今回のワンマンツアーは夏代が昨年11月にリリースした最新アルバム「Ganger」を携え、3月15日に大阪・BananaHall、17日に東京・LIQUIDROOMの2カ所で行ったもの。開演前には夏代がラジオ風にトークするオリジナル音源が流れ、集まったファンたちを楽しませていた。
夏代がラジオ風に1曲目の「Ganger」を紹介をすると、ステージ上で光っていた「Fussganger」のネオンの“Fuss”部分が消えて“ganger”になり、2人のダンサーと共に夏代がステージに登場。満員のフロアに向かってパワフルに歌い上げた。「東京の皆さん、盛り上がっていけますか!」と客席を煽った夏代が続けて「REX」を披露すると、オーディエンスは拳を挙げて応え、会場の熱気が一気に上昇していった。
ツアーはおよそ2年半ぶりだという夏代は「超ひさびさ! みんな踊れるかな? 俺と練習するか!」と次の曲「恋しているのさ」の振り付けを指南。そのまま本番へと流れ込むと観客は練習の成果を存分に発揮し、サビの歌詞に合わせて一体感のあるダンスを踊って楽しんだ。ポップな恋愛ソングから一転、ギターを抱えた夏代は2015年に発表した1stアルバム「フィルライト」の収録曲「フィルライトメッセージ」、そして同年Riot of colorとして書いた楽曲「ユウエイ」をシリアスにパフォーマンス。歌い終えた夏代は「僕にとってとても懐かしいオリジナル2曲をやりました。昔から応援してくれる人もいれば、最近僕のことを知ってここに来てくれた人もいる。だからみんなが喜んでくれるセットリストを、と思って考えたんです」と、今回のライブに込めた思いを述べた。さらに「次に歌う曲は僕にとって大切で、いろんな人に自分のことがわかってもらえたような気がして救われた曲です」と紹介した「ニア」を、客席を隅々まで見渡しながら丁寧に歌い届けた。
「ウォーウォー、イェイイェイイェー」の大合唱が沸き起こった「世界の真ん中を歩く」、軽快な手拍子で盛り上がるハイテンションな「ユニバース」を経て、MCでクールダウンさせる夏代。集まってくれたファンへの感謝を述べた彼は、ステージとフロアのわずか数メートルの距離さえも埋めたいという気持ちから生まれたという新曲「すきま」をアコースティックギターを鳴らしながら力強く熱唱し、アルバム収録曲から「プラネタリウムの真実」「君のいない夜」を畳みかけてステージを降りた。
アンコールを受け再び登場した夏代は、冒頭からフルスロットルのテンションで「ワールド・ランプシェード」を歌唱。「実はすごくペースは遅いけど『歌ってみた』もやってるんだよね」「本編はオリジナルで突き抜けたくて。でもアンコールではこんな感じで懐かしい曲をやりながらみんなと楽しんでいけたら」と話し、人気曲「カタオモイ」「夕立のりぼん」を披露した。最後に「突然ですが新曲やっていいですか?」と切り出した彼は、「宇宙ってなんだ?」「死んだらどこへ行くのか?」などの壮大なテーマに思いを巡らせて書いたというできたての新曲「DEADMAN」を紹介。ベースのビートを前面に打ち出した疾走感あふれるバンドサウンドを響かせてライブを終えた。
夏代孝明「Fussganger」2019年3月17日 LIQUIDROOM セットリスト
01. Ganger
02. REX
03. エンドロール
04. ジャガーノート
05. 恋しているのさ
06. キャラメル
07. フィルライトメッセージ
08. ユウエイ
09. ニア
10. 世界の真ん中を歩く
11. ユニバース
12. すきま
13. プラネタリウムの真実
14. 君のいない夜
<アンコール>
15. ワールド・ランプシェード
16. カタオモイ
17. 夕立のりぼん
18. DEADMAN
※「Fussganger」の「ss」はエスツェット、「a」はウムラムト付きが正式表記。
※「Ganger」の「a」はウムラウト付きが正式表記。
※記事初出時、一部表現に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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井崎 @yu1113_
【ライブレポート】夏代孝明、新旧ファンを躍らせた「超ひさびさ!」なツアーファイナル https://t.co/nf4gd1vHBq