「GG09」3日目はスペアザ、フジファブ、riddimの至福競演
2009年7月20日 0:15 1
MUSIC ON!TVが主催するライブイベント「GG09」の3日目の公演が、7月18日にSHIBUYA-AXで開催された。
前日7月17日の公演ではTHE BEACHES、POLYSICS、BEAT CRUSADERSが汗ダクのパフォーマンスを見せたが、この日は
定刻18時ぴったりにステージに現れたのは、riddim saunter。Tシャツや短パンなどどこか夏フェスを意識したような格好のメンバーたちは、軽やかにステージに現れると「FACE」で瞬時に会場をダンスフロア化。田中啓史(Vo)はマイク片手にステージ上で自由に踊り、古川太一(Dr)は早くもドラムセットを離れ奔放なパフォーマンスを展開する。2曲目「DABBLING」では早くもステージ前方にモッシュが生まれるなど、オーディエンスは思い思いの形でライブの醍醐味を享受した。
土曜の夜にぴったりなリリックが散りばめられた「FRESH」を挟み、「12345」で激しい一面を露にした彼ら。田中はステージ前方にせり出すだけでは満足できず、ステージとフロアの間の柵の上で絶唱。太一やほかのメンバーも定位置など関係ないとばかりにステージ上で暴れ、会場をヒートアップさせていった。
後半は「DEAR JOYCE」「SWEET」で満員の会場を再びハッピーな雰囲気に。そして、スレイベルやフルートなどの楽器を取り入れた「WALTZ」を優しく響かせると、5人は大きな拍手を浴びながら颯爽とステージを去った。
2番手のフジファブリックは、エキゾチックなSEに乗って登場。黄色い歓声に迎えられた彼らは、のっけから「Surfer King」で摩訶不思議な音世界へと誘う。続いて「Merry-Go-Round」「バウムクーヘン」と最新アルバムからの楽曲を連発。先日ツアーを終えたばかりとあって、すっかり堂に入った演奏でオーディエンスをグイグイと引きつけていった。
志村正彦(Vo,G)がまったりとした口調で「このイベントに出られて非常にうれしいです。精一杯やります」と挨拶した後は、ダイナミックなドラムが印象的な「Anthem」がスタート。スケール感とノスタルジーを感じさせるサウンドは会場を飲み込んでいき、フロアの観客はゆっくりと揺れながら5人が奏でる音に酔いしれた。
しかし、ディープな雰囲気はここまで。「えー、こっからは盛り上がります」という宣言に続いて「TAIFU」が披露されると、会場の熱はじわじわと上昇。赤いライトがステージを照らす中で演奏された異色のハードロックチューン「All Right」では、絶叫と強烈なアンサンブルが会場を煽りまくる。加えて志村はメタルバンドのギタリストさながらのポーズを決めるなど、遊び心たっぷりのパフォーマンスで盛り上げた。
骨太なバンドサウンドと低体温なボーカルのミスマッチ感がたまらない「Sugar!!」を最後に届けると、志村は盛り上がってくれたファンに対し両手を挙げて丁寧に挨拶。ほかのメンバーもオーディエンスに感謝する仕草を見せステージを降りた。
この日のトリを務めたのは、「GG09」出演者の中で唯一のインストバンドSPECIAL OTHERS。スタンバイが完了すると、4人はそれぞれの楽器を鳴らしウォーミングアップを始める。ギターのディストーションに繊細なシンバルが絡みムードが出来上がったところで、ライブは「Mellotron」からスタート。芹澤優真(Key)と宮原良太(Dr)のあたたかなコーラスが重なる「Stay」でワクワクした雰囲気を倍増させると、ライブの定番「Laurentech」で高揚感を高めていく。ピースフルなサウンドに乗せて自由に踊る観客に感化され、4人の演奏も時間が経つにつれて伸び伸びとしたものへと変わっていった。
「Good morning」の後は1回目のMCへ。7月29日にライブアルバムが、続けて8月12日にライブDVDがリリースされることを発表したのに続き、DVDや新商品のTシャツの魅力を解説する、深夜の通販番組さながらの宣伝コーナーに突入。柳下武史(G)をはじめとするメンバーがDVDの値段を覚えていなかったりと若干のトラブルもありつつ、最後は宮原の「いいものを安く。それがSPECIAL OTHERSです!」「でもお金で買えない何かがSPECIAL OTHERSにあります」というキメ台詞とともにPRタイムは無事終了した。
その後、本編ラストに披露された「PB」では音の洪水が押し寄せ、フロアの熱気は最高潮に。アグレッシブでめまぐるしい展開のパフォーマンスは会場の熱気に火を付け、演奏後は即座にアンコールを求める拍手が沸き起こった。
歓迎ムードの会場に、再び姿を見せた4人の顔にはこぼれんばかりの笑み。宮原の導きで柳下はオーガナイザーのジョージ・ウィリアムズとの出会いを振り返り、「M-ON!とSPECIAL OTHERS 皆楽しく フジファブリックも」という1句を詠み上げる。しかしトップバッターのriddim saunterを入れ忘れてしまい、あわてて「riddimも」と付け加えるがメンバーから「忘れてたな!」「俳句になってない!」とツッコミを受け、観客を笑わせた。
アンコールとしてプレゼントされたのは「Hankachi」。重厚なリズムから始まった曲は、曲が進むにつれまったりした雰囲気を作りだし、そこに宮原と芹澤による滋味のあるコーラスが彩りを添える。会場に多幸感が満ちたところで演奏が止み、4人のパフォーマンスをたたえる拍手が響きわたった。
ライブ終了後には出演者全員とジョージ、そしてオーディエンスを巻き込んだ恒例の記念撮影が行われ、3日目の「GG09」はこれ以上ないほどのハッピーな空気に包まれ終幕した。
2009年7月18日「GG09」SHIBUYA-AX セットリスト
riddim saunter
01.FACE
02.DABBLING
03.FRESH
04.12345
05.DEAR JOYCE
06.SWEET
07.WALTZ
フジファブリック
01.Surfer King
02.Merry-Go-Round
03.バウムクーヘン
04.Anthem
05.TAIFU
06.All Right
07.虹
08.Sugar!!
SPECIAL OTHERS
01.Mellotron
02.Ngoro Ngoro
03.Stay
04.Laurentech
05.Good morning
06.PB
EN.Hankachi
リンク
- GG09:MUSIC ON! TV
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音楽ナタリー @natalie_mu
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