EGO-WRAPPIN'野音での有観客ワンマン盛況「これからも配信慣れはしないように」

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EGO-WRAPPIN'が9月5日に東京・日比谷野外大音楽堂でワンマンライブ「Dance, Dance, Dance」を行った。

EGO-WRAPPIN'「Dance, Dance, Dance」の様子。(撮影:仁礼博)

EGO-WRAPPIN'「Dance, Dance, Dance」の様子。(撮影:仁礼博)

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「Dance, Dance, Dance」は、「夏の野外で踊れる」というテーマのもとEGO-WRAPPIN'が毎年開催している恒例の野外ライブイベント。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため収容人数を半分以下に抑えて行われ、イベント初となる有料制のライブ配信も実施された。

EGO-WRAPPIN'「Dance, Dance, Dance」の様子。(撮影:仁礼博)

EGO-WRAPPIN'「Dance, Dance, Dance」の様子。(撮影:仁礼博)[拡大]

定刻を少し過ぎ、オープニングSEのSly & The Family Stone「Dance To The Music」が大音量で鳴り響くと、メンバーがステージに登場。この日のライブは、メンバーの中納良恵(Vo)と森雅樹(G)に加え、真船勝博(B)、伊藤大地(Dr / グッドラックヘイワサンフジンズほか)、松井泉(Per)、清水一登(Key)、武嶋聡(Sax, Clarinet)、市原“icchie”大資(Tp / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)といった布陣で行われた。なお伊藤と松井がEGO-WRAPPIN'のライブに参加するのは今回が初めてとなる。

中納良恵(Vo)(撮影:仁礼博)

中納良恵(Vo)(撮影:仁礼博)[拡大]

EGOにとって2020年初のライブは「BIG NOISE FROM WINNETKA~黒アリのマーチングバンド」でスタート。「CAPTURE」「サイコアナルシス」といったアップチューンが次々に届けられると、熱量の高い演奏に場内のボルテージが一気に上昇していく。中納は「テンションいきなり高いわー!」と歓喜の声を上げ、「生きててよかった」という森の言葉を受けて、「ホンマ生きててよかった。みんなも無事で何よりです。ありがとうございます!」と来場者および視聴者に感謝の気持ちを伝えた。

森雅樹(G)(撮影:仁礼博)

森雅樹(G)(撮影:仁礼博)[拡大]

ドラマチックな展開で聴き手を引き込む「裸足の果実」、中納がエモーショナルなラップを聞かせる「10万年後の君へ」、アーバンメロウなミドルチューン「Shine Shine」など多彩な楽曲でひとしきり会場を盛り上げると、EGOはバラード「KIND OF YOU」を演奏。静かに揺れる水面を思わせるサイケデリックな照明がステージを照らす中、バンドが繰り出す壮大なサウンドと、遠くから聞こえてくる秋の虫たちの鳴き声が混ざり合い幻想的なムードが場内を包んでいった。

EGO-WRAPPIN'(撮影:仁礼博)

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中盤では森がアコースティックギターを手に取り、武嶋のクラリネット、松井のパーカッションとのセッションで「衛星ハロー」「サニーサイドメロディー」を演奏。シンプルなアコースティックサウンドに乗せて、中納が時に繊細に、時に伸びやかに、表情豊かな歌声で観客を魅了した。続けて披露されたのはFrancis The Great「Look Up In The Sky」のカバー。原曲は、7歳の黒人少年フランシスを中心としたユニットが1977年に発表したフランス産アフロファンクだ。EGOのライブでは、知る人ぞ知るレアな楽曲をカバーすることが半ば恒例となっているが、今回も彼らはマニアックな選曲でファンを楽しませた。またMCでは、自粛期間中にピアノの弾き語り映像を配信していた中納が音質に納得いかず、配信に適したマイクを探そうとしていたところ「配信慣れしたらアカンで。音が割れてるのが渋いから」と森にたしなめられたというエピソードが語られた。

EGO-WRAPPIN'(撮影:仁礼博)

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エキゾチックなギターリフが印象的な「Arab no Yuki」、ニューウェイブ風のビートで突き進む「human beat」、アンニュイな雰囲気漂う「だるい」といった楽曲を経てライブは後半に突入。「野音でやりたかった曲。ちょっとしっとりですけど、やってみます」という森の言葉から「色彩のブルース」が届けられると、観客は愁いを帯びたサウンドと情感ほとばしる中納の歌声に静かに耳を傾けていた。EGOは「PARANOIA」「くちばしにチェリー」といったおなじみのキラーチューンを立て続けにプレイして狂騒的な雰囲気を作り上げると、穏やかなスカナンバー「心象風景」で場内をクールダウンさせてステージをあとにした。

EGO-WRAPPIN'「Dance, Dance, Dance」の様子。(撮影:仁礼博)

EGO-WRAPPIN'「Dance, Dance, Dance」の様子。(撮影:仁礼博)[拡大]

アンコールを求める盛大な拍手が鳴り響く中、突然の雨が会場を襲う。バンドメンバーと共にステージに現れた中納は「なんや、もう! 降りやがって(笑)」と苦笑いしつつ、自らも雨に打たれながら「濡れていこう!」とシャウト。続けて、「森くんが言うように、これからも配信慣れはしないように。私はライブって皮膚感覚が大事だと思ってるんで。お客さんがおって成り立っていると思うから」とライブに対する自らの思いを力強く述べた。MCの最中に雨足が弱まりステージは再開。アンコール1曲目の「a love song」では、そぼ降る雨の中、観客たちがロマンチックなサウンドに体を揺らしながら“雨の野音”を楽しんでいた。最後にEGOはライブの定番曲「GO ACTION」をエネルギッシュに演奏。野音ワンマンは大盛り上がりの中フィナーレを迎えた。

EGO-WRAPPIN'「Dance, Dance, Dance」2020年9月5日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

01. BIG NOISE FROM WINNETKA~黒アリのマーチングバンド
02. CAPTURE
03. サイコアナルシス
04. 裸足の果実
05. 10万年後の君へ
06. Shine Shine
07. KIND OF YOU
08. 衛星ハロー
09. サニーサイドメロディー
10. Look Up In The Sky
11. Arab no Yuki
12. human beat
13. だるい
14. 色彩のブルース
15. PARANOIA
16. くちばしにチェリー
17. 心象風景
<アンコール>
18. a love song
19. GO ACTION

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ドラム伊藤大地!

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