奥田民生、シンプルかつ豪快なR&Rショー繰り広げた15年ぶり武道館

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奥田民生が10月13、14日に東京・日本武道館にて単独公演を開催した。この記事では「MTRY LIVE AT BUDOKAN」と銘打たれた13日公演の模様を紹介する。

奥田民生「MTRY LIVE AT BUDOKAN」の様子。(撮影:三浦憲治)

奥田民生「MTRY LIVE AT BUDOKAN」の様子。(撮影:三浦憲治)

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奥田民生(撮影:三浦憲治)

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今年の4月中旬から6月下旬にかけて行われた「MTRY TOUR 2018」の特別編とも言える内容となったこの公演には、小原礼(B)、湊雅史(Dr)、斎藤有太(Key)という奥田と旧知の仲である手練ミュージシャンがバンドメンバーとして参加。奥田、小原、湊、斎藤の4人からなる“MTR&Y”でレコーディングされた最新アルバム「サボテンミュージアム」の楽曲や、懐かしいナンバーを織り交ぜたセットリストをもとにパフォーマンスを披露した。

場内が暗転すると、SEもなくステージ後方から4人が順番に姿を見せ、ほぼ一列に配置されたそれぞれの持ち場に着いた。ライブの口火を切ったのは、奥田のシャウトとカッティングギターが炸裂する「ギブミークッキー」。爆音のロックチューンで幕開けを飾ると、今度は斎藤が軽妙なフレーズを奏でる「快楽ギター」へ。奥田はギターソロで「武道館ー!」と叫び、絶好調な様子を伺わせた。オーディエンスの大合唱が起きたヒット曲「イージュー★ライダー」で一気に盛り上げたあと、奥田は「(ソロでの)武道館はひさしぶりで……広い!」とひと言。バンドメンバーのソロが光る「MTRY」を演奏し終えると、奥田は「武道館は15年ぶりくらいです。その間、ジョン・レノンの歌しか歌ってきませんでした」とうそぶき、「『MTRY TOUR』を今年の4月からやってて、最終日が武道館だったらよかったんですけど、(会場が)取れなかったのでこういう形になりました。取れたと思ったら、2日間取れたのでこういう形になってます」と2DAYS公演となった理由を説明した。

奥田民生(撮影:三浦憲治)

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MCとなればマイペースそのものだが、演奏が始まればバンドメンバーと共に骨太なアンサンブルを生み出していく奥田。湊の刻むギャロップのようなリズムが軸を担う「荒野を行く」では憂いのある歌声を聴かせ、木村カエラに提供した「BEAT」のセルフカバーでは声を張り朗々と歌い上げる。各曲で小原と斎藤のコーラスも加わり、厚みのあるハーモニーが会場中に響いた。「順調すぎるので休憩を……」という奥田の言葉からメンバー紹介を兼ねたMCを挟み、ライブは中盤へ。「サボテンミュージアム」のジャケットに描かれているサボテン型ギターとラーメンカレーミュージックレコードのキャラクター「ヘロ・ディギン」の巨大バルーンがステージの両脇に登場する中、「歩くサボテン」が披露され、どっしりしたグルーヴが武道館に広がった。唸るようなしゃがれ声がコミカルなムードを醸し出す「サケとブルース」を歌い終えるや否や、奥田は「この声で歌うと、戻すのに時間がかかるんだよ。ここで、この前アルバムを出した斎藤有太からひと言あるそうです」と斎藤にバトンを渡す。これを受けて斎藤は、奥田、小原、湊もレコーディングに参加した自身の最新作「The Band Goes On」を紹介し、同作から「Go On」をパフォーマンス。奥田はここではギタリストおよびコーラスに徹し、斎藤の歌声に彩りを添えていた。

奥田民生「MTRY LIVE AT BUDOKAN」の様子。(撮影:三浦憲治)

奥田民生「MTRY LIVE AT BUDOKAN」の様子。(撮影:三浦憲治)[拡大]

2001年リリースの「The STANDARD」と最新作の収録曲「白から黒」や「エンジン」という新旧の楽曲を披露しつつ、奥田は「15年前と今ではすごく成長している部分と、衰えてるところがあって、プラマイゼロかな。価値はね」と笑う。そんな言葉を呼び水に「イナビカリ」「御免ライダー」「CUSTOM」と懐かしいナンバーが、盤石のアンサンブルと味わいを増した歌声と共に届けられた。「俺のギター」では自身のギターをステージ中央のソファーに置き、「どうだ!」とばかりに胸を張る茶目っ気を見せる演出も。その自慢のギターを手に、奥田は切れ味の鋭い音色を奏でた。ライブの後半で奥田は「ありがとう!」と何度も叫び、その一方で「明日はこんなに体力は使いません!」と宣言し観客を笑わせる。そして自然に起きた手拍子に乗せて伸び伸びとプレイされた「風は西から」、豪胆なバンドサウンドが響いた「最強のこれから」を経て、「イージュー★ライダー」同様に観客を大いに歌わせる「さすらい」をもって本編は終了した。

アンコールで奥田は「また武道館の予約が取れたらやります」と改修後の武道館のステージに立つことを誓い、シンプルかつパワフルなリズムを軸に展開していく「マシマロ」、そしてストレートなメロディが光るロックチューン「解体ショー」をラストにプレイ。約2時間のステージを終えた彼はダブルピースを掲げたのち、深々と一礼をしてステージをあとにした。

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奥田民生「MTRY LIVE AT BUDOKAN」2018年10月13日 日本武道館 セットリスト

01. ギブミークッキー
02. 快楽ギター
03. イージュー★ライダー
04. MTRY
05. 荒野を行く
06. BEAT
07. KYAISUIYOKUMASTER
08. 歩くサボテン
09. サケとブルース
10. Go On
11. The STANDARD
12. 白から黒
13. エンジン
14. イナビカリ
15. 御免ライダー
16. CUSTOM
17. 俺のギター
18. 風は西から
19. 最強のこれから
20. さすらい
<アンコール>
21. マシマロ
22. 解体ショー

※「The STANDARD」は180度回転した形が正式表記。

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ビートルズ最新ニュース by JASH @mccartney_news

「その間、ジョン・レノンの歌しか歌ってきませんでした」とうそぶき…」

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