AIS-All Idol Songs-のラストライブ「AIS-Carnival vol.4 ~All Idol Songs~」が、9月24日に東京・SELENE b2で行われた。
ソニー・ミュージックアーティスツが手がけるアイドルグループ・アイドルネッサンスの候補生により2016年6月に結成されたAIS。古今の名曲を広くカバーするアイドルネッサンスに対し、AISはアイドルファンの記憶に残り語り継がれる“21世紀以降のアイドルソング”をカバーするグループとして活動を続けてきたが、9月24日の「AIS-Carnival vol.4 ~All Idol Songs~」をもって2年3カ月の歴史に終止符が打たれた。
ラストライブの舞台となったSELENE b2は、AISが初のワンマンライブを行った場所。今年の夏、さまざまなステージで着用した“水兵さん”モチーフの衣装で登場した橋本麗愛、関澤朋花、磯前星来、朝熊萌、島崎友莉亜、栗原舞優、徳久陽日の7人は、「THE IDOLM@STER」の楽曲「GO MY WAY!!」で最後のライブをスタートさせた。続けてピポ☆エンジェルズ「Luvly, Merry-Go-Round」、Tomato n' Pine「キャプテンは君だ!」を歌ったところで7人はそれぞれ自己紹介。栗原は「ついにラストライブの日が来てしまいましたね。最高の思い出を作っていきたいと思うんですけど、声出してくれますかー?」と観客に呼びかけた。
活動初期からのレパートリーであるおはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!「こいしょ!!!」に続いて歌われた「夏の決心」は、1994年にリリースされた大江千里の楽曲。AISのコンセプトである「21世紀以降のアイドルソング」からは外れるが、アイドルネッサンスがレパートリーとして取り上げており、AISはこの曲でアイルネのバックダンサーを務めた経験を持つ。今年2月にアイドルネッサンスが解散したあと、AISはこの「夏の決心」を歌い継いでいた。
「夏の決心」と同じく夏をテーマにしたBerryz工房の楽曲「マジ グッドチャンス サマー」のカバーは、徳久が間奏のセリフパートで“お泊まりする友達の家”を公演ごとにランダムに変えるのが特徴。最後のパフォーマンスでは徳久がこのセリフを「みなさんち(家)」に変え、客席のファンを喜ばせた。次に歌われた「ジングルガール上位時代」はTomato n' Pineのクリスマスソングで、かつてAISが定期公演で行った人気投票で1位に輝いた楽曲。その後のMCでは「ジングルガール上位時代」のセリフパートについて触れ、朝熊は「どんな曲にもたくさんの思い出があると思う、マル!」とセリフを引用してこれまでの活動を振り返った。
ライブ中盤にはメンバー1人ずつをフィーチャーした楽曲が順に披露され、BON-BON BLANCO「愛のナースカーニバル」では徳久が、SweetS「Love☆Raspberry Juice」では栗原が、PARADISE GO!! GO!!「Faraway」では朝熊が、深田恭子「スイミング」では橋本が、松浦亜弥「ナビが壊れた王子様(LOVE CHANCE)」では磯前が、Whiteberry「それだけなんだけど」では関澤が、渡り廊下走り隊「完璧ぐ~のね」では島崎が、それぞれの持ち味を生かしたパフォーマンスで観客を魅了した。「盛り上がれる楽曲」を集めたという後半戦は、アイドリング!!!「無条件☆幸福」、可憐Girl's「Over The Future」、12.ヒトエ「レントゲン」など宣言通りのアッパーチューンを連発。乙女新党「お受験ロッケンロール」のカバーではファンがフロアでスクラムを組むおなじみの光景が広がった。AeLL.「Endless Summer」はAISにとって最後のカバー曲で、メンバーも観客もタオルを振り回して盛り上がった。
本編ラスト1曲を残し、AISは1人ひとりファンに思いを伝えていく。徳久は「ステージでパフォーマンスすることがこんなに楽しいと思えたのは、皆さんがいてくれて、言葉でも行動でも伝えてくれたからです」「何かを一生懸命にやってきた仲間は一生の仲間だと思います。みんな今日までありがとう」と、ファンとメンバーへそれぞれの感謝を述べ、栗原は「アイドルの道を歩み始めて約3年、本当に辛いことも楽しいこともいろいろあったし、いろんな経験をさせてもらって、その経験が今の自分につながっていると思うし、全部が宝物だったなと思います」とコメント。35回のオーディションを経てAISのメンバーとなった島崎は、AISが自身にとっての希望だったと語り、「友莉亜はみなさんの希望になれましたか?」と観客に投げかける。温かい拍手による返答を受け、島崎は「まだ夢を叶えている途中です。時間はかかるかもしれないけど、また皆さんに見つけてもらうことができるところに行けるようにがんばります。今の友莉亜の希望は皆さんです」と付け加えた。
