2日間で39組の猛者が集結、4年目「SATANIC CARNIVAL」終宴

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PIZZA OF DEATH RECORDS主催のライブイベント「SATANIC CARNIVAL'17」が6月17、18日に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールにて開催された。

「SATANIC CARNIVAL'17」の様子。(撮影:上山陽介)

「SATANIC CARNIVAL'17」の様子。(撮影:上山陽介)

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「SATANIC CARNIVAL'17」の様子。(写真提供:PIZZA OF DEATH RECORDS)

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4度目の開催で、初めて2日間に拡大された今年の「SATANIC CARNIVAL」。総勢39組のアーティストがSATAN STAGE、EVIL STAGEという2つのステージを舞台に熱演を繰り広げた。また場内にはアパレルブースや「NBC作戦」のブースなど、パンクシーンと関わりの深い団体の出店も。さらに1日目は高円寺華純連による阿波踊り、2日目はにゃんごすたーによるドラムプレイなどが披露される時間帯もあり、来場者はライブ以外でもイベントを楽しんでいた。

6月17日

SHANK(撮影:岸田哲平)

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この日のSATAN STAGEのトップを飾ったSHANKは「Set the fire」「Cigar Store」といったメロディアスなナンバーを連投して一気に場内の温度を引き上げる。MCでは庵原将平(Vo, B)が「去年キンタマを出したから今年は出れないと思ったのに、まさかのメインステージ!」とSATAN STAGEへの出演を喜び、「PIZZA OF DEATH RECORDSはやっぱりクレイジーだなと思います」と主催のPIZZA OF DEATHへの愛情を伝えた。

「STAY REAL」を皮切りに激しいナンバーを畳み掛けたのは、2年ぶりに「SATANIC CARNIVAL」に出演したROTTENGRAFFTY。NOBUYA(Vo)は「2年ぶりにお前らのこと踏みに行くからさ、しっかり支えてくれよ!!」と「THIS WORLD」でオーディエンスに支えられながら立ち、熱い歌声を響かせた。dustboxは序盤から突き抜けるようなサウンドで観客のテンションを引き上げる。彼らはリラックスした雰囲気でたわいもない会話を繰り広げつつも、SUGA(Vo, G)の「今年の『SATANIC CARNIVAL』が一番ハンパじゃないってとこ見せてくれ!」という言葉から「Hurdle Race」を熱演。オーディエンスはさらに熱狂した様子でモッシュやクラウドサーフを起こしていた。

Ken Yokoyama(撮影:岸田哲平)

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「お前らの記憶に残るライブだけをしにきました」と意気込んだcoldrainは「The Revelation」でライブをスタートさせると、ダイナミックなプレイでオーディエンスを魅了していく。「No Escape」ではMasatoがフロアへ進み、オーディエンスに支えられるように歌唱し、ファンはジャンプを繰り返した。最後にMasatoが「また来年も出ていいですか?」とファンに問いかけると、フロアからは賛同の歓声が上がった。Ken Yokoyamaは横山健(Vo, G)の「いい雰囲気だよ。この雰囲気が本物か見せてくれ」との挑発から「Punk Rock Dream」をドロップ。さっそく場内にはクラウドサーファーが続出した。MCでは自身が「SATANIC CARNIVAL」のブッキングなどには関わっていないことを丁寧に説明した上で「何の権限もないし、何の役にも立っていないけど、ここまでうるさいバンドが集まってるフェスってそうそうないと思う」とイベントへの賛美の言葉を送った。

マキシマム ザ ホルモン(撮影:浜野カズシ)

マキシマム ザ ホルモン(撮影:浜野カズシ)[拡大]

SATAN STAGEの後半戦はマキシマム ザ ホルモンから。ナヲ(ドラムと女声と姉)の“妊活”に伴い、2015年5月からバンドのライブ活動を封印していた彼らは、2年ぶりに「SATANIC CARNIVAL」に登場。「握れっっっっっっっっ!!」「maximum the hormone」と人気曲が次々とドロップされ、集まったオーディエンスは序盤から熱狂する。MCではナヲが「この景色……待ってたー!!」と声を上げ、封印後初のフェス出演ということで、ステージ袖でライブを見守るバンドマンの多さに感激し「こんなに友達いたっけ」と冗談交じりに喜びを述べた。軽妙なトークとは裏腹に、バンドはグルーヴィーな演奏で会場の熱気を引き上げていった。

