えびちゅう夏の恒例行事「FAMIEN」、8人のずぶ濡れヒーローが山中湖で青春パワー爆発

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私立恵比寿中学による夏の野外ライブ「FAMIEN 2025」が、8月16日と17日に山梨・山中湖交流プラザきらら シアターひびきで開催された。「FAMIEN」は2013年より「夏のファミリー遠足 略してファミえん」と題して行われてきた、えびちゅう夏の恒例行事。今年はタイトルがアルファベット表記に変更されたが、スタイリッシュな表記に合わせてクールな内容に様変わりすることもなく、大量の水しぶきを上げるウォーターキャノンやメンバー考案の屋台「ぱくぱくうーたん村」などの「ファミえん」ならではの魅力はそのままに、より進化したステージが繰り広げられた。

私立恵比寿中学「FAMIEN 2025」の様子。

私立恵比寿中学「FAMIEN 2025」の様子。

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新設エリアも登場、2025年の「FAMIEN(ファミえん)」

のどかなムード漂う開演前の場内。

のどかなムード漂う開演前の場内。[拡大]

屋台が並ぶ「ぱくぱくうーたん村」。

屋台が並ぶ「ぱくぱくうーたん村」。[拡大]

「ファミえん」会場にのみ現れる珍しい野鳥の新種。

「ファミえん」会場にのみ現れる珍しい野鳥の新種。[拡大]

「ファミえん」と言えば、会場内を容赦なく水浸しにするウォーターキャノンが象徴的な装置となっており、放水もお構いなしでライブを楽しみたい人には「スタンディングエリア」、場内後方の芝生でのんびりと空間を満喫したい人には「リラックスエリア」と観客の楽しみ方に応じたエリア分けがされているが、「FAMIEN 2025」ではスタンディングエリアに「アクティブエリア」「ドライエリア」が新設された。「アクティブエリア」は1人あたりの面積が広く、放水量も増量。一方のドライエリアは傘の使用がOKで、大きなパラソルの設置や傘を持ったスタッフによる防御で放水の影響が最小限に留められた。シアターひびき横の広場で展開される「ぱくぱくうーたん村」には開演数時間前から多くのえびちゅうファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)が集い、メンバー8人それぞれの個性とアイデアが盛り込まれたフードメニューで腹ごしらえ。1日目の開演前は時折雨のぱらつく山地特有の不安定な天気だったが、ファミリーは思い思いに時を過ごし、えびちゅうの登場を待った。

豪快に水しぶきを上げるウォーターキャノン。

豪快に水しぶきを上げるウォーターキャノン。[拡大]

私立恵比寿中学

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ステージ後方に設置された山型のスクリーンには、告知ビジュアルの撮影で山中湖周辺を訪れたえびちゅうメンバーのオフショットムービーが流れ、開演前のシアターひびきはのどかなムード。しかし映像の中のメンバーが「『FAMIEN 2025』、始まるよー!」と声をそろえ、おなじみのオープニングナンバー「ebiture」が大音量で流れ出すと、ファミリーたちは瞬時にスイッチを切り替え大歓声を上げる。「FAMIEN 2025」の幕開けを飾ったのは、ちょうど10年前、2015年開催の「ファミえん」に合わせて田村歩美(たむらぱん)が書き下ろしたサマーソング「ナチュメロらんでぶー」だ。場内数カ所に設置されたウォーターキャノンは早くも豪快な水しぶきを上げ、雨上がりのシアターひびきをずぶ濡れにする。真山りか、安本彩花、中山莉子、桜木心菜、小久保柚乃、風見和香、桜井えま、仲村悠菜の8人は戦隊ヒーローを思わせるメンバーカラーの衣装に身を包み、開放感のあるステージで元気いっぱいに歌い上げた。

私立恵比寿中学「FAMIEN 2025」の様子。

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1日目と2日目は要所要所でセットリストに違いがあり、冒頭のブロックでは1日目に「ほぼブラジル」、2日目に「いつかのメイドインジャピャ~ン」と日替わりの楽曲が用意された。「いつかのメイドインジャピャ~ン」は2013年、当時中学3年生だった安本、廣田あいか、松野莉奈、柏木ひなたの4人によるユニット「くっつきブンブン」の楽曲で、ライブのテンションを最高潮に高めるアッパーチューン。同じシアターひびきで開催された2014年の「ファミえん」と同様、メンバー8人全員でこの曲を歌い、水しぶきを浴びながら花道を疾走した。

山中湖におばけ大量発生!8人のずぶ濡れヒーローが撃退

健康を気遣う真山りか先生。

健康を気遣う真山りか先生。[拡大]

