フレデリック、新たなステージへと踏み出した初の横アリ公演

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フレデリックが2019年4月から開催していたツアー「FREDERHYTHM TOUR 2019-2020」が、昨日2月24日に神奈川・横浜アリーナ公演をもって終幕した。

フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2020~終わらないMUSIC~」アンコールの様子。(撮影:渡邉一生)

フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2020~終わらないMUSIC~」アンコールの様子。(撮影:渡邉一生)

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三原健司(Vo, G)(撮影:渡邉一生)

三原健司(Vo, G)(撮影:渡邉一生)[拡大]

約1年にわたってワンマンライブや対バンツアー、コンセプトライブを行い、その経験を経て初の横浜アリーナ単独公演に臨んだフレデリックの4人。オフショットや過去のライブ映像が流れる演出を経て、ライブは三原健司(Vo, G)の「始めます」のひと言から「飄々とエモーション」で幕を開けた。高橋武(Dr)の軽やかなビートを軸にメンバーは互いの音を重ねつつ、会場を見渡し万感の表情を浮かべる。サビで大きなシンガロングが起きると、健司はイヤモニを外し観客の歌声に耳を澄ませる仕草を見せた。

赤頭隆児(G)(撮影:ハタサトシ)

赤頭隆児(G)(撮影:ハタサトシ)[拡大]

オープニングでいきなりピークを作り出した4人は、その熱量を保ったまま自分たちがデビュー以来発表してきた楽曲をプレイ。赤頭隆児(G)のカッティングギターが冴える「シンセンス」、トリッキーなアンサンブルを聴かせる「オンリーワンダー」などを間髪入れずに披露してオーディエンスを大いに踊らせた。また、健司が序盤で「いろいろ仕掛けているので楽しみにしてください」と宣言していた通り、この日は多彩な演出が続出。「夜にロックを聴いてしまったら」ではスクリーンにリリックが映し出され曲のメッセージがダイレクトに伝えられたほか、極彩色のレーザーやスモークなど、楽曲のテイストに合わせてさまざまな特効演出が取り入れられた。メンバーのライブに対する気合いも十分の様子で、「シンクロック」の2番では三原康司(B, Vo)がリードボーカルを取り、「今この日をこの瞬間を待ち望んでいた 待ち望んでいた」と歌声に力を込めオーディエンスを沸かせた。

三原康司(B, Vo)(撮影:渡邉一生)

三原康司(B, Vo)(撮影:渡邉一生)[拡大]

フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2020~終わらないMUSIC~」の模様。(撮影:渡邉一生)

フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2020~終わらないMUSIC~」の模様。(撮影:渡邉一生)[拡大]

中盤でハイライトとなったのは、メンバーにサプライズで仕掛けられた「NEON PICNIC」での演出。曲が始まると同時に、観客はスマホを入場時に配布されたカラフルなケースの中に入れバックライトを灯す。会場内に広がる壮大な景色を前に、メンバーは驚きと喜びをにじませた表情を浮かべながらパフォーマンス。曲が終わると健司は感慨深そうに「感動した……ありがとう」とひと言呟いた。その後、ステージの照明が消え、リバーブがかかったギターを合図に「峠の幽霊」へ。4人が紡ぎ出す幽玄なアンサンブルが響く中、会場の中央に作られた花道を真っ白なドレスを着た女性が緑のライトを持ちゆっくりと歩いていく。その幻想的な演出にオーディエンスはじっと見入っていた。

しかし、健司がセンター席の後方に設けられたサブステージに現れた瞬間、穏やかだった場内の空気は一変。健司とメインステージに立つ3人は向かい合うように「対価」をプレイ。そのまま4人は一気呵成とばかりに、「逃避行」「TOGENKYO」「KITAKU BEATS」といったダンサブルなナンバーを畳み掛け、場内をダンスホールへと変えていった。そしてバンドの代表曲とも言える「オドループ」では観客による美しいクラップと大合唱が起き、その一体感に健司が「すごい……」と感嘆する姿がスクリーンに映し出された。

高橋武(Dr)(撮影:渡邉一生)

高橋武(Dr)(撮影:渡邉一生)[拡大]

「オドループ」の余韻が残る中、健司が「本日はどうもありがとうございました。今、一番カッコいいフレデリックを見せて帰ります」と宣言する。そこから始まったのは、最新ミニアルバム「VISION」に収録されている「イマジネーション」。曲のクライマックスでは虹色のレーザー、火炎、ミラーボールとあらゆる演出が飛び交い、激しく高揚した空気を残してライブ本編は終了した。

鳴り止まない拍手に応えて再びステージに戻ってきた4人は、アリーナエリアの外周を歩きサブステージへ。そして康司を皮切りに、大舞台に立っている喜びや感慨を口にした。康司が「俺は自分が思い描いているより、誰かと一緒に作るのが好きなんやな」と語れば、赤頭は「一瞬やったな……それだけ楽しかったです」と本編を振り返る。横浜出身の高橋は凱旋公演ができた喜びを明かし、「最後までみんなのためにドラムを叩かせてください」とファンに語りかける。健司は自分たちを支えてくれるファンやスタッフへの感謝を伝え、「ここからまた大きいところ、進んでいけることがうれしい。このままじゃ終われない。遊びきって人生を過ごしたいと思ってるので、これからもよろしくお願いします!」とバンドとしてのさらなる飛躍を誓った。

温かな空気の中で始まったのは「CLIMAX NUMBER」のアコースティックセッション。4人が向かい合ってそれぞれの音や歌声を重ねていると、自然と手拍子が起き、会場が一体感で包まれる。そして、4人がメインステージに向かって花道を歩くという演出を経て、ラストナンバーの「終わらないMUSIC」がスタート。スクリーンには映画のエンドロールのように「FREDERHYTHM TOUR 2019-2020」のスケジュール、メンバーやスタッフのクレジットが流れライブはフィナーレへ。健司が「俺たちフレデリック、次のステージに進みます」と口にすると大きな拍手がステージに向かって贈られ、「FREDERHYTHM ARENA 2020~終わらないMUSIC~」は大団円を迎えた。なお終演後には、10月に開幕する全国ツアーと初の日本武道館公演の開催がスクリーンで告知され、バンドが早くも“次のステージ”に向かっていることを伝えていた。

フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2020~終わらないMUSIC~」2020年2月24日 横浜アリーナ公演 セットリスト

01. 飄々とエモーション
02. シンセンス
03. VISION
04. オンリーワンダー
05. 夜にロックを聴いてしまったら
06. スキライズム
07. シンクロック
08. 真っ赤なCAR
09. LIGHT
10. NEON PICNIC
11. 峠の幽霊
12. 対価
13. 逃避行
14. TOGENKYO
15. KITAKU BEATS
16. バジルの宴
17. オドループ
18. イマジネーション
<アンコール>
19. CLIMAX NUMBER(FAB!!)
20. 終わらないMUSIC

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