昨年12月のメジャーデビュー以降、イベントへの出演はあれど単独公演はこれが初めてとなったぼくりり。この日、会場には彼の勇姿を一目見ようと多数の観客が集まり、超満員状態の中でライブの幕が上がった。滑らかな足取りで彼が姿を見せると、「わあっ!」という歓声と共にほのかに緊張が走る。熱い視線が注がれる中、彼は憂いをたたえたハスキーな声で「sub/objective」をオープニングナンバーとしてパフォーマンス。さらに美しいファルセットボイスを聴かせる「パッチワーク」、強靭なビートに鋭いボーカルを重ねる「CITI」、シンガーとしての底力を見せるメロウな「noiseful world」を畳み掛け、曲ごとに異なる声色と表情でフロアの空気を変えていく。
中盤ではワンマンならではの演出として、ゲストであるにおと2人だけでのコーナーも用意。口下手なぼくりりは、たどたどしいMCを繰り広げつつ「におさんの曲、超カッコいいんだよ!」という紹介を経て「余所事」を皮切りににおの楽曲をカバーしてみせる。自身には書けないラブバラードという紹介から歌い出した「rain stops, good-bye」では、歌詞の言葉1つひとつを噛みしめるように歌い上げ、感極まってしまったのか何度もシャツの袖で目尻を拭っていた。さらにゲストとのセッションコーナーの最後には、1月25日リリースの2ndアルバム「Noah's Ark」よりダンサブルな「shadow」をサポートメンバーの2人を交えて披露した。
におを送り出したあとぼくりりは改めて2ndアルバムのリリースを告知し、「いいのができたんで」と自信をうかがわせる。また自身のルーツをたどるコーナーではジャミロクワイの「Virtual Insanity」をグルーヴィに、EGO-WRAPPIN'の「A Love Song」を艶やかに歌い上げる。そして「Noah's Ark」より「望まれずに生まれてしまった命」をテーマにした本邦初披露の「在り処」を届け、シリアスな空気を残して去っていった。
アンコールならぬ「まだ足りない」コールに呼び戻されてステージに戻ってきたぼくりりはまず、ファンに春に全国ツアーを開催する旨を報告。そして大胆なアレンジを施した宇多田ヒカル「First Love」のカバーと、軽やかにフロウを繰り出す新曲「after that」を披露した。「アンコールまでしていただいてうれしかったです」という言葉からラストナンバーの「Sunrise (re-build)」が始まり、自然とハンドクラップが起きライブはクライマックスへ。と思いきや、ぼくりりは緊張が解けたのか2度にわたり歌詞を飛ばし、「最初のところ教えてください!」とファンに歌詞を聞く珍事を起こす。彼が観客のサポートも受けつつ「Sunrise (re-build)」を無事歌い終えると、万雷の拍手が響き渡った。
ぼくのりりっくのぼうよみ「Hello,world!」
2016年12月11日 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト
01. sub/objective
02. パッチワーク
03. CITI
04. noiseful world
05. Collapse
06. Water boarding -Noah's Ark edition-
07. 余所事
08. かつてのカリスマ
09. rain stops, good-bye
10. shadow
11. Virtual Insanity
12. A Love Song
13. Newspeak
14. A prisoner in the glasses
15. Black Bird
16. 在り処
<アンコール>
17. First Love
18. after that
19. Sunrise (re-build)
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