENA」
2025年8月10日(日)21:00~
※放送・配信終了後~WOWOWオンデマンドで1週間アーカイブ配信
WOWOW「YOASOBI Special Program at WEMBLEY ARENA」
2025年9月20日(土)21:15~
※放送・配信終了後~WOWOWオンデマンドで1週間アーカイブ配信
結成5周年を記念して、昨年10月に大阪・京セラドーム大阪、11月に東京・東京ドームにて、単独公演「YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”」を行ったYOASOBI(参照:東京ドーム公演ライブレポート)。OVO Arena Wembley公演は、さまざまな演出を用いてヒット曲を次々と披露したドーム公演をギュッと凝縮し、今年リリースした新曲を加えてアップデートした内容で、YOASOBIの今を堪能できるステージとなっていた。
ヨーロッパでは初となるYOASOBIの単独公演の会場・OVO Arena Wembleyは世界的に有名な会場で、これまでにQueenやビヨンセ、Oasis、ボブ・ディランといった有名な海外アーティストが公演を行っている。日本のアーティストでは2016年にBABYMETAL、2017年にはX JAPAN、2024年にはONE OK ROCKがコンサートを開催したが、いずれも1日公演で、日本のアーティストが2日にわたって公演を行ったのはYOASOBIが初となった。
6月6日、スペイン・バルセロナで行われた「Primavera Sound Barcelona 2025」のメインステージに出演し、その2日後にOVO Arena Wembleyの舞台に立ったYOASOBI。「Welcome to the YOASOBI show! We are YOASOBI from Japan!」とボーカルのikuraが英語で来場者を歓迎し、伸びやかな歌声をパワフルな演奏に乗せ会場をYOASOBIワールドに染め上げていく。
OVO Arena Wembleyの客席からは「YOASOBI最高!」「YOASOBI大好き!」など日本語の声援が休みなしに飛び交う。熱烈な歓迎を受けた2人は「PLAYERS」を披露し、日本語によるシンガロングを巻き起こす。切ないメロディをikuraが丁寧に歌い上げる人気曲「たぶん」では、観客がライトを点灯させたスマホを掲げ、アリーナ内に美しい星空のような光景が広がった。
Ayaseのクラップの煽りから始まったのはヒット曲「怪物」。凶暴なバンドサウンドの中でikuraがパワフルに熱唱すると、アリーナの盛り上がりは最高潮に。ikuraのアカペラで始まる「あの夢をなぞって」では観客全員が息をのんでその姿を見守り、バンドの演奏が加わるとオーディエンスは熱い声援とともに拳を突き上げる。バンドメンバーのソロ回しも会場の熱狂を後押しした。そしてここぞとばかりに放たれたのは大ヒット曲「アイドル」。Ayaseが作り出すトリッキーな構成はもちろん、ikuraのボーカルの巧みさも存分に味わえるこの楽曲で観客たちはダンスを踊ったり、ともに歌ったりと、大興奮の様子でパフォーマンスを楽しんだ。
ikuraが英語でしたためてきた手紙の内容もこのライブの見どころの1つ。彼女は14歳の頃にミュージシャンを志し、ギター片手にストリートに出たが、多くの人に見つけてもらうことができなかった苦節の日々を振り返る。その10年後に、日本から遠く離れたロンドンの地で1万人を前にパフォーマンスできる喜び、そしてこれからも続いていく旅路について語り、今の自分の胸の高鳴りを「HEART BEAT」に乗せて届ける。彼女が「Let's sing together London!」と呼びかけると、場内に盛大なシンガロングが巻き起こった。
アンコールのMCでは会場からほど近いところにあるスタジアム・Wembley Stadiumでの公演を次なる目標に掲げたYOASOBI。現地のファンとそこでの再会を約束し、「夜に駆ける」でOVO Arena Wembley公演を締めくくった。
──日本はもちろん、世界各国のフェスでも現地のファンを熱狂させているYOASOBIですが、OVO Arena Wembleyというロンドンの歴史のある会場での単独公演は今回が初めてです。初日のみの予定が追加公演も決まり、結果的にヨーロッパでの日本人単独公演としては最大規模のライブとなりました。この事実を知ったとき、そしてライブを迎えるまでどんな気持ちでしたか?
Ayase ウェンブリー・アリーナは歴史のある会場で、僕の大好きなレジェンドのアーティストたちも立ったすごいステージだということも知っていたので、まずライブが開催できると決まった時点でものすごくうれしかったし、光栄なことだと思っていました。ライブを迎えるにあたっても、そのステージに立ってきた大先輩たちに負けぬよう「アグレッシブで自分たちらしいカッコいいJ-POPを響かせてやるぞ」という気持ちをもって臨みました。
ikura ウェンブリー・アリーナという歴史ある会場でやらせていただけることが本当に光栄なことだと思いました。初めてのUKでのライブで、どれだけお客さんが来てくださるか未知数だった中、チケット発売初日でソールドアウトと聞き、驚きとうれしさでいっぱいでした。また、2DAYSやらせていただけることに決まったときは、さらに気合いを入れて最高のライブにしなければと思いました。YOASOBIが現在6年目を走っている中で、このロンドンでのライブがYOASOBIにとって新しいフェーズに入ったように感じ、より気合いを入れて次のステージに向かっていく気持ちで挑みました。
──「群青」や「HEART BEAT」はもちろん、新曲の「PLAYERS」でも日本語のシンガロングが巻き起こったり、アンコールでも熱烈な「YOASOBI」コールが響いたり、現地のファンがYOASOBIのライブをとても楽しみにしていることが伝わってくるライブでした。
Ayase 会場の皆さんが「どうやってそんなに日本語を覚えてくれたの!?」というくらい日本語で一緒に歌ってくださったり、僕らの声がけにしっかりコールや手拍子をして踊ってくださって、言語を越えて音楽でひとつになれている実感が強く、その実感とともにライブができてとてもハッピーでした。
ikura 言語も異なる中で1人ひとりがYOASOBIの音楽を愛してくださり、歌詞も覚えて臨んできてくださっていることが、どの曲を歌っているときでも伝わってきました。また、ステージの上で見ている景色が皆さんの笑顔であふれていて、とても感動しました。
──東京ドーム公演に続き、ライブ映像がWOWOWで放送・配信されますが、OVO Arena Wembley公演だからこそ見せられたパフォーマンスや初めて挑戦したことがあれば教えてください。また今回の放送・配信で注目してほしいポイントはどんなところでしょうか?
