「FUJI ROCK FESTIVAL '19」に13万人来場、ELLEGARDENやThe Cureら競演

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7月26日から28日に新潟・苗場スキー場で野外音楽フェス「FUJI ROCK FESTIVAL '19」が開催された。音楽ナタリーでは日本人アーティストのライブを中心にレポートする。

ELLEGARDEN(Photo by Tsukasa Miyoshi [Showcase])

ELLEGARDEN(Photo by Tsukasa Miyoshi [Showcase])

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23回目となる今年の「FUJI ROCK FESTIVAL」には、ELLEGARDENASIAN KUNG-FU GENERATION銀杏BOYZSuperflyら国内のアーティストに加えて、海外からはヘッドライナーであるThe Cure、シーア、The Chemical Brothersの3組のほか、Thom Yorke Tomorrow's Modern Boxes、マーティン・ギャリックス、Death Cab for Cutie、ジェイソン・ムラーズ、ジェイムス・ブレイクといったビッグアーティストが出演。前夜祭に1万5000人、初日に4万人、2日目に4万人、3日目に3万5000人の観客が来場し、延べ約13万人の動員となった。

1日目:7月26日

初日のFIELD OF HEAVENには、3年ぶりの出演となる中村佳穂がトップバッターとして登場。彼女は語りかけるように即興で歌い始めると、バンドメンバーやホーン隊と共に最新アルバム「AINOU」の収録曲や新曲「LINDY」などを披露し、その変幻自在のパフォーマンス力で観客を驚かせた。WHITE STAGEの一番手を務めたLUCKY TAPESは、サポートメンバーにAAAMYYYTempalay)を加えた10人編成でパフォーマンス。初披露となる新曲「actor」を含む全8曲をグルーヴィに演奏し、心地よいムードを生み出した。

LUCKY TAPES に続いては七尾旅人がWHITE STAGEに登場し、バンドメンバーと共に最新アルバム「Stray Dogs」収録曲を中心に演奏。ライブ後半、七尾は人気曲「Rollin’Rollin」に続けて「サーカスナイト」を歌い始めると客席に飛び込んでいき、熱狂的な盛り上がりを生み出した。池畑潤二率いるおなじみのフジロック限定バンド・ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRAはGREEN STAGEに出演。ステージにはゲストのオカモトショウ(OKAMOTO'S)、GLIM SPANKY、リアム・オ・メンリィ、仲井戸”CHABO”麗市が代わる代わる登場し、最後に現れた加山雄三はカール・パーキンスの「Blue Suede Shoes」、フランク・シナトラの「My Way」を貫禄たっぷりに歌い上げた。

細美武士(Vo, G / ELLEGARDEN)(Photo by Tsukasa Miyoshi [Showcase])

細美武士(Vo, G / ELLEGARDEN)(Photo by Tsukasa Miyoshi [Showcase])[拡大]

ELLEGARDENのライブの様子。(Photo by Tsukasa Miyoshi [Showcase])

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昨年活動を再開したELLEGARDENのライブには、周辺一帯を埋め尽くすほどの観客が集結。大歓声に迎えられてGREEN STAGEに現れた4人は「Fire Cracker」で口火を切ると「Space Sonic」「Missing」と強力なナンバーを連発し、会場の熱気をどんどん高めていく。細美武士(Vo, G)は「10年前いろんな理由があって活動休止したバンドがもう1回集まった瞬間にすげー仲良くなるみたいなのクソ茶番だと思ってたんですよ。そんなことあるはずないだろと思ってたんだけど、今めちゃくちゃ仲良いのね。ありえないと思ったことがこれからも俺たちの人生で起きるから、またどっかで会いましょう」と語ると「Make A Wish」でシンガロングを巻き起こし、最後は「スターフィッシュ」でライブを締めくくった。

The Chemical Brothers(Photo by Masanori Naruse)

