雑魚キャラ共かかってこい!SiM、野外3年目の「DEAD POP FESTiVAL」終幕

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SiM主催のライブイベント「DEAD POP FESTiVAL 2017」が7月1、2日に神奈川・東扇島東公園 特設会場にて開催された。

SiM

SiM

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「壁を壊す」をテーマに2010年にスタートした「DEAD POP FESTiVAL」。会場を野外に移して3年目の開催となった今年は、CAVE STAGE、CHAOS STAGEという2つのステージを舞台に総勢27組が熱演を繰り広げた。

7月1日

HEY-SMITH

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オープニングアクト・おい、そこの道あけろが、CHAOS STAGEで「安心しろ!『DEAD POP FESTiVAL』のステージに立つバンドだ、カッコいいに決まっとるやろ!」と前のめりなライブを見せ、SiMメンバーとプロレスラーの棚橋弘至が出演するオープニングムービーがオンエアされたのち、HEY-SMITHがCAVE STAGEに登場。彼らは「SiMからの気持ちを十二分に受け取って、十二分以上にやる!」と意気込み、軽快なスカパンクチューンでオーディエンスを踊らせていく。「Come back my dog」ではGODRi(Dr / SiM)がステージに登場し、Task-n(Dr)にちょっかいを出すなど、さっそく「DEAD POP FESTiVAL」らしいステージングでイベントの幕を開けた。CHAOS STAGEに登場した岡崎体育は“友人”であるパペットのてっくんと届ける「FRIENDS」で「バンドざまぁみろ!」という歌詞を「SiMざまぁみろ!」と替えたかと思えば、「感情のピクセル」では楽器を手に当て振りをするSHOW-HATE(G)、SIN(B)、GODRiというSiMメンバーを従えてパフォーマンスし、観客を沸かせた。SHANKは、ステージ袖で見守るSiMメンバーに向かってソロパートを演奏したり、庵原将平(Vo, B)が「熱いMCも用意してないけど、SiMへの愛は次の曲で」と言ったのちに「Set the fire」を丁寧に届けたりと、寡黙ながらもSiMへの愛情たっぷりのアクトを見せた。

PUFFY

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昼時には「DEAD POP FESTiVAL」初登場アーティストが続々登場。CHAOS STAGEに現れた四星球は、コミックバンドがフェスに呼ばれる理由は「事件を起こせるかどうか」と明言するなり、北島康雄(Vo)いわくYahoo!知恵袋で募集したというアドバイスをもとにした笑いに満ちたライブを実施する。CAVE STAGEに現れた初日公演の紅一点のPUFFYは大ヒット曲「アジアの純真」「愛のしるし」などで観客を盛り上げる一方で、主催者であるSiMのMAH(Vo)のリクエストだと言う「All Because Of You」をパフォーマンスする。吉村由美は「全然ウケないと思う」と口にしていたが、オーディエンスは2人が歌うメロディアスなロックチューンに酔いしれた。SUPER BEAVERはストレートなメッセージをパワフルなサウンドに乗せて届け、観客を熱狂させた。

氣志團

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氣志團は「みんなが思ってることを言わせてくれ!……HEY-SMITH、SHANK、ROTTENGRAFFTYがいてなんで氣志團? 2017年に『喧嘩上等』とか言われても感情移入できねえよ!」と自虐的に笑いを取い、“マキグソザキシダン”を名乗ると、マキシマム ザ ホルモン「恋のメガラバ」の歌詞を「One Night Carnival」のメロディに乗せるパフォーマンスで観客を驚かせる。「DEAD POP FESTiVAL」初登場のNAMBA69は「パンクロックが大好き!」と笑顔を見せ、「LOOK UP IN THE SKY」「PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT」といったパンクロックチューンを畳み掛けていった。「バンド主催のこんなフェスがずっと続きますように」とSiMへメッセージを送ったROTTENGRAFFTYは「D.A.N.C.E.」で全員を座らせてから一斉にジャンプを煽り、「THIS WORLD」ではNOBUYA(Vo)がフロアへ進むなど、オーディエンスを巻き込むアクトで場内を盛り上げ続けた。