10-FEET(撮影:中河原理英)

10-FEET(撮影:中河原理英)[拡大]

10-FEETはライブ定番曲「VIBES BY VIBES」や新曲「火とリズム」、TAKUMA(Vo, G)が「昔の楽曲」と紹介した「FELLOWS1.5」などさまざまなナンバーでファンを盛り上げる。また近年「SATANIC CARNIVAL」では特殊効果を使った演出で観客を楽しませている彼ら。今年はKOUICHI(Dr, Cho)のもとに、特効用の3つのスイッチが用意された。しかし彼はMC中に早くもハズレのスイッチ、CO2のスイッチを押してしまう。残る1つが“爆発”のスイッチだと知ったTAKUMAは「曲のいい感じのところで使って」とKOUICHIに操作を託し、「RIVER」の大サビで彼のほうをチラリと見るも爆発は起こらない。「日常じゃない、非日常にしたくて、ここにやって来ました! お前らが最高だって証明しに来ました!」というTAKUMAの宣言から、ラストナンバーとして披露されたのは「goes on」。3人の熱いサウンドに合わせてオーディエンスはジャンプを繰り返し、ライブはフィニッシュを迎えた。メンバーがステージをはけ始めると、KOUICHIはおもむろに残り1つのスイッチをプッシュ。観客が驚くほど大きな爆発音と共にステージに火花が吹き出ていた。

SiM(撮影:本田裕二)

SiM(撮影:本田裕二)[拡大]

初めてこのイベントのトリを務めたSiMのライブ前には、メンバーがPIZZA OF DEATHに対して悪態をつく映像がスクリーンに流れ、客席から笑いが起こる。最後にMAH(Vo)は「“悪魔の宴”が一番似合うバンドが他事務所にいて残念でしたー! 地獄を見せてやるよ!!」と意気込んだ。彼らはステージに炎が上がる中、1曲目「PANDORA」からフルスロットルのパフォーマンスを見せる。MAHの煽りによって「T×H×C」では場内に大きなサークルが発生し、「Set me free」ではオーディエンスがスカダンス。ラストナンバー「KiLLiNG ME」まで、観客はSiMの多様なナンバーを全身で堪能した。アンコールでMAHは「バンドを始めるきっかけになったのは間違いなくHi-STANDARDです。あの日ハイスタを初めて聴いてから今日まで20年が経ちました。このステージでトリを任されるなんて……こんなに報われるなら、20年なんてどーってことないですよ」と自らのバンド人生をしみじみと振り返り、「悪魔っぽく終わろうと思ったんですけど、最後に気持ちがあふれちゃいました。来年は“フル悪魔”で行くんでまた呼んでください!」と来年の抱負を語った。この日最後の楽曲「f.a.i.t.h」ではMasato(coldrain)がステージに登場し、MAHと向かい合って強力なデスボイスを繰り広げてオーディエンスを圧倒した。

Crystal Lake(撮影:上山陽介)

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この日のEVIL STAGEにはHER NAME IN BLOOD四星球NAMBA69The BONEZら12組が登場。昨年に引き続き2度目の「SATANIC CARNIVAL」出演となったDizzy Sunfistのあやぺた(Vo, G)は「去年はマグレだったかもしれないけど、今年はちゃんと認められたんやと思う」と噛み締め、「うちらの武器は女じゃない、ライブだっていうところを見せつけてやる!」と意気込んで「Shooting Star」「The Dream Is Not Dead」といったメロディアスなナンバーを連投してEVIL STAGEのオーディエンスを沸かせていた。EVIL STAGEのトリを務めたのはCrystal Lake。彼らのステージは「Matrix」でIkepy(HER NAME IN BLOOD)が、「Black And Blue」でJESSE(RIZE、The BONEZ)が登場するなど、コラボレーション祭りに。タイトな轟音を響かせて、会場をライブハウスのようなムードにしていく。最後にはRyo(Vo)が「俺らは来年のSATANIC CARNIVALでここにいる全員をメインステージに連れていきます」と宣言し、大歓声に包まれる中、EVIL STAGEのアクトを締めくくった。