夏の定番曲「ラブリースマイリーベイビー」まで4曲を連続で披露したところで、8人は1人ずつ自己紹介。雲行きの怪しかった1日目、仲村は自作のてるてる坊主の写真を個人のXアカウント(@yuna_nakamura17)にアップしたところ、その直後から「晴れてきました!」というファミリーの報告が続々と届いたと言い、昨年作ったてるてる坊主の実績も踏まえ「今年も山中湖の天気使いとしてがんばります」とアピールした。最年長の真山は「1つだけお約束ね。具合が悪くなったら近くの人と声をかけ合って、助け合う。これ大事ですから。最後まで体調を壊すことのないように。先生のお願いだよ」と、早くも熱狂的な盛り上がるファミリーたちを気遣った。

私立恵比寿中学

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あまりの水量に唖然とするえびちゅう。

あまりの水量に唖然とするえびちゅう。[拡大]

私立恵比寿中学

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いつも以上にハイテンションなのはメンバーも同様で、楽しいトークも弾む。そこに突然、「……地球上で一番楽しそうにしている人間がたくさん集まってるじゃないか。お前ら楽しそうにしやがって……めちゃくちゃにしてくれるわ」と不気味な声が響く。「もしかして、おばけー?」という桜木の悲鳴から「オーマイゴースト?~わたしが悪霊になっても~」に突入すると、場内至るところに怪しい白いマスクの化け物が大量発生。フジテレビTWOでの生中継を撮影するカメラマンなどスタッフも全員白マスクと化し、シアターひびきは異様なムードに包まれた。すると、続く「スーパーヒーロー」ではえびちゅうメンバーが1人ひとりマントを装着し、花道をゆっくりと歩いてセンターステージへ。避暑地の夕暮れの涼しい風がオーガンジーのマントをたなびかせ、8人の力強い歌声が響き渡る。ゾンビ化した白マスクに“青春パワー”で立ち向かうべく、8人はピコピコハンマーやマラカス、ビーチボール、水鉄砲、マジックハンドなど思い思いの“魔法のアイテム”を手に「青春ゾンビィィズ」を歌いながら客席へと飛び出していく。しかし“青春ゲージ”が不足してヒーローに変身したえびちゅうは劣勢に。「えびちゅう!」「がんばれ!」のコール&レスポンスで青春ゲージを満タンにした8人は、大量の放水を浴びながら見事ゾンビの群れを撃破した。ずぶ濡れで髪をぺたんこにした安本は「みんな、ピンチのときは私たちが必ず駆けつけるからね!」とスーパーヒーローらしく宣言した。

小林歌穂「その空」のバトンは誰に?

ソファでくつろぐ桜井えま(左)と中山莉子(右)。

ソファでくつろぐ桜井えま(左)と中山莉子(右)。[拡大]

平和が訪れた山中湖に笑顔の花を咲かすべく、8人は2018年の「ファミえん」テーマソング「朝顔」でライブを再開。「23回目のサマーナイト」「summer dejavu」と清涼感のある楽曲が続く。「summer dejavu」ではメインステージにエアソファが置かれ、メンバーは2人ずつ4組に分かれてソファに座りリラックス。徐々に日の暮れゆく場内にチルな空気をもたらした。

私立恵比寿中学

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ここでえびちゅうはグッズ紹介などのトークを挟みつつ衣装をチェンジ。戦隊ヒーロー風からクラゲをモチーフにしたガーリーな衣装に変身したところで、SNSを通じてリバイバルヒット中の「仮契約のシンデレラ」からライブは後半戦へ……と思いきや、なぜか超高速バージョン「仮契約のシンデレラ - Sped Up -」のオケが流れ出し、メンバーは慌ててストップをかける。安本が音響スタッフにクレームを入れてライブは再開……と思いきや、今度は安本によるリミックスバージョン「仮契約のシンデレラ - ♡kawaii ^chiptune^ remix♡」が流れて再度仕切り直し。さまざまな「仮シン」を収めたEP「FAMIEN'25 e.p.?!~これが最強♡仮契約のシンデレラ~」を使用した寸劇は翌日も行われ、2日目は真山がクレームを入れたあとで真山ソロによるバージョンが披露されそうになった。わちゃわちゃとした寸劇ののち、正当な8人バージョン「仮契約のシンデレラ - GOLDEN EIGHT ver. -」で無事にライブは後半戦へ。

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「感情電車」を歌い出す仲村悠菜。

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私立恵比寿中学

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「揚げろ!エビフライ」「MISSION SURVIVOR」とタオルを回して盛り上がるアッパーチューンを連発した8人は、6月の小林歌穂卒業公演「小林歌穂 卒業式『ぽ~EVER ー消えない落書きー』」で印象的に歌われた「YELL」を歌う。卒業した小林のパートが誰に引き継がれているかも今回の「FAMIEN」では注目ポイントの1つで、中でもイントロやDメロで小林が大役を担っていた「感情電車」は特に大きな見どころとなった。「なないろ」で観客がほんのりとセンチメンタルなムードにひたる中、メンバーが縦一列に並んだその先頭で仲村が「感情電車」を歌い始めると、シアターひびきに静かなどよめきが起こる。仲村はDメロのフレーズ「その空」で伸びやかな歌声を響かせ、ファミリーの拍手喝采を浴びた。8人は続けて「ヘロー」を歌い、いつの間にか夜の帳が下りつつある場内をエモーショナルな空気で満たした。

