このライブは、でんぱ組.incが4月より行っている全国ツアー「でんぱ組.inc コスモツアー 2018」の特別編として実施されたもの。彼女たちが河口湖ステラシアターでワンマンを行うのは2015年夏のツアー「でんぱ組.inc WORLD TOUR 2015 in FUJIYAMA」以来で、新メンバーの根本凪と鹿目凛を加えた7人でこのステージに立つのは今回が初となった。日本列島を広く襲った豪雨による影響も懸念されたが、この日の河口湖周辺は曇り。目の前の富士山もくっきりと姿を見せる中、ライブは夕暮れの18:00すぎ、古川未鈴による太鼓の演舞で幕を開けた。
古川が「よっ!」と勇ましく声を上げ、稲妻のマークが入った太鼓を1つ叩くたび、観客は「オイ!」「オイ!」と掛け声で応える。古川はさらに東京打撃団の横山亮介、佐藤晃弘と共に激しく太鼓を打ち鳴らし、そのまま1曲目「でんぱれーどJAPAN」のイントロへ。相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、藤咲彩音、根本、鹿目も合流し、“でんでんバンド”の生演奏に太鼓を加えた激しいビートに乗せて歌い始めると、すり鉢状のステラシアター内には冒頭からすさまじい熱気が息巻いた。夢眠は「天気ー! 空気読んでくれてありがとー!」と天を仰ぎ、古川は「1年に1回のこの大事な日を、でんぱ組.incと皆さん、一緒に盛り上がっていきましょうね!」と七夕気分を高めた。
続けざまに「ちゅるりちゅるりら」「VANDALISM」「でんぱーりーナイト」とハイテンションな楽曲を畳みかけ汗だくになった7人は、ここでひと呼吸置いて1人ひとり自己紹介。相沢は「最高の平成最後の七夕をここで迎えたいと思って準備してきました! みんな一緒に暴れてくれますか?」と観客に呼びかけ、根本は「私は生まれてこのかた天の川を見たことがないんですけど、皆さんのサイリウムが天の川みたいでとってもきれいです!」と場内を見回した。その後もロマンチックな七夕話で盛り上がった彼女たちだが、夢眠は「よく見たらプライベートの織姫と彦星がいない人ばっかりじゃない。空の上の人の恋愛話なんて聞いてる場合じゃないよ!」とごね始める。そんな中「そこでお星様的なアイテムを見つけたよ」と星が描かれた円板状のボードをステージに置くと、「あれ、それを置いた瞬間にみんなの恋愛運が上がっていくわ!」「これならみんなをハッピーにできるかもしれない!」と、7人はここでテレビアニメ「美少女戦士セーラームーン」の主題歌「ムーンライト伝説」のカバーを披露。足元に置かれた星のボードは回転するようになっており、彼女たちはこのボードを使ってくるくると回る華麗なパフォーマンスを披露した。
ライブ中盤のMCでは短冊に書いた願い事の話になり、夢眠は「むくみませんように」、鹿目は「かわいくなりたい」、根本は「森に帰りたい」、藤咲は「りんごになりたい」、成瀬は「マキシマムなスーパースターになりたい」、相沢は「早く二次元になりたい。あと方向音痴を治す」、古川は「健康になりたいな」とそれぞれの願望を明かした。「みんなの願い事をいいとこ取りでまとめると……このライブで夏の曲がいっぱい聴きたーい!」と、次のブロックでは「Kiss+Kissでおわらない」「ノットボッチ...夏」「おつかれサマー!」の“夏曲メドレー”が歌われ、さらにでんぱ組.incはここで“平成最後の夏曲”「プレシャスサマー!」を初披露。この曲は「でんぱれーどJAPAN」「でんでんぱっしょん」などを手がけた玉屋2060%(Wienners)が作詞作曲編曲を担当した新曲で、超高速のアッパーチューンに場内は大盛り上がり。続く「おやすみポラリスさよならパラレルワールド」のパフォーマンス中に開閉式となっているステラシアターの屋根が開き、メンバーと観客の頭上には宵闇が広がる。「この素敵な日にぴったりな曲を」という古川の言葉に続いて歌われた「くちづけキボンヌ」「あした地球がこなごなになっても」では、冒頭から熱気にあふれていた場内もひとときさわやかなムードに包まれたが、7人が「Future Driver」の陣形をとると観客は一気に再沸騰。その熱量に応えるように、でんぱ組.incとでんでんバンドは「破 ! to the Future」「ギラメタスでんぱスターズ」とハイテンションな楽曲を並べて本編を終えた。
