“憂鬱な日々も忘れられる宴のような楽しさを、キャッチーでPOPな歌と踊りで届ける”王道アイドルグループ・UtaGe!。2022年に結成され、3周年のタイミングでZeppワンマンを行うことを目指して活動してきた彼女たちは、今年6月に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)で6thワンマンライブ「UtaGe! 6th One Man Live『-極宴-』」を成功させ、その目標を見事達成した(参照:UtaGe!、7人体制初ワンマンでZeppのステージへ 夢の舞台で繰り広げた熱狂の「極宴」)。
“バズ”に頼らず、熱いライブパフォーマンスを武器にした正攻法のスタイルでアイドルシーンを駆け抜けているUtaGe!は、今年の夏も「TOKYO IDOL FESTIVAL 2025」をはじめ多くのアイドルフェスに出演。新たなファンを獲得し、グループの知名度を上げようと気合いがみなぎっている。今回のインタビューではZepp Shinjuku(TOKYO)公演を振り返りつつ、夏のシーズンに向けた意気込みをメンバー7人に語ってもらった。
取材・文 / 左藤豊撮影 / はぎひさこ
毎日同窓会してるみたいな雰囲気
──UtaGe!が音楽ナタリー特集に登場するのは3度目になります。UtaGe!と言えばカラフルな衣装が特徴の1つでしたが、今回は全員真っ白ですね。6月30日のZepp Shinjuku(TOKYO)公演のために作られた新衣装とのことですが、袖を通してみていかがですか?
一同 新鮮です!
羽賀うるな みんな同時に言っちゃうくらい新鮮です(笑)。
月宮ひなり 全員が白なのは初期衣装以来ですね。私たち、結成当初は全員白衣装だったんです。当時はメンバーカラーのラインが入っていたんですけど、今回はそれもなく、完全に真っ白で統一されています。
羽賀 初期の白衣装をモチーフにしてデザインしていただきました。なので、着てみて「そういえば昔はあんな気持ちだったな」と初期の頃の思い出がよみがえりました。
咲乃ゆい それぞれデザインは違っているんですけど、影で見るとシルエットが初期衣装にそっくりなんですよ! そこに私は感動して、心が温かくなりました。全員で同じ色を着られるというのもすごくうれしいです!
──UtaGe!は今年5月に新メンバー2人を迎えて7人体制となりました。新たに加入した紬希わかなさんとみゆうさんはナタリーのインタビュー初登場なので、それぞれ自己紹介してもらえますか?
紬希わかな 私はUtaGe!の中で一番子供っぽいキャラクターだと思います。いつもみんなによしよししてもらっています(笑)。
みゆう わかなは顔が赤ちゃんみたいでかわいいです!
茜音ぱぴこ わかなって、顔は赤ちゃんだけど性格はしっかりしているよね。意外と肝が据わっている印象があります。
羽賀 確かに、わかなが緊張しているところをあまり見たことがない。みゆうのほうがよく緊張しているイメージですね。
月宮 わかなとみゆうは、見た目の印象と中身が逆な気がします。わかなは赤ちゃんみたいな顔だからふわふわした性格なのかなと思いきや、実際はしっかり者。
茜音 逆に、みゆうは物事をはっきりさせないと気が済まない大胆な性格に見えるけど、実は繊細。
──みゆうさんは、自分自身をどんなキャラクターだと思っていますか?
みゆう 元気で、おしゃべりの声がデカい(笑)。
紬希 みゆうは初対面の相手にもガツガツいけるイメージがあります。初めて会ったとき、みゆうのほうからいっぱい話しかけてくれたんですよ。すぐに仲よくなれたのはみゆうのおかげです!
──お二人が加入して約2カ月が経ちました。
月宮 えっ、まだ2カ月しか経ってないの!?
羽賀 2カ月とは思えないくらい、2人ともUtaGe!になじんでいます。UtaGe!がどういうグループなのかを知ったうえで入ってくれたので、パフォーマンス面でも性格面でもなじむのが早いんだろうなと思います。
茜音 ずっと前からUtaGe!にいるような感覚だよね。入ってみてどう? 「思ってたのと違う」みたいなギャップはなかった?
みゆう ギャップを感じたことはないかな。
紬希 うん、私も。メンバーみんな仲がよくて、そのおかげで私たちもグループになじめているんだと思います。
月宮 でも「こんなに“地元ノリ”だとは思わなかった」って言ってたよね?
──“地元ノリ”というのはどういうことですか?
羽賀 「地元の仲のいい友達がひさしぶりに集まったときの雰囲気がずっと続いているみたい」と言われました(笑)。
みゆう だって、毎日同窓会してるみたいな雰囲気なんですよ!
紬希 毎日一緒にいるのに、ずっとこのテンションなのが本当にすごい(笑)。
咲乃 メンバーに会うと元気が出るんです。特に、休みの次の日にメンバーに会うと一気に元気になります!
「3周年ライブをZeppで行う」目標を叶えた感想は
──6月のZepp Shinjuku(TOKYO)公演は、「3周年ライブをZeppで行う」という結成当初からの目標が実現した、皆さんにとって記念すべきライブでした。
咲乃 デビュー当初は「そんな目標を公言しちゃって大丈夫かな。私たちにできるのかな」と不安が大きかったけど、3周年で実際にZeppのステージに立てて、「がんばってきてよかった」と思いました。たくさんライブをやって、ファンの皆さんと一緒に経験を積んできたから目標を達成できたんだなって。感動したし、すごく幸せです。目標を叶えられて自信が付きました!
