以下、ネタバレが含まれているので大阪振替公演の参加者はご注意を。
開演を待つ観客の興奮が高まる中、会場が暗転。Perfumeのこれまでの音源リリースやライブのスケジュールが書かれた年表と、メンバーが移動した場所を示す世界地図がオープニングムービーとして流れ始めた。そしてその年表のタイムラインが2018年12月にたどり着くと、アルバム「Future Pop」の冒頭に収録されたインスト「Start-Up」が流れ、ステージと客席を隔てていた紗幕の向こう側にPerfumeの3人が登場。未来都市を思わせる立体感のあるCG映像を紗幕に映しながら、アルバム表題曲「Future Pop」でライブがスタートした。
ステージ前の紗幕がゆっくりと開いて「エレクトロ・ワールド」が始まると、メンバーの動きをリアルタイムでキャプチャーしたPerfumeのCGが、本人たちの動きに合わせて大画面でダンス。「超来輪」ではメンバーの手の動きに合わせて、背後に映る光の筋がダイナミックに動く。続く「FUSION」では、3月に東京・NHKホールで開催されたライブ「This is NIPPON プレミアムシアター『Perfume × TECHNOLOGY』presents "Reframe"」でも披露された、周囲の壁に映る3人の影が曲に合わせて巨大化したり変形するパフォーマンスを、アリーナ仕様にスケールアップさせて実施。「Tiny Baby」はスマホが取り付けられたマイクスタンドの前でメンバーが歌い、ARカメラで自撮りした映像が背後のスクリーンに上映された。
「Let Me Know」まで8曲、約30分ノンストップで歌い踊った彼女たちは、ここで初めてMCタイムに。「3人合わせてPerfumeです」というおなじみの挨拶を終えると、あ~ちゃんは「9歳の頃からこの挨拶をしてるから、もう20年やってることになります(笑)。伝統というのは続けることに意味があるかなと思います」と言ってはにかんだ。あ~ちゃんはアルバム「Future Pop」がiTunes Storeのエレクトロニックアルバムチャートで20の国と地域で1位になったことに触れ、「自分がほんまにカッコいいなと思うものを自分にいただけて、そのカッコいいなと思うものが世界で認められるっていうのは特別な感じがします」と言って、アルバムを購入してくれた人々に感謝。のっちは、このツアーが本来は12月24日の福岡・マリンメッセ福岡公演で終了する予定だったため、すでに福岡公演後にスタッフと打ち上げを済ませていると説明し、「だから今日は、皆さんには恥ずかしくないものをお見せしますけど、ボーナスステージというか、ウイニングランみたいな気持ちで清々しい気持ちです」と言って観客を笑わせた。さらにのっちはここまでに披露した前半8曲について趣旨を説明。NHKホールの「Reframe」公演にて、演出で見せるMCなしのショーを行ったことで「こういうものができるんだ」という自信を付けたので、今回のツアーにはそのエッセンスを盛り込んだと語った。
MCでの3人は、それまでのストイックな雰囲気のステージとは打って変わって、リラックスした雰囲気で自由なトークを展開。この日は、かしゆかが前髪を切りすぎた話や、12月23日が誕生日のかしゆかのお祝いも兼ねて毎年行われている家族ぐるみのクリスマスパーティと、そこで行われたプレゼント交換の話などで会場の笑いを誘っていた。Perfumeのワンマンライブでは、観客をエリアごとにチーム分けしてコール&レスポンスするのが恒例となっているが、クリスマスパーティにきゃりーぱみゅぱみゅが初参加していたということで、この日はきゃりーの楽曲「キズナミ」にちなんで「キ」「ズ」「ナ」「ミ」に分けられた。
「宝石の雨」でライブが再開すると、天井から吊るされた5つのミラーボールが会場中に光の粒を降らせた。その後、雨音が静かに会場を包み、3人がアカペラで「Butterfly」を歌い始める。「Butterfly」は2008年のアルバム「GAME」に収録されていたものの、当時のライブでは衣装チェンジのBGMとしてしか使用されておらず、NHKホールの「Reframe」公演でセットリストに入れられた際に初めて振りが付けられた楽曲。「Reframe」公演ではドローンを駆使してこの曲のパフォーマンスが行われたが、今回のツアーで実施されたのはメンバーのダンスを中心としたパフォーマンス。曲が終盤に差し掛かるとメンバーが退場し、「Butterfly」はかつてのように衣装チェンジの曲としても機能していた。