山嵐

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CHAOS STAGEのbachoは北畑欽也(Vo, G)の体を振り絞るような歌声と、骨太なバンドサウンドで目の前の観客を惹き付けていく。Masato(Vo)の「DEAD POP!」という咆哮でライブの幕開けを飾ったcoldrainは攻撃的かつ激しいラウドチューンを空気を震わせるほどの轟音で奏で、フィールドを圧倒。SiMに出会った年である2008年に発表した曲「Fiction」もセットリストに織り交ぜ、オーディエンスを盛り上げた。初日のCHAOS STAGEトリを飾った山嵐は貫録に満ちたステージを披露。ラストナンバーの「BOXER'S ROAD」ではROTTENGRAFFTYのN∀OKI(Vo)とNOBUYAも加わってのパフォーマンスが展開され、ステージ名の通りカオスな空間がステージ一帯に広がった。

SiM

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いよいよCAVE STAGEに主役、SiMが登場。MAHは「楽しんでますかー?」とオーディエンスに問いかけるも「甘ーい!」と一蹴。「誰がなんと言おうとここからが本番でしょうが!」と言い放ち、バンドは「paint sky blue」や「in the rain」といった初期曲を連投する。MCではMAHが「音楽はたかが娯楽かもしれないけど、ロックは違う。ロックは命です」と持論を熱弁。また「みんなには夢ってありますか?」と語り始め「みんなが今立っているところが俺の夢です。みんなの夢が叶うといいなと思います」と続けると、音楽をやっているのがつらかったという時期に書いた「Rum」をエモーショナルに歌い上げた。アンコールでは「もしSiMがクソダサかったらこんなフェスできなかったと思う。キャッチーさとヘヴィネスのバランスがよくてよかったなー!」と満足げに言い、「KiLLiNG ME」をプレイ。さらに「仲間が死ぬほどカッコいいと思いました」と言ってcoldrainのMasatoを呼び込むと、コラボで「f.a.i.t.h」を届けて初日の幕を下ろした。

7月2日

The BONEZ

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2日目のオープニングアクトを務めたPRAISEは、重厚なミクスチャーサウンドで来場者を歓迎。Yuta Kobayashi(Vo)は「SEEDS OF HOPE」リリース時期からSiMのライブを鑑賞していたことを話題にし、「DEAD POP FESTiVAL」出演の喜びをライブパフォーマンスに表した。CAVE STAGE一番手のThe BONEZは開放感あふれる「To a person that may save someone」で、東扇島東公園の朝をさわやかに演出。途中JESSE(Vo, G)がフロア最前の柵に立つと、数多くのオーディエンスが彼の元に集まり、熱いコール&レスポンスが展開された。今回初出演の夜の本気ダンスは、「WHERE?」をはじめとする縦ノリナンバーでオーディエンスを引き込んでいく。鈴鹿秋斗(Dr)はSiMへのリスペクトを示すため、右腕に“しむ”、 左腕に”おしむ”とマジックで描いてきたことを明かし、会場の笑いを誘った。続くTHE ORAL CIGARETTESはバラエティ豊かな曲調と、目まぐるしく変わる曲展開でフロアを圧倒した。MCでは山中拓也(Vo, G)がSiMと1つ下の世代のバンドとして、よりシーンを引っぱっていきたいことを告白。ステージ横ではMAH(SiM)や、ライブを観に来ていたGEN(04 Limited Sazabys)が、彼の話に耳を傾け微笑む様子を見せていた。

キュウソネコカミ

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GOOD4NOTHINGは「oh na na na」と、SiMの「Blah Blah Blah」のフレーズを口ずさみながら登場。軽快なパンクロックチューンで駆け抜けた。キュウソネコカミはリハーサルでSiMの「MAKE ME DEAD!」をカバー。ヤマサキセイヤ(Vo, G)がMAHのコスプレ姿を披露すると、MAHが「お前、線が細すぎんの!」と怒りつつも笑う。本番では「DQNなりたい、40代で死にたい」の際に、彼らのライブでの必需品“筋斗雲”の板の裏面を“SIMカード”に替えるというこの日ならでは粋な演出で盛り上げた。「『DEAD POP FES』は先の先の先まで血が通ったイベントだと思う」と絶賛したSTOMPIN' BIRDは、メンバーが次々とフロアへ進み、さながらライブハウスなステージングを展開した。

