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12万人を歓喜の渦に包んだ13回目のフジロック

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7月24日から26日にかけて、苗場スキー場で恒例の夏フェス「FUJI ROCK FESTIVAL '09」が行われた。

通算13回目、苗場に会場を移してからは11回目となる今回のフジロック。3日間の来場者数は延べ10万8000人、前夜祭を含めると12万3000人におよび、例年どおり大盛況の3日間となった。

悪天候に見舞われた1日目

初日の7月24日は朝からあいにくの天気。かなり強めの雨が断続的に降り続き、会場内にはカラフルなレインウェアを着た観客の姿が目立った。

今年のGREEN STAGEのオープニングを飾ったのは、ヨーロッパツアーから戻ったばかりの東京スカパラダイスオーケストラ。今年20周年を迎えた彼らは、苗場の雰囲気を楽しみつつ独自のパフォーマンスを展開していった。

また、WHITE STAGEではギターウルフが雨の中、パワフルなステージを披露。左ふくらはぎの筋肉を断裂し、全治6週間のケガを負っていたセイジ(Vo,G)の復帰一発目ということもあり心配する声もあったが、いつもどおりにアグレッシヴなパフォーマンスで会場に集まったファンを沸かせた。

この日は夜になるにつれ雨足が強まっていき、予定されていた「オールナイト フジ」は中止に。さらに、豪雨に伴う河川増水の影響により、夜半から早朝にかけてWHITE STAGEに架かる仮設橋の増設工事を行うなど、例年では考えられないアクシデントも発生した。

そんな天候にも負けず、各ステージでは国内外の豪華アーティストたちが強烈なパフォーマンスを展開。GREEN STAGEのヘッドライナーを務めたOASISは、ベストヒット選曲で集まった数万人のファンを沸かせた。またFIELD OF HEAVENでは、クラムボンが2時間におよぶパフォーマンスを披露。観客は雨を忘れるほどの濃密な時間を過ごすことができた。

清志郎への愛に満ちた2日目

前日の天気から一変し、夏の苗場らしい晴れわたった青空が印象的な2日目は、The BirthdayがGREEN STAGEのオープニングを飾った。数日前に元THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのギタリスト、アベフトシが急逝したことを受け、ミッシェル時代の盟友チバユウスケ(Vo,G)はライブを始める前に「今日のライブは俺達の大親友だったアベフトシに捧げます」とコメント。新曲を取り入れたテンションの高いパフォーマンスで、集まったロックファンを沸かせた。

WHITE STAGEではフジロック初登場となる9mm Parabellum Bulletが、朝イチとは思えないほどにエネルギッシュなライブを披露。菅原卓郎(Vo,G)は数年前にフジロックROOKIE A GO-GOに応募し落選した過去を明かすなど、念願のフジロックのステージでいつも以上に熱い歌声を響かせた。

この日のWHITE STAGEには、同じくフジロック初参加の筋肉少女帯も登場。こちらはデビューから20年以上を経たベテランということもあり、新旧の名曲を次々に繰り出し集まったフジロッカーを楽しませた。大槻ケンヂ(Vo)は「フジロックだけじゃなくて、筋少はどこに行ってもアウェー」などのMCで、爆笑の渦に巻き込みつつファンのハートをわし掴み。終盤では「元祖高木ブー伝説」「イワンのばか」「釈迦」といった代表曲を連発し、苗場を独特な世界観に導いていった。

この日のGREEN STAGEでは、今年5月に逝去した忌野清志郎を追悼するスペシャルバンド「忌野清志郎 スペシャル・メッセージ・オーケストラ NICE MIDDLE with New Blue Day Horns」が登場。“大将”ことSMASH代表の日高正博氏によるMCに続いて、泉谷しげるCharYO-KING浜崎貴司UAトータス松本、甲本ヒロト、真島昌利、LeyonaChara仲井戸麗市といった豪華な面々が、清志郎が遺した名曲を次々に熱唱。また、清志郎のライブ映像&音声にあわせてバンドが生演奏をする「JUMP」では、まるでその場に清志郎がいるかのような錯覚に陥るほど、強烈な歌声が苗場中に響きわたった。

GREEN STAGEのヘッドライナーを務めたのは、3度目のフジ参加となるFRANZ FERDINAND。冒頭から次々にヒット曲を連発し、堂々としたパフォーマンスでファンを沸かせた。

“フジロックらしさ”を凝縮した3日目

最終日となった3日目も天気に恵まれ、朝からMASS OF THE FERMENTING DREGSPOLYSICSなどの国内勢がテンションの高いステージを展開。当時は白いツナギを着て、今回と同じWHITE STAGEのステージに立ったPOLYSICS。10年ぶりにフジロックへ帰還した彼らは、新曲を含む強力なニューウェイブサウンドで集まったファンを楽しませた。

GREEN STAGEではフジロック常連の浅井健一が鋭いロックンロールを高らかに鳴らし、WHITE STAGEではDE DE MOUSEが会場をダンスフロアへと一変させるエレクトロサウンドでファンを魅了。FIELD OF HEAVENではDachamboROVOといったアーティストに挟まれて、昨年復活を果たしたサニーデイ・サービスがピースフルなサウンドを聴かせてくれた。ライブ序盤には強い雨が一時的に降ったものの、新曲2曲を含むパフォーマンスは会場に集まった多くのファンの心に強く響いたはずだ。

ORANGE COURTでは今年結成40周年を迎えた頭脳警察が、初めてフジロックでパフォーマンスを披露。「Born To Be Wild」「Summertime Blues」といったロック・クラシックの日本語カバーを取り入れつつ、「悪たれ小僧」「銃をとれ」などの代表曲、さらにまもなくリリースされるニューアルバムからの新曲なども飛び出し、集まったディープなロックファンをノックアウトした。

ORANGE COURTではこの後もソウル・フラワー・ユニオン渋さ知らズオーケストラといった、フジロックには欠かせないお祭りバンドが登場。かたやWHITE STAGEではフジ初出演となる高橋幸宏がムーディーな世界観で、日が落ちつつある苗場を見事に演出した。この日はギタリストとして小山田圭吾も参加。ときにファンキーに、ときにクールにとさまざまな表情をサウンドで表現していった。

GREEN STAGEではBRAHMANが白熱のパフォーマンスを展開。その後もFALL OUT BOY、WEEZERがパワフルかつ甘いサウンドで会場を沸かせ、最後のスペシャルゲストBASEMENT JAXXが苗場をダンス天国に変えていった。

しかし、その後もRED MARQUEEやTHE PALACE OF WONDERでは朝までパーティが続き、お祭り好きなパーティピープルたちが朝まで踊り明かしたことは言うまでもない。石野卓球や渡辺俊美、ASAKUSA JINTA、社長(SOIL & "PIMP"SESSIONS)、neco眠るといった面々が苗場最後の夜を見事に演出し、13回目のフジロックは大成功のうちに幕を閉じた。

※記事初出時、記事に一部誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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