THE YELLOW MONKEYツアー熊本で終幕、30周年に向け「ドームで待ってるぜ!」

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THE YELLOW MONKEYの全国ツアー「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL-」のファイナル公演が、9月22日に熊本・グランメッセ熊本で行われた。

THE YELLOW MONKEY(撮影:渡邉一生)

THE YELLOW MONKEY(撮影:渡邉一生)

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今回のツアーは4月リリースの19年ぶりのオリジナルアルバム「9999」を携え、全27公演にわたって開催された。トランプのマークを冠した4パターンのセットリストが展開され、各会場に集まったファンはそれぞれ異なる演出を楽しんだ。

THE YELLOW MONKEY(撮影:渡邉一生)

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ツアーファイナル公演は4パターンのうちもっとも公演数が少なかったスペードマークの公演。「ボナペティ」が流れると、オーディエンスは息の合った手拍子を打ち鳴らす。そして吉井和哉(Vo, G)と菊地英昭(G)、廣瀬洋一(B)、菊地英二(Dr)とサポートメンバーの鶴谷崇(Key)がステージに姿を現した。1曲目はアルバム「9999」と同じく「この恋のかけら」。メンバーが鳴らすずっしりとしたサウンドに、観客は固唾を呑んで聴き入った。

吉井和哉(Vo, G)(撮影:渡邉一生)

吉井和哉(Vo, G)(撮影:渡邉一生)[拡大]

赤いライトが明滅する中で「天道虫」が始まると、吉井は「熊本ー!」と叫び大歓声を浴びる。廣瀬と菊地英二が刻むキレのあるビートが会場の一体感をさらに高めた。「パール」では吉井が「負けんなよ!」と熊本のファンに呼びかける一幕も。吉井は「足元の悪い中、ようこそおいでくださいました」と、台風17号が接近する中で来場したファンに感謝を述べ、「最高の夜にしたいと思います!」とファイナルへの意気込みを明かした。

廣瀬と菊地英昭の掛け合いによるイントロで観客をどよめかせた「サイキックNo.9」、骨太なサウンドで場内を揺らした「Breaking The Hide」など、その後も過去の楽曲から「9999」収録曲まで幅広いナンバーが演奏される。「Changes Far Away」ではメンバーが演奏する姿がセピア色に染められてビジョンに映し出され、楽曲の世界を映像を通じて表現した。鶴谷のオルガンと菊地英昭のギターが「JAM」のイントロを奏でると、客席からは悲鳴のような歓声が上がる。吉井の求めに応じてオーディエンスは大合唱し、感動的な光景を展開した。

菊地英昭(G)(撮影:渡邉一生)

菊地英昭(G)(撮影:渡邉一生)[拡大]

赤と青の照明がステージを2分した「パンチドランカー」に続き、「ROCK STAR」では吉井と廣瀬、菊地英昭がステージ左右の花道へと飛び出し、会場の隅々までその“ロックスター”っぷりをアピールした。吉井はMCで今回のツアーでの4種類のセットリストを振り返り「どの曲も『THE YELLOW MONKEY』で最高でね。このバンドでやると、普通のスリーコードもものすごくアクの強い曲になります。全部この人のせいです!(笑)」と廣瀬を指差して場内の笑いを誘う。そして次の曲を「タイトルの『Titta』はイタリア語で“街”という意味なんですが、今回のツアーでいろんな街に行くことを考えて作った曲です」と紹介し、「Titta Titta」を軽快に奏でた。

「甘い経験」では吉井が歌詞の一部を「台風17号」と変えて歌い、ファンを喜ばせる。カラフルな音色に彩られた「SUCK OF LIFE」のアウトロで吉井は「THE YELLOW MONKEY is my life! THE YELLOW MONKEY is your life!」と叫び、場内を興奮に導いた。本編ラストの曲に入る前のメンバー紹介で、菊地英二は今回のツアーで毎公演ごとに消費カロリーを計測していることを話し「激しいよね、スペードは(笑)」とアグレッシヴなナンバーがそろったこの日のライブを振り返る。菊地英昭は「流し目ビーム!」という吉井の掛け声に合わせて指を指しながら会場全体に流し目を送り、黄色い歓声を浴びた。吉井から「最年長!」と紹介された廣瀬は「そうたい、そうたい!」と熊本弁で返し「よか男ば紹介するたい、ボーカル吉井和哉!」と笑顔で吉井を指した。

廣瀬洋一(B)(撮影:渡邉一生)

廣瀬洋一(B)(撮影:渡邉一生)[拡大]

最後に吉井は今年12月28日からスタートするキャリア最大規模のドームツアーに向け「ドームツアーが終わるまで飽きさせることなく活動していくつもりなので、引き続きよろしくお願いします」と挨拶し、本編ラストのナンバー「I don't know」へと突入する。吉井曰く「50代のロック」という重厚なサウンドが場内に力強く鳴り響いた。

