GYAO!で配信されたこの「PARADISKAFE」は、バンドにとって初めての有料オンラインワンマンライブとなった。配信がスタートすると、大きなバックドロップが掲げられたライブハウスのステージに登場した9人。彼らは空間を切り裂くような加藤隆志(G)の鮮烈なギターサウンドと共に、「TONGUES OF FIRE」でライブの幕を開けた。ブルーグリーンの新スーツを身にまとった9人は、初っ端からカメラの向こう側に強烈に訴えかけるアグレッシブなパフォーマンスを展開。大森はじめ(Per)のアジテートが冴え渡った「5 days of TEQUILA」ではGAMO(Tenor Sax)や加藤がステージ中央のお立ち台に上がって情熱的にプレイ。川上つよし(B)もさっそく最前線に躍り出て軽快なステップを踏んだ。
2曲を終えてのMCでは、谷中敦(Baritone Sax)が「お待ちしてました、というかこの日を待ってました! スカパラの活動30年の中でも、今年はやるせないというか……鬱憤溜まってたんで! 今日は晴らしまくりたいと思います。一緒に晴らそうね!」と視聴者へ向けて呼びかけ、茂木欣一(Dr)も「完全燃焼だ!」と続いた。GAMOの「鬱憤、晴らす!!」という宣言にステージ上が大いに盛り上がった勢いのままスタートした次のセクションでは、ファンクラブメンバーの投票で選ばれた“B面曲”の人気上位曲が「TOKYO SKA Medley B-Side Selections Paradiskafe Special」としてメドレー形式で披露された。GAMOと谷中のシュアなユニゾンが聴く者の体を揺らす、北原雅彦(Tb)作曲のジャジーな「BLACK JACK」、シンボリックなイントロを演奏するNARGO(Tp)の姿をカメラが後ろから捉え、9人のタイトなバンドアンサンブルが曲の世界観を鮮やかに描き出した「国境の北、オーロラの果て」、激しくも艷やかなサウンドを奏でるGAMOの独壇場となった「月に吠える」と、コアなファンも唸る“隠れた名曲”の数々をノンストップで届けた9人。演奏を終えると、加藤は「かなり懐かしい曲もあって。『国境の北』とかは、俺、サポートメンバーの時代にやってましたから(笑)。いろんな思い出が詰まったメドレーになっていてうれしいです。投票してくれてありがとうございます」とファンに向けて語りかけた。
「次の曲もひさびさにやります。2020年バージョンで聴いてください」という加藤の言葉ののちに9人がプレイしたのは「Pride Of Lions」。仲間と共に向かう未来への希望を歌うこの曲で、彼らはポジティブなエネルギーを音に乗せて思い切り放ち、加藤は「Share a dream with us!」と叫んだ。そして、続く「Paradise Has No Border」でステージ上は一層ヒートアップ。いつもならフロアの“一番盛り上がっている場所”を探し求めステージの上を練り歩くGAMOだが、この日は「どこの家が一番盛り上がってるんだー!?」「いや、家だけじゃないんだな。仕事帰りにスマホでコソコソ観ているのも感じるぞ……どこの画面が一番盛り上がってるんだー!?」と熱く訴えかけ、“盛り上がっている画面”を見定めるとNARGO、北原、谷中、加藤、川上を率いてカメラ目線でポーズを決めた。
北原改め“北っち”が「オンラインライブとかけまして、白熱したバレーの試合と解く。その心は、ネット挟んで盛り上がります!」と謎掛けを披露した「恋して cha cha cha」ののちは、茂木による「JUSTA RADIO」のコーナーへ。「絶対に止まりたくない。どうやったらスカパラらしく前進できるか考えていました」と、自粛期間に抱いていたメンバーの思いをファンに伝えた茂木は楽曲制作に取り組んでいるバンドの近況も明かし「新曲、すごいよね。加藤くん!」と加藤に語りかけた。そして、茂木から物販紹介を任されたエプロン姿の大森は、配信ライブのために用意されたフードメニューやグッズをPR。ファンの間で大きな話題を集め、一時売り切れとなった「スカパラうちわ」を手に「最初で最後のうちわです(笑)。推しメンをぜひ、よろしくお願いします!」と呼びかけた。
ここで茂木は「初披露です。魂込めて、今夜歌います」と、オンエアがスタートしたばかりのテレビ朝日系「仮面ライダーセイバー」エンディングテーマ「仮面ライダーセイバー」をタイトルコール。アグレッシブなサウンドに力強いボーカルを乗せ、「仮面ライダーセイバー!」と新たなヒーローの名前を叫んだ。茂木が「本当の意味で春がやって来ることを願ってやまないし、僕らもずっとそんな気持ちでいます」と話し、その願いを曇りのない優しい声で歌い届けた「倒れないドミノ」が披露されると「水琴窟 -SUIKINKUTSU-」へ。この曲をリードする沖祐市(Key)は、超人的な速弾きを駆使した渾身のソロパフォーマンスを見せる。音の1粒1粒が瑞々しいきらめきを放つような、繊細で力強い音色はバンドの演奏に大きなうねりを生み出し、9人の熱気が最高潮に達したクライマックスのセッションは聴く者に圧倒的なインパクトを与えた。
ライブも佳境に差し掛かったところで、スカパラはスペシャルゲスト・川上洋平(
ゲストを送り出し「一緒に演奏してて、改めてスカパラはすごいと思った!」と口にした谷中は「30年を超えた年月一緒にやってるけどさ、時が止まったように楽しさがキープされている状態で。これも音楽の為せる技なのかな。そんな音楽の力を、今日観てくれた人と共有できたのかなと思うとうれしいですし、これからも我々のパラダイスを訪れてください」と笑顔で語った。そしてスカパラは「DOWN BEAT STOMP」「ペドラーズ」というキラーチューン2曲を駆け抜け、ありったけのパワーを放出するようなお祭り騒ぎの中でパフォーマンスを終える。谷中は最後に「川上洋平に大きな拍手を! We are東京スカパラダイスオーケストラ!」と宣言し、カメラの向こう側へ大きく手を振りながら初の有料配信ライブの幕を下ろした。
なお、この公演は9月17日(木)23:59まで見逃し配信を実施している。
東京スカパラダイスオーケストラ「PARADISKAFE」2020年9月10日 セットリスト
01. TONGUES OF FIRE
02. 5 days of TEQUILA
03. Samurai Dreamers<サビレルナ和ヨ>
04. Zero Fighter
05. BLACK JACK
06. 月のウィンク
07. 国境の北、オーロラの果て
08. 月に吠える
09. Raise it All
10. Pride Of Lions
11. Paradise Has No Border
12. 恋して cha cha cha
13. 仮面ライダーセイバー
14. SKA ME CRAZY
15. 倒れないドミノ
16. 水琴窟 -SUIKINKUTSU-
17. ALMIGHTY~仮面の約束 feat. 川上洋平
18. ALMIGHTY~仮面の約束 feat. 川上洋平
19. DOWN BEAT STOMP
20. ペドラーズ
※4曲目から9曲目まで、メドレー「TOKYO SKA Medley B-Side Selections Paradiskafe Special」
東京スカパラダイスオーケストラ オンラインライブ「PARADISKAFE」見逃し配信
配信期間:2020年9月17日(木)23:59まで
視聴料金:3000円
チケット販売サイト:https://yahoo.jp/aPnmqM
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スカパラ、川上洋平招いた「PARADISKAFE」で鬱憤晴らす!“音楽の力”画面越しに共有した配信ライブ https://t.co/m6DKSRkZXV