朝熊は涙で声を震わせながらも「みなさんグミグミしてますかー!」といつも通りのキャラクターで湿っぽいムードを吹き飛ばす。センターとしてAISを牽引した朝熊は「不安や責任感があったんですけど、メンバーやスタッフさんやここにいる皆さんのおかげで、自信を持ってメンバーを引っ張っていきたいと思うようになりました」とAISの活動を通じての心境の変化を語った。「(アイドルネッサンス)候補生の頃は『辞めたい、辞めたい』と思ってたんですけど、今は辞めなくて本当によかったなと思ってます」と正直な気持ちを明かした磯前は、「AISに入って一番嬉しかったことは、星来のダジャレで笑ってくれたり、盛り上がってくれたことです! また言える機会があったら言いたいです! これからもAISを愛すー!」と最後まで持ち前の明るい笑顔を振りまき、橋本と2人で福島から東京に通っていた関澤は「東京という初めての場所で、私はたくさんの経験をして、ここまで成長することができました。ここまで夢を諦めずにアイドルを続けてこられたのは、皆さんのおかげだと思っています」と感謝を伝える。最後にリーダー橋本は「いつかはこの日がくることがわかってたんですけど、いざそうなるとあまり実感が湧かないです」と胸中を告白。そして「私はAISに入る前はアイドルに興味がなかったんですけど、仲間と出会えて、AISになって本当によかったなって思います。この先どんな未来が待っているかわからないですけど、どんな未来でも私らしくがんばっていきたいと思います」と宣言した。
本編を締めくくる1曲に選ばれたのは、BON-BON BLANCOの「この手につかんだ未来地図」。橋本はビジョンに映る歌詞にあわせて歌うよう観客に要求し、場内には明るく前向きなフレーズがこだました。アンコールでは「最後にみんなで、一番大切で、大好きな曲を歌いたいと思います!」という栗原の合図で、この日2度目の「こいしょ!!!」を披露。汗と涙でぐしゃぐしゃの7人に観客は惜しみない拍手を贈った。橋本はマイクを通さず地声で「たくさんの思い出をありがとうございました! 以上、AISでした! ありがとうございました!」と挨拶。7人は手をつないで深く一礼し、AISの全活動を終えた。
AIS-Carnival vol.4 ~All Idol Songs~」
2018年9月24日 SELENE b2 セットリスト(カッコ内はオリジナルアーティスト)
01. GO MY WAY!!(THE IDOLM@STER)
02. Luvly, Merry-Go-Round(ピポ☆エンジェルズ)
03. キャプテンは君だ!(Tomato n' Pine)
04. ドキッ!こういうのが恋なの?(えり~な[キャナァーリ倶楽部])
05. こいしょ!!!(おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!)
06. 夏の決心(大江千里)
07. マジ グッドチャンス サマー(Berryz工房)
08. ジングルガール上位時代(Tomato n' Pine)
09. 愛のナースカーニバル(BON-BON BLANCO)
10. Love☆Raspberry Juice(SweetS)
11. Faraway(PARADISE GO!! GO!!)
12. スイミング(深田恭子)
13. ナビが壊れた王子様(LOVE CHANCE)(松浦亜弥)
14. それだけなんだけど(Whiteberry)
15. 完璧ぐ~のね(渡り廊下走り隊)
16. 無条件☆幸福(アイドリング!!!)
17. ZETTAI(PARADISE GO!! GO!!)
18. ICE CREAM MAGIC(DIANNA☆SWEET)
19. Over The Future(可憐Girl’s)
20. レントゲン(12.ヒトエ)
21. お受験ロッケンロール(乙女新党)
22. Endless Summer(AeLL.)
23. この手につかんだ未来地図(BON-BON BLANCO)
<アンコール>
24. こいしょ!!!(おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!)
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