6月30日に板垣瑞生、佐野勇斗、塩崎太智、吉田仁人とともにM!LKメンバーとして最後のステージに立った悠稀。この日の公演は7月31日をもって所属事務所を退所する彼にとって、自身のファンに姿を見せる最後のソロライブとして実施された。七夕当日とあり、会場に足を踏み入れるとステージ上の七夕飾りがファンを迎える。客席は悠稀のイメージカラーである“まっちゃみるく”色のペンライトを手にした悠稀ファンで埋め尽くされた。
開演時刻を迎えると悠稀はさっそうとステージに登場し、ソロ曲「恋愛実験サイエンス」でライブをスタートさせる。軽やかなダンスとともにこの歌を届けると2曲目には仁人とのユニット・ハルキ&ジント from M!LKのナンバー「だる恋。」を続けた。
ここで挨拶をした悠稀は「何しゃべればいいんだろう……」と少し照れ笑いを浮かべつつ「7月7日の七夕に、最後にみんなに会えるってすごいなと思うんです。自分はかわいいほうがいいので、自分が織姫、皆さんが彦星という体で(笑)、今日は行きたいなと思います」と言って観客の笑顔を誘う。そして、次の曲が「君とダンスナイト」であることを伝えると「1回しか披露していないソロ曲なんです。みんなも盛り上がり方がわからないと思うので……」と言って、合いの手のタイミングやかけ声をファンと練習。曲中には悠稀が手書きしたかけ声の“カンペ”がステージ奥の壁に投影され、彼はステージを端から端へと駆けて会場をひとつにしていった。
次に悠稀が用意したのは、ファンからのリクエストコーナー。事前にファンクラブのアンケートで募った「悠稀に歌ってほしい曲」から選んだカバー曲を披露するもので、まず初めに彼はJULEPS「旅立つ日~完全版」を情感たっぷりに力強く歌い上げた。抜群の歌唱力でファンを魅了すると、2曲目には「この曲も『歌ってほしい』って言ってくれる人の数が多くて、でも一昨日初めてAメロを聴いたくらいなので下(歌詞カード)を見る回数が多いかもしれないけど……」と前置きしたのち、米津玄師「Lemon」をタイトルコールする。意外な選曲に会場は色めき立ったが、悠稀は自信なさげな言葉とは裏腹に切なさに満ちた豊かな歌声を響かせ、観客は彼のパフォーマンスを息をのむように見つめていた。
プリンセスプリンセス「M」を最後に歌ってカバーコーナーを終えると、悠稀は一旦ステージ袖へ姿を消す。ここで舞台上には彼がEBiDANに入ってからM!LKのメンバーとなり、グループを卒業するまでの軌跡をまとめた映像が投影された。上映が終わり再びファンの前へ姿を見せた悠稀は「13歳くらいのときに(EBiDANに)入ったので顔つきも今とは全然違うし声も意外と変わってて……みんなと一緒に成長してきたんだなと思います」としみじみ語る。そして「感謝を込めて、今日はみんなに手紙を書いてきました」と切り出し、深夜に書いたという便せん6枚分の思いをファンへ伝えた。
「大好きなみんなへ」という呼びかけで始まる悠稀の手紙には、彼が2013年、13歳のときに事務所に入ってから今までに彼が感じた思いや周囲への感謝が丁寧につづられていた。「目立つことが怖くて、自分が好きじゃなかった」というEBiDANに加入したての悠稀が最初に変わるきっかけとなったのはEBiDAN研究生時代にチャレンジした「like a star」という楽曲のオーディションで、悠稀は「太智くんが『悠稀歌うまいから歌ってよ』と言ってくれました。今考えれば、太智くんのその何気ないひと言が、自分の人生をガラッと変えたんだなと思います」と振り返る。その後、練習を重ねてステージの上での自分の居場所を見出していった彼には「初めてたくさん傷付くこと」も待っていたが、ブログなどを通して届く応援の言葉が自身を支えたと明かし「『自分にはもったいないよ』って思うくらいの褒め言葉がたくさん届いて『夢かな』って思ったし、それから自分はブログを大切にするようになりました」と続けた。
