お前ら最高じゃん!シド、マニアックな選曲に沸いた武道館初日

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シドが5月12、13日の東京・日本武道館にて単独公演を実施。この記事では「夜更けと雨と」と銘打たれた初日公演の模様をレポートする。

シド「夜更けと雨と」の様子。

シド「夜更けと雨と」の様子。

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マオ(Vo)

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約1年7カ月ぶりの単独公演ということもあり、場内は開演前から高揚した空気で充満。雨をフィーチャーした幻想的な映像が巨大なビジョンに映し出される中、黒を基調とした衣装に身を包んだ4人がせり上がりながら現れるとどよめきにも似た歓声が沸いた。そして、Shinji(G)が憂いのある旋律をつま弾き、1曲目の「紫陽花」が始まる。紫陽花の映像を背にマオ(Vo)は、切なく繊細な歌声を響かせ会場の空気を変えていく。続いてのナンバーは「林檎飴」。イントロが鳴った瞬間にうれしそうな声が起き、曲の展開と共に場内の熱気は一気にヒートアップした。

Shinji(G)

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「罠」を歌い終えると、マオは「お待たせしました! こんばんはシドです。待ってた? お待たせしたね。でも、俺らも待ってたからね」と口にする。続けて「皆さん、期待しているかはわかりませんが、かなりマニアックな曲もあるので」とファンの期待を煽り「アリバイ」を投下した。マオが歌い出した瞬間に銀テープが発射され、同時にスクリーンには4人の姿が映し出される。それぞれの顔には笑みがこぼれ、ライブを楽しんでいることをうかがわせた。また曲の途中でマオが明希(B)の肩を抱き、ファンを興奮させる場面も。「もっともっとちょうだい!」とマオは歓声をオーディエンスに求め、歓声が大きくなったのを見計らうと「妄想日記」になだれ込む。狂気をにじませた声と艶のあるバンドサウンドがオーディエンスを煽り、曲が終わると同時にマオが「2もいこうか?」と叫ぶと武道館中に悲鳴のような歓声が響いた。

明希(B)

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「妄想日記」と「妄想日記2」を2曲連続でプレイするという、サービス精神旺盛なパフォーマンスを終えたマオは「シド楽しいね。いやあシドいいわ。シド好きだなあ」とつぶやく。ゆうや(Dr)は「『妄想日記』と『妄想日記2』までの間に、『2もいくぞ!』って(マオが言ってて)感動した。リハでは言ってくれなかったじゃん!」とマオとファンの笑いを誘い、「すごいワクワクしてた。お客さんの顔を見た瞬間すごく安心したし、俺らの場所を作ってくれてありがとうって思いました」と目の前のファンに感謝する。明希は「今日は鷲づかみにしていくから」と熱演を誓い、Shinjiは「今日はホント、楽しませてもらいますよ」とうれしそうに語った。

ゆうや(Dr)

ゆうや(Dr)[拡大]

序盤から意表を突く選曲でオーディエンスを盛り上げていた4人だが、中盤のブロックではさらにマニアックなナンバーを連発して驚かせる。明希のグルーヴィで弾むようなベースが印象的な「レイニーデイ」、マオの少しハスキーな歌声がジャジーな雰囲気の曲調とマッチする「暖炉」、艶やかな花びらが舞う映像をバックに演奏された「ハナビラ」と続き、同ブロックの最後にはライブ初披露となる「夢心地」を届けた。ステージに置かれた2つのミラーボールが光を放ち、ドラマチックなサウンドを彩る。マオは艶のある声で、タイトル通りオーディエンスを夢心地にさせた。

バラードナンバーが続いたあとは、シドの攻撃的な一面に焦点を当てた後半戦へ。最新曲「バタフライエフェクト」ではヘビーでダークな空気を紡ぎ、「ENAMEL」ではハイボルテージなサウンドで会場を揺らす。ゆうやはスピーディかつ手数の多いドラミングを炸裂させ、フロントの3人のパフォーマンスを後押ししていく。マオが挑発するように目を見開き熱唱した「dummy」を経て、「吉開学17歳(無職)」が始まるや否やオーディエンスは狂喜乱舞。4人は豪快なプレイを繰り広げ、鮮烈なインパクトを残してステージを去った。

マオ(Vo)

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「硝子の瞳」からしっとりと始まったアンコールだが、マオの「こっから全部激しいですよ」の宣言通り、再びアグレッシブなナンバーが続く流れに。「循環」「プロポーズ」「隣人」と懐かしいナンバーを今のシドのサウンドで再現し、オーディエンスを圧倒していく。マオは「ラストいけるか? 1年7カ月分ちょうだい!」と再び歓声を求め「眩暈」につなげた。火炎が豪快に飛び交う演出と共に、4人は鬼気迫るようなパフォーマンスを展開し、クライマックスでShinji、明希、ゆうやの奏でる音と、マオのシャウトが轟いた。

全19曲を届け終えた4人は互いの熱演を讃えながら、ステージの花道に足を向けファンに挨拶。マオは「お前ら最高じゃん!」と笑顔を弾けさせ、「みんながぐいぐい引っ張ってくれたから、最初からぶっ飛ばせました。ありがとう」とお礼の気持ちを伝える。さらに「シドの活動、ぶっ倒れるまで続けていくので、ずっと応援してください」と告げると、これまでのライブ同様、マイクを通さず「愛してます!」と叫び、新曲やマニアックな曲を織り交ぜた武道館公演の初日を締めくくった。

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シド「夜更けと雨と」2017年5月12日 日本武道館 セットリスト

01. 紫陽花
02. 林檎飴
03. 罠
04. アリバイ
05. 妄想日記
06. 妄想日記2
07. レイニーデイ
08. 暖炉
09. ハナビラ
10. 夢心地
11. バタフライエフェクト
12. ENAMEL
13. dummy
14. 吉開学17歳(無職)
<アンコール>
15. 硝子の瞳
16. 循環
17. プロポーズ
18. 隣人
19. 眩暈

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撮影:今元秀明、MASANORI FUJIKAWA

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七海わかめ🔰 @Karipi_Nanamin

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