ピンクのドレスに着替えて現れたメンバーは、しなやかなに踊りながら「スパイス」を歌唱。続く「TOKYO GIRL」では、床の一部がメンバーを乗せたまま高くせり上がり、背後に東京の夜景を空撮した映像を流すという演出がなされたため、客席からはまるで3人が夜の東京上空を飛び回っているかのように見える。そしてその映像内で街中に光の柱が立つと、同じように光の柱が客席のあちこちに出現。映像の中に入ったかのようなこの臨場感あふれる演出にオーディエンスは沸いた。その後「575」でラップをしながらメンバーはセンターステージに移動。「SEVENTH HEAVEN」が始まると、イントロのピアノが流れた瞬間に会場からどよめきが起こった。なお「SEVENTH HEAVEN」はほかの会場ではセットリストに組み込まれていなかったが、彼女たちは「7th Tour」だからこの曲をやることにしたと説明。「SEVENTH HEAVEN」は3人のダンスを引き立たせるような、映像なしのシンプルな演出でパフォーマンスが行われ、飛び跳ねて盛り上がる観客により会場が揺れた。
恒例の「『P.T.A.』のコーナー」では、ちょうどこの日に関東に大寒波がやってきたということで、「寒くなったらゲレンデに行きたいよね」と広瀬香美の「ゲレンデがとけるほど恋したい」を会場中で一緒に腕を振りながら合唱。観客との一体感を高めたところで、ライブはいよいよ終盤戦に突入する。まず3人は「FAKE IT」で赤いドレスを脱ぎ捨てて早着替えをし、高くリフトアップされたセンターステージでド派手な照明を浴びながらダンス。会場は一気に興奮の坩堝に包まれた。彼女たちはさらに「FLASH」「Party Maker」と、オーディエンスの体を揺らすアッパーチューンを畳み掛けていく。さらにあ~ちゃんが「この歌は30歳になる私たちにまた勇気をくれました」と曲紹介して「天空」がスタート。3人の背後に雲の上の映像が流れ、ステージの床は雲海のように大量のスモークが漂い、歌詞の内容の通りPerfumeが天空で歌っているかのような演出がなされた。
次が最後の曲ということで、ここで彼女たちは1人ずつ観客に挨拶。かしゆかは「Future Pop」をリリースしてからこのアルバムに気持ちが救われることが何度もあったと告白し、アルバムについて「このツアーでみんなに会って、新しい一面を作ってる気がします。今日もまた1曲1曲が、新しい一面を見せて成長してると感じました。みんなと曲を成長させていけて本当に幸せです」と語った。そしてのっちも「今日帰って『Future Pop』を聴いてみてください、『今日のライブを観て聴き方が変わった』ってことがあったらうれしいです」と続けた。
そしてあ~ちゃんは、自分たちが30歳になるまでPerfumeを続けてこれたことについて「続けるって本当に難しくて大変なことです。続けられるっていうのは支持があるっていうことです。誰かから求められていないと続けることはできません。今こうやって30歳になるまで続けられたのは、自分たちの信念だけでできることじゃありません」と語りつつ、観客に向けて「みんなの中にも続けることに挫けそうになってる人がいるかもしれませんが、がんばって乗り越えて続けると、こんなに幸せな毎日があったんだって、歳を重ねるってこんなに楽しいんだって思える日が来ると思います。私は5年前より3年前より昨日より今日が一番楽しいです。こんな時間がなるべく長く続くようにがんばります」と呼びかけた。
最後に彼女たちは「私たちの未来はきっと明るいよ、という曲です」と説明して、雄大なイメージを想起させるダンスパフォーマンスと共に「無限未来」を歌唱。曲が終わるとスタッフロールが流れ始め、3人は観客1人ひとりに声をかけるように別れの言葉を告げ、「それでは、Perfumeでした」というおなじみの挨拶をしてステージを後にした。
「Perfume 7th Tour 2018『FUTURE POP』」2018年12月28日 横浜アリーナ セットリスト
01. Start-Up
02. Future Pop
03. エレクトロ・ワールド
04. If you wanna
05. 超来輪
06. FUSION
07. Tiny Baby
08. Let Me Know
09. 宝石の雨
10. Butterfly
11. スパイス
12. TOKYO GIRL
13. 575
14. SEVENTH HEAVEN
「P.T.A.」のコーナー
15. FAKE IT
16. FLASH
17. Party Maker
18. 天空
19. 無限未来
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リンク
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すいどーなつ⊿パフュ馬応援団長_有明② @tosho_boy
【ライブレポート】驚きの演出を盛り込んだPerfumeツアー終幕「歳を重ねるってこんなに楽しいんだ」(写真10枚) - 音楽ナタリー https://t.co/BdVQACaJ1l
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