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一方、満員のGypsy Avalonに現れたチャラン・ポ・ランタンはドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のオープニングテーマ「進め、たまに逃げても」などをバンドと共に熱演。大勢の観衆にもも(Vo)は「みんな、ELLEGARDEN観に行かなくていいの?」と驚きつつ、「ムスタファ」「最高」など人気曲を連発して会場を盛り上げた。初日のヘッドライナーとしてGREEN STAGEに登場したThe Chemical Brothersは、2015年発売のアルバム「Born in the Echoes」や最新アルバム「No Geography」の収録曲を中心にセットリストを構成しつつ、中盤からは過去の「Star Guitar」や「Hey Boy Hey Girl」といった人気曲を投入。客席にボールを投げ入れたり、ステージに巨大なロボットを登場させたりとバラエティに富んだ演出も駆使しつつ、観客をノンストップで踊らせ続けた。

2日目:7月27日

今年35周年を迎えた怒髪天は、朝一番のGREEN STAGEでライブを行った。「裸武士」でライブを開始した4人は「酒燃料爆進曲」「GREAT NUMBER」といった楽曲をエネルギッシュに熱演。晴天の下、観客は拳を振り上げて盛り上がった。一方、WHITE STAGEにはGEZANがトップバッターとして登場。赤いマントを羽織って現れたマヒトゥ・ザ・ピーポー(Vo)の絶叫を合図にライブの幕を開け、凶暴なサウンドで会場を支配していく。ライブ後半、エモーショナルな「Absolutely Imagination」に続いてスタートした「BODY ODD」ではCampanella、LOSS(ENDON)、小林祐介(THE NOVEMBERS)、山田みどり(the hatch)、蝦名啓太(Discharming man)、鎮座DOPENESSがマイクリレーを展開。会場に壮絶なまでの盛り上がりを巻き起こした。

峯田和伸(銀杏BOYZ)(Photo by Masanori Naruse)

峯田和伸(銀杏BOYZ)(Photo by Masanori Naruse)[拡大]

2017年に出演した際は小原綾斗(G, Vo)が「フジロックにワクワクしすぎたあまり盛大に転倒し、指をかなりの勢いで骨折」してしまい、イレギュラーな形でのパフォーマンスとなったTempalayは、今回RED MARQUEEに万全の体制で登場。クリエイティブ集団・PERIMETRON制作の映像をバックに「のめりこめ、震えろ。」でライブを開始した3人は、「SONIC WAVE」や「どうしよう」といった人気曲でフロアを沸かせ、最後は代表曲「革命前夜」で締めくくった。フジロック初出演となる銀杏BOYZはGREEN STAGEに登場。ステージに1人登場した峯田和伸(Vo)はアコースティックギターを手に「生きたい」を歌い始め、曲の後半からはバンドメンバーが加わって轟音を響かせる。その後、初期のナンバーで会場にシンガロングを巻き起こした銀杏BOYZは最新曲「いちごの唄」や代表曲「BABY BABY」などを熱演して観客の心を揺さぶると、大歓声に包まれながらステージをあとにした。

台風6号の影響で夕方頃から会場は史上稀に見る悪天候に見舞われる。そんな中、GREEN STAGEに登場したASIAN KUNG-FU GENERATIONは「君という花」でライブをスタートさせると、代表曲「リライト」で雨に濡れた観客たちのボルテージを一気に引き上げた。7曲目に披露された「UCLA」には畳野彩加(Homecomings)がゲストボーカルとして参加。後藤正文(Vo, G)と共に美しく力強い歌声を響かせた。雨が降り続く中、WHITE STAGEには青い衣装でそろえたクラムボンが登場し、「シカゴ」など代表的なナンバーに加えて「モメント e.p.」の収録曲を届けていく。3人は最後にスペシャルゲストとしてtoeとチェリストの徳澤青弦を迎えるとNujabesの「Reflection Eternal」をカバー。観客を大いに楽しませてライブを終えた。

シーア(Photo by Masanori Naruse)