左からLiSA、MAH(SiM)。

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軽快な足取りでステージに上がったLiSAは「Empty MERMAiD」「Rising Hope」といったナンバーを力強く歌唱。「L.Miranic」では同楽曲の作曲を手がけたMAHも登場し、中央に用意された台の上でLiSAと向き合いつつ、息ぴったりのコラボを繰り広げた。唯一ヴィジュアル系アーティストの出演者であるMUCCは「蘭鋳」「絶体絶命」で、会場を荘厳な雰囲気に変えていく。逹瑯(Vo)が全身全霊のシャウトを見せた「TONIGHT」ではモッシュピットの動きも激しさを増した。「DEAD POP FESTiVAL」最多出演となるCrossfaithは、貫禄あふれる趣きで舞台に登場。「Jagerbomb」ではステージ前に設置されたPAテントを中心に、特大サークルモッシュが形成される状況となった。MCではKoie(Vo)が「1年に1回、愛する仲間と答え合わせする場所……そして俺たちがまた帰って来れる場所です。この先もずっと、輝かせていきたいと思ってます」とコメントし、「DEAD POP FESTiVAL」に対するリスペクトを強く示した。

My Hair is Bad

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「魔界の扉、こじ開けに来ました。みんな危ない音楽好きでしょ?」と自己紹介したDUB 4 REASONは、ダビーなサウンドでオーディエンスの体を揺らす。マキシマム ザ ホルモンは1曲目に「恋のメガラバ」をドロップして、さっそく観客を踊らせる。MCではナヲ(ドラムと女声と姉)が今回が「DEAD POP FESTiVAL」初出演となることに言及し「新人のつもりでフレッシュに……。緊張してますが、ガッツリやっていいですか」と意気込むと「シミ」「恋のスペルマ」といった楽曲でさらに場内を盛り上げていった。この日のCHAOS STAGEのトリを飾ったMy Hair is Badの椎木知仁(G, Vo)は「全員ドキドキさせてやる」「SiM見てんのかよ!」と観客やSiMへ噛み付いていく。3人の演奏は熱を帯びていき、椎木はさらに「SiMと出会ったのが高3、そして今夜……SiMをぶん殴りに来ました」とSiMとの出会いを振り返りながら、言葉を重ねていった。最後、椎木は「さんざん言っといてあれだけどSiM、尊敬してます」と尊敬の念を露わにし、ラストナンバー「夏が過ぎてく」の演奏後には「SiMのもとに走れ!」と観客をCAVE STAGEへ送り出した。

SiMとKoie(Crossfaith)のコラボの様子。

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「DEAD POP FESTiVAL 2017」の様子。

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SiMは、最初にMAHが「『DEAD POP FESTiVAL 2017』主催者、大トリ、SiMです」と挨拶。続けて「総勢26バンドが集まってくれました。でも本当の主役は集まってくれたお前ら……ではありません! 雑魚キャラ共かかってこい!」と焚き付け、「KiLLiNG ME」でライブの口火を切った。MAHが「自分たちのフェスくらいはいろんな曲をやろうと思う」と説明し、バンドはHEY-SMITHのホーン隊とコラボで「GUNSHOTS」を届けたのち、前日同様、初期曲を多く取り入れたセットリストを展開してファンを喜ばせていく。終盤、MAHは「俺の人生は決して美しいものではなかったです」と自身のこれまでを回想。「でもその人生がこの景色を作ってくれたので、薄汚れた人生を誇りに思ってるし、生まれ変わってもまた俺に生まれたいなと思いました」と語り、バンドは「Life is Beautiful」を情感たっぷりに届けた。アンコールではMAHが「覚えとけ、俺たちが神奈川、善行Z出身、SiMだ!」と咆哮。そしてバンドはCrossfaithのKoieを迎え入れると「f.a.i.t.h」をドロップする。フロアにウォールオブデスを発生させ、無事終演かと思いきや、Koieが「こんなんじゃ終われません」ときっぱり。「自分の喉をここに捧げに来ました」と並々ならぬ意気込みを口にし、彼らは「f.a.i.t.h」を再プレイすることに。するとcoldrainのMasatoもステージ袖から登場し、豪華なコラボで場内は大団円。大盛り上がりのうちに、2日間にわたって行われた「DEAD POP FESTiVAL 2017」を締めくくった。

※Crossfaithの曲名「Jagerbomb」のaはウムラウトマーク付きが正式表記。

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