Ayase ライブに臨む気持ちとしては、どんな場所、キャパシティであろうとも、今の自分たちの最もカッコいいものを見せつけるぞという気持ちで挑んでいます。その部分は変わらないですが、やはり英語圏のため、MCなどで英語を交えながら、自分たちが日本語で伝えたいことや海外の方にライブを届けるといううえで持っていなければならないJ-POPに対する誇りと自信を全面的に見せられるライブを作っていこうという気持ちで臨んでおりました。オンエアで注目してほしいポイントは、いろいろ考えた中で生み出されたバルーンのセット。結果的にYOASOBIらしい、ものすごく素敵なセットになったと思ってます。衣装も含め、YOASOBIらしさをロンドンでもしっかり魅せることのできるビジュアル面を作り上げることができたと思っているので、そういったところも隅々までチェックしてみてほしいです。
ikura 英語圏ということもあり、MCや皆さんに投げかけるときの言葉を英語で伝えられたらいいなと思い、こだわって言葉を選び、皆さんにその思いが届けという気持ちでしゃべっていました。また、お客さんたちから見て、私自身がとても楽しんでいることがより伝わったらいいなと思い、1つひとつのパフォーマンスの動き、指先の動き方、目線の動かし方にこだわってパフォーマンスしたので、そこも注目していただけたらうれしいです。
──現在ホールツアー「YOASOBI HALL TOUR 2025 WANDARA」真っ最中ですが、このツアーを楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
Ayase 今回のツアーはYOASOBI史上最も多い本数の40公演を行っていきます。今まで行ったことのない町にもたくさん行き、1カ所で4公演行う場所もあります。その地域や町に住んでいる方々と一緒に盛り上がっていきたいと思っているし、ライブだけではなく会場外で実施するコンテンツも力を入れて作っていったので、ライブはもちろん、ライブに紐付いていろいろと行われていくコンテンツも含め全部で「YOASOBIのホールツアー」という現象として楽しんでほしいです。ライブに関しても、今までやったことのないチャレンジをたくさん詰め込んだセットリストや演出を準備してまいりましたので、きっと観に来てくれた方、触れに来てくれた方が「YOASOBIヤバいな」と思ってもらえるようなエンタテインメントのショーがそこにあると思っております。自信をもって準備してきたので、皆さん一緒に盛り上がっていきましょう!
ikura 日本全国あらゆる場所にYOASOBIが足を運び、40公演行うというYOASOBIとして初めての挑戦なのですが、その土地や町の皆さんと一緒に作るからこそできる空気感や皆さんとのコミュニケーションを、その1日1日、1回1回、私自身も楽しみながら皆さんと最高の思い出を1つずつ増やしていけたらいいなと思っております。楽しみにしていてください!
「YOASOBI×WOWOWスペシャル」
WOWOW「YOASOBI LIVE AT WEMBLEY ARENA」
2025年8月10日(日)21:00~
※放送・配信終了後~WOWOWオンデマンドで1週間アーカイブ配信
WOWOW「YOASOBI Special Program at WEMBLEY ARENA」
2025年9月20日(土)21:15~
※放送・配信終了後~WOWOWオンデマンドで1週間アーカイブ配信
プロフィール
YOASOBI(ヨアソビ)
コンポーザーのAyaseとボーカルのikuraからなる“小説を音楽にするユニット”。2019年11月に発表したデビュー曲「夜に駆ける」は、ミュージックビデオが公開直後から瞬く間に注目を浴び、国内の各種配信チャートで1位を席巻。2025年現在、ストリーミング累計再生回数は史上初となる12億回を突破している。2023年4月リリースのテレビアニメ「【推しの子】」オープニング主題歌「アイドル」は、Billboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”で21週連続の総合首位を獲得し、Billboard JAPANの歴代連続首位記録を更新。さらに、米ビルボード・グローバル・チャート“Global Excl. U.S.”、Apple Music「トップ100:グローバル」、YouTubeのTop 100 Songs Globalでも首位を獲得し、J-POP史上初となる記録を次々と打ち立てた。結成5周年を迎えた2024年には初のドーム公演を東阪で開催。海外では2024年には世界最大級のフェス「Coachella Valley Music and Arts Festival」、2025年にスペインの音楽フェス「Primavera Sound Barcelona」に初出演。2025年6月にはイギリス・OVO Arena Wembleyにて単独公演を2日間にわたって開催した。2025年7月から国内14都市40公演からなるホールツアー「YOASOBI HALL TOUR 2025 WANDARA」を開催中。
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