羽賀 私はもともとライブアイドルに詳しくなかったので、Zeppでワンマンをすることがどれだけすごいことなのか最初はわかりませんでした。運営さんから提示された目標だったし、何をどうすれば3年でZeppに行けるのか、道筋も全然わからなくて。実際にアイドルとして活動を始めてこの世界の厳しさを知り、1年目は「3年でZeppなんて本当に行けるの?」という気持ちでしたね。そこから「ここでがんばらなきゃ絶対に無理だ」と覚悟を決めたのが2年目。そして結成3年でいよいよZeppに立てることになって。正直、最初はあまり実感がありませんでした。でもライブ当日、オープニングSEが流れたときにやっと実感が湧いて、怖くなって、手の震えが止まらなくて……。すごく緊張したけれど、それ以上にめちゃくちゃ楽しいライブができました!
月宮 ステージに立ってフロアを見渡してみて、最前列からフロアの後ろのほうに見える人たちまで、その全員が知っている顔だったんです。みんなUtaGe!の歴史の中にいる人ばかりで、1人ひとりの顔を見て「この人はここで会ったな」と記憶がよみがえってきました。「今までの3年間がここにつながったんだ」とステージ上で実感して、胸がいっぱいになりました。
茜音 UtaGe!は、バズることよりも地道にライブを重ねてお客さんを集めるスタイルでずっとやってきました。正直、ワンマンライブをやるたびに「このペースで大丈夫なのか」という葛藤もありました。今回のZeppワンマンが決まったときも不安で、「本当にやる?」「今はまだやらないほうがいいんじゃないか」とメンバーで話し合ったりもしたんです。その分、ライブ当日にステージに立てたときはうれしくて、さらにファンのみんながライブに来てくれて本当に幸せでした。バズを追いかけなくてもたくさんの方が集まってくれて、「この道を信じてよかった」と思いましたね。UtaGe!にとって理想の形でZeppワンマンを成功させられたと思います。
──伊吹さんは2023年12月にUtaGe!に加入し、1年半でZeppワンマンを迎えました。
伊吹うに 加入当初はレッスンでやったことをステージで再現するだけで精一杯でした。でもいろいろなステージに立つ中で、1年くらい前に自分の中で覚悟が固まりました。そこからZeppワンマンまではあっという間で。私はライブ本番を迎えるといつも緊張するんですけど、今回はほとんど緊張しませんでした。メンバーやファンのみんなと過ごした日々のこと……あと卒業したメンバーの気持ちも考えたら「緊張よりも楽しみたい!」という気持ちが強くなって。いつもとは心構えが違って、楽しいライブができました。
──紬希さんとみゆうさんに至っては、加入からZeppワンマンまでわずか1カ月半でした。
紬希 3年間目指し続けていたステージだと知っていたからこそ、「私に立つ資格があるのかな」と考えたこともありました。だけど、UtaGe!のファンの方が本当に温かくて。急に加入が発表されたからびっくりしたはずなのに、受け入れてくれて「ワンマンがんばってね」と励ましの声までもらいました。そのおかげで安心できたので、私はファンの皆さんに結果でお返ししたいと思い、がんばってライブに挑みました。……私、もともとUtaGe!が好きだったんです。1つ前のワンマンライブ(2025年2月開催)も普通にファンとして観に行っていて、うるなちゃんが「Zepp Shinjukuに立ちます」と発表したときは感動で泣きました。まさかそのステージに自分が立つなんて思ってもいなかったけど、UtaGe!が好きな人間としてすごくうれしかったです!
みゆう 私は周りのレベルに追いつけなくて、何度も「ヤバい」と思いました。だけど、メンバーのみんなや同期のわかなが「大丈夫だよ」とたくさん励ましてくれました。レッスンでも、私の細かい質問に対して嫌な顔せず丁寧に答えてくれて、心強かったです。ファンの方に「みゆうちゃんが入ってくれてよかった」と言ってもらえたのもうれしかったですね。ライブ本番、オープニングでスモークが晴れてファンの方の顔が見えたとき、みんな目がキラキラしていたんですよ! その時点で感動しちゃって、泣きそうになりました。ライブを通して「私、ここにいていいんだ」と感じたのと同時に、「もっとがんばろう」と思いました。UtaGe!にとって、Zepp Shinjukuはゴールじゃないので。
──ステージ上で「いつかZepp DiverCity(Tokyo)でワンマンライブをします」と新たな目標を掲げていましたね。
羽賀 さっきぱぴこが今回のワンマン前に話し合いをしたと言いましたけど、メンバーとしてはZepp DiverCityでライブをやりたいという思いがあって。「今の私たちでは届かないけど絶対に立ちたいよね」という話になり、みんなの総意という形で新しい目標を立てました。個人的な話で言うと、「TOKYO IDOL FESTIVAL 2023」の「メインステージ争奪LIVE」に出演させていただいたとき、満員のZepp DiverCityの景色を見て「ここに立ちたい! ここをUtaGe!で埋めたい!」と思ったんです。絶対に叶えたいですね。
次のページ »
「激しくて怖い」というイメージを払拭したい