6月18日

04 Limited Sazabys(撮影:本田裕二)

04 Limited Sazabys(撮影:本田裕二)[拡大]

この日のSATAN STAGEのトップバッターを務めたのは、初年度の「SATANIC CARNIVAL」でEVIL STAGEのオープニングアクトを務め、以降3年連続で出演し、今年初めてSATAN STAGEへとたどり着いた04 Limited Sazabys。GEN(B, Vo)は「ついにこっちのステージにやってきました! うれしいたのしい大好き!」と喜びを爆発させ、「midnight cruising」の間奏ではRYU-TA(G, Cho)が「世代交代の時期が来たぞー!」と叫ぶ。エネルギッシュなステージングを見せたのち、最後にGENが「このフェスは俺たちの人生を変えてくれたヒーローです!」と改めてイベントへの思いを語り、ステージをあとにした。

「今日一番ヘビーなバンドだと自負している」というCrossfaithは「お前ら全員ぶっ壊しにきました」と勇んで、言葉通りヘビーなサウンドを場内に轟かせる。「Wildfire」ではJESSE(RIZE、The BONEZ)が乱入し、Crossfaithメンバーとファンを喜ばせたほか、「Revolution」では全員を座らせてから一気にジャンプさせてさらに熱狂を生み出した。続くRIZEは昨年10月に配信された「ONE SHOT」に新曲をつなげるセットリストで、バンドの最新モードを見せつける。MCでJESSEが現在の日本のさまざまな問題に言及し「なんだかんだ言ってもやっぱRIZE IS BACK」と歌い始めて後半戦へ。「カミナリ」ではファンの1人をステージに上げ、逆にJESSEがフロアへ降りてオーディエンスの熱狂を煽った。

KEMURI(撮影:瀧本 JON... 行秀)

KEMURI(撮影:瀧本 JON... 行秀)[拡大]

歯切れよい2ビートナンバー「THUMBS UP!」でライブをスタートさせたのはKEMURI。彼らはリズムを効かせた「GO! GO! GO! GO! GLOW!」、ホーン隊が柔らかなサウンドを響かせた「DIAMOND」などで心地のよい雰囲気を生み出していった。「Ato-Ichinen」演奏後には伊藤ふみお(Vo)が「1997年に作ったこの曲を、20年後の今も演奏するとは思いませんでした。また20年後も、サタニックで会いましょう!」と宣言し、最後は「白いばら」で出番を終えた。踊りながらゆっくりステージに登場したMONGOL800は「こんにちは、BEGINです」と上江洌清作(Vo)による冗談まじりのMCを挟みつつ、浮遊感あふれる「OKINAWA CALLING」、儀間崇(G)のカッティングギターが印象的な「宝物」など、バラエティ豊かなセットリストを展開。「疲れてない? ゆっくりいこう!」と上江洌が催促しつつも、「小さな恋のうた」ではオーディエンスが一気にボルテージを上げ、盛んにモッシュを行う状況となった。

HEY-SMITH(撮影:瀧本 JON... 行秀)

HEY-SMITH(撮影:瀧本 JON... 行秀)[拡大]

HEY-SMITHは終始力強いスカナンバーでSATAN STAGE後半戦の幕を開ける。合間には猪狩秀平(G, Vo)が「俺のパンクとお前のパンク……どっちがカッコいいか勝負だ!」「お前らそれでもパンクスかー!」とアジテートし、オーディエンスを鼓舞した。彼の「今日、パンクのお祭りだから新曲やっちゃおうかな」というアナウンスで初披露された「Let It Punk」、バンド史上最悪なメッセージが込められたという説明ののち、さまざまな動物たちが交尾する映像をバックに演奏した「like A Jentleman」など、ライブは息付く間もなく進行。後半では猪狩とYUJI(B, Vo)の美しいコーラスワークが特徴的な「Summer Breeze」を盛り込みつつ、ラストナンバー「Come back my dog」の演奏を終えると、メンバーは肩を組みながらラインダンスを行い、ご機嫌な様子でステージをあとにした。

