「列伝ツアー」から1年、雨のパレードが赤坂BLITZで観客と深いところへ

雨のパレードが4月14日に東京・赤坂BLITZでワンマンライブツアー「Change your pops」の最終公演を開催した。

バンド史上最大規模のワンマンライブツアーとなった「Change your pops」。雨のパレードはツアータイトルと同名の最新アルバムを携えて全国7カ所を周り、この日、約1年前に出演したスペースシャワーTV主催のライブイベントツアー「スペースシャワー列伝15周年記念公演 JAPAN TOUR 2016 supported by uP!!!」の最終公演と同じ会場である赤坂BLITZに単独でたどり着いた。

静かにステージに現れたメンバーは、後ろから一灯のライトが照らす中セッションを開始。演奏と光の動きが次第に激しくなり、観客の目を釘付けにしたところで「stage」へとつなげる。ダンサブルな「Count me out」では福永浩平（Vo）がステージを動き回り、イキイキとした表情で歌っていく。大澤実音穂（Dr）のカウントから「Hey Boy,」になだれ込むと、山崎康介（G）による雄大なギターソロが響き渡った。

ひと息ついた福永は、「東京！ 行き着いちゃったよ。ツアーファイナル来てくれてありがとう。即完だぜ！ ホンットにみんな愛してる」と笑顔を見せ、「列伝ツアーのファイナルが赤坂BLITZでした。ちょうど1年後、今日僕たちがワンマンでここに立ててるのはみんなのおかげです。エモいよね」としみじみと述べる。ゆったりとしたライブアレンジで届けられた「epoch」では、是永亮祐（B）がメロディアスなベースラインを奏でて観客を魅了。さらにこの曲以外にも、およそ1年前にリリースされたメジャーデビューアルバム「New generation」から数曲が新たなアレンジで演奏され、ファンを喜ばせた。

福永は「せっかくのワンマンなんで、僕ら雨のパレードの深いところまで、一緒に行こうと思ってます」と呼びかけると、自身の声だけで構成されたインタールード「speech」を、マイクに声を通してその場で披露。さらに彼らは、山崎の優しいピアノの音色に福永が声を重ねた「breaking dawn」、大澤がドラムを離れ、ドラムマシンを操作してビートを刻んだ「feel」など多様なナンバーでオーディエンスを引き付ける。

「僕ら別にフォロワーとか動画の再生回数を増やすためにバンドをやってるわけじゃなくて。みんなに会うためにバンドをやってるんです」と言い切った福永は、秋にワンマンライブツアーを開催することを発表してファンを喜ばせる。そして「大切な曲」という紹介から、ラストに「You」を情感たっぷりにじっくりと歌い上げた。アンコールで4人は、福永が「日本中のお兄ちゃんになったつもりで書いた」という「Take my hand」を温かなアンサンブルで披露。そしてライブではひさしぶりの演奏となった「Petrichor」では、語るように歌う福永の声とメンバーのコーラスワークが幻想的に響いていた。

なお雨のパレードは秋のツアーで、9月9日の宮城・darwinから9月28日の北海道・Sound Lab moleまで全7公演を実施。東京公演は福永が好きな場所だという新木場STUDIO COASTにて9月24日に行われる。バンドのオフィシャルサイトでは、4月23日までチケットの先行予約を受付中。