夜の打ち上げ花火、昼の富士山……2DAYSそれぞれの光景

突然出てきて第九の合唱を要求する中山莉子。

突然出てきて第九の合唱を要求する中山莉子。[拡大]

夜の「FAMIEN 2025」。

夜の「FAMIEN 2025」。[拡大]

昼の「FAMIEN 2025」。

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シアターひびきの背後にそびえる富士山。

シアターひびきの背後にそびえる富士山。[拡大]

2018年から2DAYSの昼夜2公演がスタンダードとなっている「ファミえん」だが、日が暮れゆく光景が楽しめる“夜派”と、明るく開放的な日中の“昼派”は好みが分かれるところ。メンバーは“昼派”“夜派”で議論を展開し、アゲアゲなライブを好む中山と桜木が昼派、ほかの6人が“夜派”に挙手した。昼夜論争でひとしきり盛り上がったのち、ライブはいよいよラストスパートへ。すると“エビ中のエンジン”中山は突然1人で花道へと歩き出し、「ここまで私たちがずっと歌ってきたけど、皆さんにも歌ってもらおうかなって」と、次に披露する曲「ハイタテキ!」のイントロで引用されているベートーヴェンの“第九”こと交響曲第9番のメロディを、客席のファミリーとメンバーによる合唱に差し替えるよう要求する。中山指揮のもと、ファミリーとメンバーは「ラララ」で第九のメロディを歌うが、安本と中山は特にメンバーの歌唱がダメだと納得いかない様子で仕切り直し。「脳天から声を出すように!」という安本の熱血指導の甲斐もあり、中山も「みんなの歌声、最高ー!」と大満足で、いよいよ本当にライブはクライマックスへと突入する。1日目の夜公演では「さよなら秘密基地」、2日目の昼公演では「大人はわかってくれない」と日替わりメニューも飛び出し、「ポップコーントーン」ではセンターステージに移動した8人が一斉にジャンプ。1日目は「Family Complex」、2日目は「HOT UP!!!」といずれもライブ定番のキラーチューンで締めくくられた。

夜空を彩る打ち上げ花火。

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私立恵比寿中学「FAMIEN 2025」の様子。

私立恵比寿中学「FAMIEN 2025」の様子。[拡大]

手をつなぐ真山りか(左)と桜木心菜(右)。

手をつなぐ真山りか(左)と桜木心菜(右)。[拡大]

夜公演の醍醐味と言えば、やはりアンコールでの打ち上げ花火。「FAMIEN 2025」Tシャツのアレンジ衣装で再登場した8人は、「DRAMA QUEEN」「紅の詩」でファミリーを再び熱狂に誘うと、最後はステージ後方に打ち上がる花火をバックに「COLOR」を披露した。2日目の昼公演では花火こそ上がらないものの、日焼けするほどの好天に恵まれたことで、ステージの背後には日本の霊峰・富士山がくっきりと顔を出す絶景に。アンコールでは「ちちんぷい」「紅の詩」「手をつなごう」の3曲が歌われ、メンバーもファミリーも富士山の前で手をつなぐピースフルなラストを迎えた。そしてえびちゅうは、現在の8人体制で目標として掲げている「アリーナツアー開催」に向けての次の大一番として、2026年1月12日に神奈川・Kアリーナ横浜でワンマンライブ「新春大学芸会2026」を行うことを発表。さらに、そのKアリーナ公演に向けてのライブツアー「秋の5都市キャラバンツアー」の開催が決定したことも併せて報告し、桜木は「Kアリーナまで“私立無敵モード中学”で、みんなまだまだ成長していきますので」と付け加えた。

年に一度の待ち遠しかった2日間のステージを終えてしまった8人は名残惜しそうな様子。これはファミリーも同意見のようで、「来年も、夏、一緒に過ごしたいね。ここで『FAMIEN』したいね?」という風見の言葉に同意を示す歓声が沸き起こった。

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「FAMIEN 2025」セットリスト&今後のえびちゅうライブ

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むむむむむー @ebimomochan

ファミえん会場にのみ現れる
珍しい野鳥の新種。

毎年ながら我らが神ナタリーさんの
センスほんと好き🤣✨
#えびちゅう #FAMIEN2025 #ファミえん https://t.co/cHrQ33tMom https://t.co/meLNgqaUp0

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