Fear, and Loathing in Las Vegas(撮影:岸田哲平)

Fear, and Loathing in Las Vegas(撮影:岸田哲平)[拡大]

Fear, and Loathing in Las Vegasは登場するなり「Acceleration」「Jump Around」を連投。「半端ないメンツに入れてもらって……」と恐縮しつつも、次々と展開の変わるパーティチューンで続々と集まってくるオーディエンスを踊らせていく。最新曲「SHINE」ではフロア上方に設置された大きなミラーボールが場内を彩り、サビではオーディエンスによる盛大なシンガロングが発生。続く「Party Boys」ではファンは手を左右に振ったり、ヘッドバンギングを繰り返したりと身体いっぱいにバンドの音楽を堪能する。So(Vo)が伸びやかに歌い上げた「Let Me Hear」を挟み、バンドはさらに「Virtue and Vice」「Love at First Sight」とパーティチューンをプレイして、最後までオーディエンスを踊らせていった。

G-FREAK FACTORY(撮影:中河原理英)

G-FREAK FACTORY(撮影:中河原理英)[拡大]

この日のEVIL STAGEにはSHADOWSジャパハリネットSLANGHAWAIIAN6ら11組が登場した。少年隊「仮面舞踏会」をバックに登場したGARLICBOYSは「電撃セラピー」「YOKOZUNA」といった重厚な楽曲を次々とプレイ。Peta(Vo)は「ウンコーーー!」「デスメタルやで! 地獄に落とすぞ!」といった物々しい発言を交えたMCを行いつつ、「あんた飛ばしすぎ」では「ちょっと、あんた、飛ばしすぎ!!」のパワフルなコール&レスポンスでオーディエンスのテンションを引き上げて行った。このステージのトリを務めたのはG-FREAK FACTORY。茂木洋晃(Vo)が「EVIL STAGEのトリ……しっかりと取らせていただきます」と宣言し、観客のみならず警備員も巻き込んでの腕上げ&コールを催促した。さらに茂木は「Too oLD To KNoW」の途中でステージから降り、フロア中央で「俺に負けねえコールをくれよ!!」「二度と同じライブなんてできねえし……こちとらやるつもりもねえ!」とエモーショナルに咆哮。そして「ダディ・ダーリン」「EVEN」でフロアを温かな雰囲気で包み込み、EVIL STAGEのラストを堂々と締めくくった。

WANIMA(撮影:瀧本 JON... 行秀)

WANIMA(撮影:瀧本 JON... 行秀)[拡大]

「SATANIC CARNIVAL'17」の様子。(撮影:岸田哲平)

「SATANIC CARNIVAL'17」の様子。(撮影:岸田哲平)[拡大]

STAN STAGEのトリを飾ったWANIMAは、KENTA(Vo, B)による「最後の最後までお疲れさーん! 最終日のトリ、開催します!」との挨拶からダンスチューン「オドルヨル」を投下。続いてしっとりと「1106」を歌い上げ、緩急つけたセットリストでオーディエンスを引きつけていく。MCではKENTA(Vo, B)が「PIZZA OF DEATH RECORDSのことはよくわかってます」「ピザのイベントだからテンションあがるなー!」と所属バンドらしいコメントを残した。その後も「いいから」「CHARM」といった人気曲を間髪入れずに届けていく彼ら。メンバーはカメラに向かっておどけたかと思えば、天井を指差してエモーショナルな表情を見せるなど、表情をくるくると変えていく。最後にKENTAが「気持ちよかですねー」とうれしそうに声をあげると「これからもPIZZA OF DEATH RECORDSと『SATANIC CARNIVAL』と今日出たバンドをよろしくお願いします」とメッセージを送り、力強く「ともに」を届けた。アンコールではファンがひときわ大きなシンガロングを聴かせた「THANX」ののち、彼らがPIZZA OF DEATH RECORDSから初めてリリースした作品「Can Not Behaved!!」の1曲目「Hey Lady」をプレイ。銀テープが発射され、大団円のうちに2日間にわたった「SATANIC CARNIVAL'17」は幕を下ろした。

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