SUPER BEAVERがオーディエンスと再会、気持ちぶつけ合った結成15周年記念の日比谷野音ライブ

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SUPER BEAVERが10月3日に東京・日比谷野外大音楽堂で結成15周年記念ライブ「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ラクダビルディング&ビルディング~」を開催した。

「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ラクダビルディング&ビルディング~」の様子。(撮影:青木カズロー)

「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ラクダビルディング&ビルディング~」の様子。(撮影:青木カズロー)

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渋谷龍太(Vo)(撮影:青木カズロー)

渋谷龍太(Vo)(撮影:青木カズロー)[拡大]

新型コロナウイルス感染予防対策のガイドラインを遵守したうえで行われた本公演。当日の様子はStagecrowdで生配信され、当日会場に足を運べなかった人々もアニバーサリーライブを見届けた。大きな拍手で出迎えられたSUPER BEAVERが、約8カ月ぶりの有観客ライブで1曲目に選んだのは「ありがとう」。オーディエンスが声を出すことはできないが、手を掲げてリズムに合わせて動かしたり、声を押し殺して涙を流したりと、客席にはそれぞれ思いを募らせる人々の姿が見受けられた。今では当たり前の光景ではなくなってしまったオーディエンスを前にしてのライブにメンバーも感慨深げな様子。会えなかった時間の分も感謝の気持ちを伝えるように1音1音を重く力強く鳴り響かせ、「ありがとね 愛してる」と温かな思いあふれる言葉を伝えた。そして「あなたと一緒に生きてる今が、俺たちの“ハイライト”!」と渋谷龍太(Vo)が叫んだと同時に今年リリースされたメジャー再契約シングル曲「ハイライト」の演奏が勢いよくスタート。“みんなで歌う”ことを意識して作られたこの曲だが、それが叶わなくとも、メンバーが真っすぐに観客に向き合いながらこの曲を届け、オーディエンスがそれに応えるようにステージに向かって手を掲げる空間には、すさまじい熱量のエネルギーが渦巻いていた。

柳沢亮太(G)(撮影:青木カズロー)

柳沢亮太(G)(撮影:青木カズロー)[拡大]

「ひさしぶりだね!」と渋谷は無邪気に笑顔を浮かべ、「俺は今日は画面の向こうにも届くようにしっかりと歌を歌いたいと思います! もちろん今日この場所(会場)にいてくれているあなたには最高の時間と最高の歌と最高の気持ちをすべて届ける気でいるのでしっかり付いてきてください!」と、この日のライブをさまざまな場所から観ているすべてのオーディエンスに向けて気合いたっぷりに語った。「声が出せないなら、声以外の方法で俺たちにしっかりと気持ちをぶつけてくれますか?」と渋谷は観客に語りかけ、続く「証明」では「さあ、どんな形で俺たちに気持ちを伝えてくれるの? 全部委ねるからな!」と観客に全身全霊の信頼を寄せて心を通わせていく。オーディエンスは拳を突き上げたり両手を上げてクラップをしたりと、各々の方法で彼らの真っすぐな歌やサウンドに向き合って気持ちをぶつけていた。

上杉研太(B)(撮影:青木カズロー)

上杉研太(B)(撮影:青木カズロー)[拡大]

その後も「閃光」や「361°」といったSUPER BEAVERの15年間の歴史の中で愛されてきた楽曲たちで会場は1つになっていく。15年間、オーディエンスとの“1対1”のコミュニケーションを重ねてきた渋谷は「人の前で歌を歌えなくて、1対1で対峙できなくて、目を見て話をできないって、俺はなんのためにいるんだろうって正直そこまで思いました」とコロナ禍での苦悩を明かす。そして「いつかライブができるようになるだろうとは思っても、具体的には日にちを提示できないし、自分たちがどんなふうに活動するのが正解で、何をするのが間違いでっていうのもわからなくて。でも、今日はやってよかったってまじで思ってる」と確かな口調で語り、「面と向かって『俺はこう思ってるよ』ってあなたに届けて、あなたは『こう思ってるよ』っていうのを俺たちに届けてくれる。それができてなんぼだね」と顔をほころばせた。ライブ中盤には10月21日にリリースする両A面シングルの表題曲の1つ「自慢になりたい」を初パフォーマンス。6月にSony Music Recordsとメジャー再契約をしてから一度も観客の前に立てていなかったSUPER BEAVERにとって、新曲を直接オーディエンスに届けることは大きな意味があり、その演奏にはひと際大きな感慨と喜びが宿っていた。

藤原“32才”広明(Dr)(撮影:青木カズロー)

藤原“32才”広明(Dr)(撮影:青木カズロー)[拡大]

ライブ中盤には「でっかい音で音楽をやったところで、全身全霊心を込めて歌を歌ったところで、今の状況を変えることはできないし、具体的に誰かを救ったりとかできるわけじゃないのは重々承知だが、俺たちはこれからも音楽を選ぶ。あなたの中で何かが1mmでも変化してくれたらバンドマン冥利に尽きます。そのたった1mmの変化、進化、感情のために16年目も音楽を鳴らしていきますのでよろしくお願いいたします」と渋谷が迷いのない眼差しで語り、「27」を熱唱。さらにその勢いを加速させるように都会の夜空の下、ミラーボールが放つ星のような眩い光に照らされながら4人は「東京流星群」をエネルギッシュに演奏した。ここでバンドは「今日この日が俺たちの、そしてあなたの“突破口”になりますように」とニューシングルのもう1つの表題曲であり、テレビアニメ「ハイキュー!! TO THE TOP」第2クールのオープニングテーマ「突破口」もプレイ。スポットライトが交錯する中、メンバーはSUPER BEAVERならではの正直で真っすぐな言葉を乗せて疾走感のある演奏を繰り広げた。

「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ラクダビルディング&ビルディング~」の様子。(撮影:青木カズロー)

「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ラクダビルディング&ビルディング~」の様子。(撮影:青木カズロー)[拡大]

「美しい日」では夜空に約1600人の大きなハンドクラップが鳴り響き、メンバーと観客の弾けるような笑顔があふれる。そんな温かな空気の中、バンドはコール&レスポンスができなくとも「予感」や「秘密」を観客に向けて力強く放っていった。渋谷は「1対1で顔見て、マスクしていて顔の半分はわからないけど、それでも思いを受け取ろうと今日はすごく必死でやりました。あなたのその気持ちがこれからの自分たちの音楽の活力になることは間違いなくて。あなたのおかげでこれから先も音楽ができそうだなって心から思いました」と観客に感謝。「俺たちは一貫して胸張ってバンドマン、足使ってバンドマン、そういう気持ちで16年目も突っ走りますので安心してついてきてくださいね」と誠実に思いを述べた。ラストナンバーはリリースから約4カ月を経て、ライブ初パフォーマンスとなる「ひとりで生きていたならば」。人とのつながりの大切さを歌うこの曲をじっくりと届けたメンバーは、「また会える日を楽しみにしています」という言葉を残して余韻が漂うステージをあとにした。

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SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ラクダビルディング&ビルディング~」2020年10月3日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

01. ありがとう
02. ハイライト
03. 証明
04. 閃光
05. →
06. 361°
07. 自慢になりたい
08. 27
09. 東京流星群
10. 突破口
11. 美しい日
12. 予感
13. 秘密
14. ひとりで生きていたならば

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