アンコール1曲目で披露されたのは「毛皮のコートのブルース」。活動初期のナンバーをより濃密さを増したアンサンブルで奏で、オーディエンスを魅了した。「バラ色の日々」では吉井が今年12月28日で現在のメンバー構成での初ライブからちょうど30年を迎えることに触れ、「自分は小さいときから欲とか夢とかがなかったんですが、あのときは『何かすごいことができるんじゃないか』と思ったことを覚えています。日本を愛しているからこそ付けた『THE YELLOW MONKEY』というバンド名にはすごい力が秘められている気がして活動してきましたが、本当に力強かった証拠に、今日こんなに集まってくれて。最高の夜を過ごしております」と自身の思いを明かした。

菊地英二(Dr)(撮影:渡邉一生)

菊地英二(Dr)(撮影:渡邉一生)[拡大]

ステージ前方に炎が上がり、バンド名の電飾ロゴが登場した「悲しきASIAN BOY」では、大サビで桜の花びらのように紙吹雪が舞い上がる。演奏を終えたメンバーは名残惜しそうに何度もオーディエンスに手を振りながらステージを下りていった。暗転した会場には再び「ボナペティ」が流れ、観客の手拍子がライブのエンディングを彩った。かと思いきやステージに再度メンバーが登場し、場内を大喜びさせる。明るくなったステージで吉井はアコースティックギターを鳴らしながら咆哮し、「ドームで待ってるぜ!」と絶叫した。ツアーの最後を飾った曲は、THE YELLOW MONKEYが2017年12月の東京・東京ドーム公演で最初に披露した「WELCOME TO MY DOGHOUSE」。バンドの過去と未来をつなげるこの曲に、観客はこの日一番の大歓声を送っていた。

本日9月23日からは各音楽ストリーミング配信サービスにて、ツアーのセットリスト4パターンを網羅したプレイリストが公開されている。さらに12月4日にはアルバム「9999」の“完結版”と銘打った作品「30th Anniversary『9999+1』-GRATEFUL SPOONFUL EDITION-」のリリースが決定した。このアルバムには「9999」の収録曲のほか、ロサンゼルスでのレコーディング時に同時に制作された音源「ダレカニ」、ツアーのSEとして使用された「ボナペティ」、再集結前に菊地英昭が作曲した楽曲のデモ音源が収められる。このほか「GRATEFUL SPOONFUL」ツアーより、8月3日に行われた宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ公演を収録したライブDVD、ツアー初日の静岡・エコパアリーナ公演からツアーを追いかけてきたカメラマンによる写真を200ページにわたって収めたブックレットも封入される。

THE YELLOW MONKEYのドームツアー「THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary DOME TOUR」は12月28日の愛知・ナゴヤドームから始まり、その後2020年2月11日に大阪・京セラドーム大阪、4月4日と5日に東京・東京ドームで行われる。このツアーでは4公演とも異なるセットリストでの演奏が予定されている。公式ファンクラブ「BELIEVER.」では10月7日12:00から10月20日23:59まで、チケットの第2次抽選予約を受け付ける。

なお音楽ナタリーでは、このドームツアーに向けた連続特集企画の掲載を予定している。

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「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL-」2019年9月22日 グランメッセ熊本 セットリスト

01. この恋のかけら
02. 天道虫
03. パール
04. Love Homme
05. サイキックNo.9
06. Breaking The Hide
07. 砂の塔
08. Tactics
09. Changes Far Away
10. JAM
11. Balloon Balloon
12. パンチドランカー
13. ROCK STAR
14. ALRIGHT
15. Titta Titta
16. 甘い経験
17. SUCK OF LIFE
18. I don't know
<アンコール>
19. 毛皮のコートのブルース
20. バラ色の日々
21. 悲しきASAIN BOY
<ダブルアンコール>
22. WELCOME TO MY DOGHOUSE

THE YELLOW MONKEY「30th Anniversary『9999+1』-GRATEFUL SPOONFUL EDITION-」収録内容

DISC 1

01. ボナペティ-OPENING-
02. この恋のかけら
03. 天道虫
04. Love Homme
05. Stars(9999 Version)
06. Breaking The Hide
07. ロザーナ
08. Changes Far Away
09. 砂の塔
10. Balloon Balloon
11. Horizon
12. Titta Titta
13. ALRIGHT
14. I don't know
15. ボナペティ-ENDING-
16. ダレカニ-demo-
17. eien-demo2015-

DISC 2

THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL-」@宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ
01. この恋のかけら
02. ロザーナ
03. 熱帯夜
04. 砂の塔
05. Breaking The Hide
06. 聖なる海とサンシャイン
07. Tactics
08. 天国旅行
09. Changes Far Away
10. JAM
11. Balloon Balloon
12. SPARK
13. Love Homme
14. 天道虫
15. バラ色の日々
16. 悲しきASIAN BOY
17. Titta Titta
18. 太陽が燃えている
19. SUCK OF LIFE
20. I don't know

THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary DOME TOUR

2019年12月28日(土)愛知県 ナゴヤドーム
2020年2月11日(火・祝)大阪府 京セラドーム大阪
2020年4月4日(土)東京都 東京ドーム
2020年4月5日(日)東京都 東京ドーム

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※記事初出時、本文の一部に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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