ホール内にこだまする「でんぱ! 七夕! アンコール!!」の声を受け、でんぱ組.incはバンドメンバーと共に再度ステージへ。そして「ORANGE RIUM」のイントロが鳴り出すと、場内は一瞬でオレンジ色のサイリウムに染まる。7人はここで改めて、ステージを支えてくれたバンドメンバーを1人ひとり紹介し、さらにオープニングを共に盛り上げてくれた東京打撃団の2人を呼び込む。この日の出演者16人全員による「NEO JAPONISM」が祭囃子のように鳴り響いた。熱狂する観客に向け、古川は「ここでうれしいお知らせがあります!」と、ライブ本編で披露された夏の新曲「プレシャスサマー!」が、でんぱ組.incのニューシングルとして9月26日にリリースされることを報告。場内はより一層沸き上がったが、夢眠は「サマーなのに9末に出すの!? やだやだー!」と地べたに座って駄々をこねる。これに古川は「じゃあこうしましょう」と、当日24:00よりシングル表題曲となる「プレシャスサマー!」のみ先行配信を行うことを発表し、さらに「て言うか、0時まで待てないっす、って人もいると思うんですよ」と、この日2度目の「プレシャスサマー!」を、東京打撃団を交えて演奏することに。最後の最後に雨が降り出すというドラマチックな演出で、メンバーもひときわハイテンション。ラストは盛大に花火が打ち上がり、夏の夜空をカラフルに彩った。
なおニューシングル「プレシャスサマー!」が発売される9月26日にはライブBlu-ray / DVD「COSMO TOUR 2018」も同時発売となり、今回の河口湖でのライブの模様と全国ツアー「でんぱ組.inc コスモツアー 2018」から東京・江戸川区総合文化センター公演の模様が2本立てで収録される。またでんぱ組.incはこのあと7月15日に、各公演異なるゲストを招いて展開するライブツアー「JOYSOUND presents でんぱ組.inc コスモツアー 2018 ~未知との遭遇~」をスタートさせる。
でんぱ組.inc コスモツアー 2018 ~七月七日は七夕まつり編~
2018年7月7日 河口湖ステラシアター セットリスト
01. でんぱれーどJAPAN
02. ちゅるりちゅるりら
03. VANDALISM
04. でんぱーりーナイト
05. ムーンライト伝説
06. まもなく、
07. バリ3共和国
08. でんでんぱっしょん
09. ユメ射す明日へ
10. Kiss+Kissでおわらない
11. ノットボッチ...夏
12. おつかれサマー!
13. プレシャスサマー!
14. おやすみポラリスさよならパラレルワールド
15. くちづけキボンヌ
16. あした地球がこなごなになっても
17. Future Diver
18. 破 ! to the Future
19. ギラメタスでんぱスターズ
<アンコール>
20. ORANGE RIUM
21. NEO JAPONISM
22. プレシャスサマー!
JOYSOUND presents でんぱ組.inc コスモツアー 2018 ~未知との遭遇~
2018年7月15日(日)宮城県 SENDAI GIGS
<出演者>
CHARAMEL(ふなっしー[Vo]、アックマ[G]、カパル[B]、にゃんごすたー[Dr]) / でんぱ組.inc
スペシャルゲスト:寺嶋由芙 / たぬきゅんフレンズ
2018年7月21日(土)大阪府 Zepp Osaka Bayside
<出演者>
東京スカパラダイスオーケストラ / でんぱ組.inc
2018年8月25日(土)愛知県 Zepp Nagoya
<出演者>
チャラン・ポ・ランタン / でんぱ組.inc
2018年8月31日(金)福岡県 DRUM LOGOS
<出演者>
FLOW / でんぱ組.inc
2018年9月17日(月・祝)北海道 Zepp Sapporo
<出演者>
fripSide / でんぱ組.inc
2018年9月27日(木)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
<出演者>
SILENT SIREN / でんぱ組.inc
2018年9月28日(金)Zepp DiverCity TOKYO
<出演者>
打首獄門同好会 / でんぱ組.inc
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リンク
- でんぱ組.inc 公式サイト
- コスモツアー 未知との遭遇 | でんぱ組.inc
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