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2日目のヘッドライナーはシーアが務めた。豪雨の中、GREEN STAGEに現れた彼女が「Alive」を歌い始めると、白いドレスの中から彼女の分身のようなダンサーのマディー・ジーグラーが出現。その後は直立不動でヒットナンバーを歌い続けるシーアと激しく踊るダンサーたちによって芸術的なライブが展開され、観客は固唾を飲んでステージを見守った。

3日目:7月28日

RED MARQUEEのトップバッターを務めたのはスカート。バンドは「君がいるなら」でライブを始めると澤部渡(Vo, G)が軽快なカッティングと共に伸びやかな歌声を聴かせるアッパーなナンバーを立て続けに演奏し、会場に心地いいムードを生み出した。続いてRED MARQUEEに登場したドミコは「ペーパーロールスター」で口火を切ると、MCを挟まず駆け抜けるようにライブを展開。さかしたひかる(Vo, G)はループエフェクターを駆使しながら長谷川啓太(Dr, Cho)と共に力強いサウンドを観客に浴びせ、代表曲「こんなのおかしくない?」でフィニッシュした。

Superfly(Photo by Taio Konishi)

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青い空の下、GREEN STAGEに登場したnever young beachは「STORY」でライブを開始。安部勇磨(Vo, G)はメインステージに立てる喜びを体全体で表現していく。ライブ後半、バンドは“爆裂ヤングモード”と称して人気曲を連発し、「お別れの歌」では安部がフロアにダイブ。会場をハッピーなムードで包んでステージを去った。その後、Hiatus Kaiyoteに続いてGREEN STAGEに現れたSuperflyは、バンドメンバーが奏でるドラマチックなサウンドに乗せて「Beautiful」を歌い始めると、その驚異的な歌唱力で観客を圧倒。「タマシイレボリューション」「愛をこめて花束を」といったナンバーをパワフルに歌い上げ、「Ambitious」でライブを締めくくった。

平沢進(Photo by Taio Konishi)

平沢進(Photo by Taio Konishi)[拡大]

WHITE STAGEに登場したKOHHは、Perfumeのライブ演出を手がけることでも有名なクリエイター集団・ライゾマティクスによるリアルタイムでのエフェクト映像をバックに「ひとつ」を静かに歌い上げたあと、「Imma Do It」では打って変わって狂気的な勢いでパフォーマンス。その後KOHHが重苦しくダウナーな楽曲を畳みかけていくと、空には徐々に暗雲が立ち込め、冷たい雨が会場に降り注いだ。平沢進+会人(EJIN)のライブは夜のRED MARQUEEで行われた。白い仮面の会人に続いて、怪しい舞台装置がセットされたステージに現れた平沢は「TOWN-0 PHASE-5」でライブの幕を開けると、新旧織り交ぜたセットリストで観客のテンションを上げ続け、本編終了後にはアンコールが自然発生。観客の求めに応じて再びステージに現れた平沢は「回路OFF回路ON」を披露してステージを去った。

ロバート・スミス(Vo, G / The Cure)(Photo by Taio Konishi)

ロバート・スミス(Vo, G / The Cure)(Photo by Taio Konishi)[拡大]

石野卓球(Photo by Masanori Naruse)

石野卓球(Photo by Masanori Naruse)[拡大]

半ば伝説となっている2013年のライブ以来、6年ぶりの出演となったThe Cureは、急遽出演できなくなったサイモン・ギャラップの代わりに息子のエデン・ギャラップを迎えた特別編成でGREEN STAGEに登場。往年の名曲を次から次へと披露し、観客をその世界観に没入させる。さらにアンコールでは「Friday I’m in Love」などヒット曲を連発。最後は代表曲「Boys Don’t Cry」で2時間を超えるライブを締めくくった。その後もほかのステージではライブが行われ、RED MARQUEEでは石野卓球がド派手なVJをバックに朝までDJパフォーマンス。クライマックスでは電気グルーヴの「富士山」や「虹」もプレイし、3日間のフェスに感動的なフィナーレをもたらした。

なお来年の「FUJI ROCK FESTIVAL」は2020年8月21~23日に開催されることが決定。出演者などの詳細は後日発表される。

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