結成20年、HOME MADE 家族休止前ラストツアーで“一生の誓い”

2016年をもって無期限活動休止に入るHOME MADE 家族が、休止前最後のツアー「HOME MADE 家族 THE LAST LIVE ～家族のみんなに心からサンキュー!!～」を本日12月29日に大阪・Zepp Nambaにて完遂した。この記事では27日にZepp DiverCity TOKYOで行った東京公演の模様をレポートする。

ライブのオープニングアクトを務めたのは、HMKUとメジャーデビュー前から交流の深い同郷のシーモネーター。「SEAMOのマブダチ、HOME MADE 家族の大先輩」を自称する彼は、金色に輝く天狗のお面を股間に付けた“正装”で登場し、「今日は湿っぽくなっちゃいけないんだよ。だから俺が呼ばれたんだ！」とハイテンションなパフォーマンスで場内を温める。観客の女性たちに「Oh! 万華鏡」を連呼させる「万華鏡」や、RADIO FISH「PERFECT HUMAN」の替え歌を繰り出し、フロアにまず笑いの渦を作っていった。

HMKUのライブは、ファン投票によるベストアルバム「LAST FOREVER BEST ～未来へとつなぐFAMILY SELECTION～」の収録曲を中心としたセットリスト。グループの軌跡を振り返るオープニング映像を経てステージの幕が落ちると、大きな「H」「M」「K」「U」の文字型パネルを置いたセットが目に飛び込んでくる。メンバーは「JOYRIDE」「少年ハート」「We Are Family」といったメジャー初期の楽曲をつなげながら「ラストライブ！ 楽しんでいこうよ。みんな一緒に歌ってくれ！ 家族だろ!?」と呼びかけ、ファンも息の合った身振り手振りでそれに応えていた。

続いて「ぬくもり」「君がくれたもの」「流れ星 ～Shooting Star～」と、ミドルテンポやスローな楽曲もMICROのソウルフルな歌声とKUROの安定した低音ボーカルでじっくり聴かせる。中盤は盟友SEAMOが参加して、ファンキーなフィーチャリング曲2曲「N.A.M.A.」「fantastic 3」でも沸かせた。「『寂しい』を『楽しい』に変えたい」という3人は、集大成のステージながらマイペースに和やかなムードでライブを進めていく。

代表曲の1つ「サルビアのつぼみ」や2004～6年発表のシングル曲「ON THE RUN」「EVERYBODY NEEDS MUSIC」「アイコトバ」などを経て終盤に差しかかると、MICROが活動休止についてファンに説明する。「言っておきたいのは、解散じゃないです。HOME MADE 家族っていうのは本当の家族と同じように、やったり辞めたりするもんじゃない、一生をかけてやっていこうと思ってます。でも20年一緒にいて1人で音楽やったこともないから、これから先ずっとやっていくなら、まだ若いうちにそれぞれの力を付けたほうがいいと思って休止という形を取らせてもらいました。今日は終わりじゃなくて始まりの一歩だと思ってる。KURO、MICRO、U-ICHI、そしてHOME MADE 家族をこれからもよろしくお願いします！」と真意を話したMICROは、「今、3人の中で一番いい曲だと思ってる」というベスト盤収録の新曲「つないでいこう」をコールした。

本編ラストはツアータイトルにも掲げた「サンキュー！！」。ブレイクのきっかけとなったこの曲では、曲中の「ありがとう」にあわせてメンバーとファンがお辞儀をし合うという恒例の光景がZepp Divercityに広がる。トラックが止むと、3人は改めて深々と頭を下げ、これまで支えてくれたファンに感謝の気持ちを伝えた。

アンコールでは、MICROと相反するクールさを持つKUROも「俺、意外にも活動休止イヤだったんですよ。でもここ数年、現状維持みたいな活動が続いてたのも確かだし、1回ガス抜きしてもいいと思ったんだよ」と休止について自身の見解を吐露。さらに「HOME MADE 家族って世の中に誤解されてると思ってて。もっとカッコいいと思われていいと思う。俺はMICROのすごさ、U-ICHIのすごさを知ってる」とメンバー2人のポテンシャルを称賛し、来年以降の活動を楽しみにしていることを明かした。そしてライブの最後を飾ったのは、インディーズ時代から現在に至るまでHMKUライブのラストの定番となってきた「HOME SWEET HOME」。「ここライブハウスが俺たちのホーム」と前置きしたKUROとMICROは、力強いラップを披露し「お前ら一生家族だぞ！」と呼びかける。U-ICHIも「みんな本当にありがとう！」と両手を挙げ、1996年の結成から20年にわたる活動に一旦区切りを付けた。