明るい口調で手紙を読み上げていた悠稀の瞳に涙が滲んだのは、M!LKに対しての思いをファンに伝えたとき。彼は「M!LKになってからたくさん悩みました。自分がセンターにいることが多くて、自分の色が強いグループだからそれがずっと怖かったです。自分の印象のせいで4人やスタッフさんが嫌な言葉を浴びることになったらどうしようって怖かったです」と自身の抱えていた気持ちを明かし「だけど、そんなときに勇斗くんは『悠稀の歌がなかったらM!LKじゃないでしょう?』って言ってくれました。それが本当に自分の支えになって、うれしくて、自信を持てるようになりました。ファンのみんながかけてくれる言葉が自分のがんばる糧になっていました」と前を向く。そして「みんなはいつも『ありがとう』って言いに来てくれたけど、自分ももっともっとみんなに支えられていたんだよ。こんなに強くなれたのはみんなのおかげだよ」とこれまで自分を支え、鼓舞してきたファンの存在に改めて感謝した。
悠稀は止まらない涙をそのままに、M!LKのメンバーにも思いを伝える。「勇斗くん。どんなに大きくなっても、いつもM!LKのこと、自分のことを大切にしてくれてありがとう。仁人くん。いつも一番のライバルで一番の相談相手で、一番の友達でいてくれてありがとう。太智くん。悠稀にチャンスをくれて、いつも笑顔にしてくれて、本当にありがとう。瑞生くん。何も考えてないように見えてたけど、一番心配してくれたし、背中を押してくれるのも一番だったね。ありがとう」と4人にメッセージを送った彼は、最後に「そして僕のファンのみんな。たくさんいるアイドルの中から自分を見つけて、選んでくれて、本当にありがとう。たくさんの愛をありがとう。いなくなることを悲しんでくれてありがとう。生きる意味になってくれて、出会ってくれて本当にありがとう。悠稀は本当に幸せだったから、これからは自分のぶんの幸せもM!LKとM!LKファミリーに行きますように。何年後もあなたたちが笑えていますように。世界一幸せなアイドルでした! 大人になってもみんなのこと絶対忘れないよ」と、ファンへの思いで手紙を結んだ。
思い出の曲「like a star」を歌い上げ、ライブはラストナンバーへ。彼は「次が最後の曲です」と伝えると「でも、永遠の別れではないし、悠稀は不安になったときもみんなのことを思い出してがんばるので。最後は明るく終わりたいと思います。『行かないで』って気持ちもわかるけど、『行ってらっしゃい』って気持ちで観てください」とファンに呼びかけた。悠稀が最後に歌ったのは、彼の最初のソロ曲「ラブソングがうたえない」。この曲で悠稀は一面緑色のペンライトの光で埋め尽くされた客席へと飛び出し、ファンのすぐ近くで歌声を届ける。笑顔でファンに手を振った彼はステージに戻るとマイクを優しく舞台上に置き、「今日は本当に、ありがとうございました!」と大きな声で叫んで最後のステージに幕を下ろした。
山崎悠稀「山崎悠稀卒業ライブ ~大人になってもみんなのこと忘れたくないなぁ~」2018年7月7日 ヒューリックホール東京 セットリスト
01. 恋愛実験サイエンス
02. だる恋。 / ハルキ&ジント from M!LK
03. 君とダンスナイト
04. 旅立つ日~完全版 / JULEPS
05. Lemon / 米津玄師
06. M / プリンセス プリンセス
07. like a star
08. ラブソングがうたえない
※山崎悠稀、塩崎太智の崎はたつさきが正式表記。
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をんねん @won_nen
@milkypeko6v6 調べたらなんかすごい万感の思い…みたいな感じでグループ辞めてったぽいのに、満を持してゴム咥えてメンヘラ風味添えで地下転生してくるのつらすぎるね。
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