細野晴臣40年ぶり中華街ライブで星野源とゲロッパ!

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細野晴臣が5月7、8日に神奈川・横浜中華街の老舗広東料理店である同發(どうはつ)の新館にて、単独ライブ「細野晴臣 A Night in Chinatown」を開催した。ここでは7日の模様をレポートする。

5月7日に同發新館で行われた細野晴臣「細野晴臣 A Night in Chinatown」の様子。 (Photo by Ryo Mitamura)

5月7日に同發新館で行われた細野晴臣「細野晴臣 A Night in Chinatown」の様子。 (Photo by Ryo Mitamura)

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細野が同發新館で公演を行うのは、1976年7月発表の3rdアルバム「泰安洋行」のコンベンションライブとなった「ハリー細野&TIN PAN ALLEY IN CHINATOWN」以来のこと。このライブは“中華街ライブ”としてファンの間で語り継がれている。それから40年ぶりに同店で行われた今回の2DAYSには、バンドメンバーとして高田漣(G)、伊賀航(B)、伊藤大地(Dr / グッドラックヘイワ)、コシミハル(Piano, etc)、斎藤圭土(Piano)、林立夫(Perc)が参加。さらにシークレットゲストとして星野源も駆けつけた。

星野源 (Photo by Ryo Mitamura)

星野源 (Photo by Ryo Mitamura)[拡大]

なお本公演の来場者には、特典として「imaginary record covers」と題した冊子が配布された。この冊子には、「泰安洋行」のジャケットイラストを手がけたヤギヤスオが同作の裏ジャケ用にカメラマンの桑本正士と共に制作した“架空のアートワーク”や、40年前のライブの資料などが掲載されている。来場者は開演前にこの冊子をめくりながら、これから始まるライブへの期待を高めていた。

高田、伊賀、伊藤、コシ、林を引き連れて姿を見せた細野が1曲目にセレクトしたのは、横浜中華街を舞台にした「北京ダック」。40年前にも披露された懐かしの楽曲を軽快に届けてファンを沸かせたのち、細野は「40年ぶりだよ。どう? 林くん」「この建物、40年前から“新館”だったよね」など、40年前も同じステージに立っていた林に水を向けてユルめのトークを繰り広げた。それから「香港ブルース」「熱帯夜」「はらいそ / PARAISO」と「トロピカル3部作」からのナンバーを続け、序盤から異国的な情緒で会場を包んでいった。

ディズニー映画「白雪姫」の「Heigh-Ho」という意外なカバーを終えると林が一旦退き、カントリーミュージックの時間帯へ。細野はコシとのユニット・swing slowでもカバーした「Good Morning Mr. Echo」や、「不良の歌」と解説した「Pistol Pachin' Mama」、ライブの定番曲「Tutti Frutti」などを流れるように歌い上げていく。

5月7日に同發新館で行われた細野晴臣「細野晴臣 A Night in Chinatown」の様子。 (Photo by Ryo Mitamura)

5月7日に同發新館で行われた細野晴臣「細野晴臣 A Night in Chinatown」の様子。 (Photo by Ryo Mitamura)[拡大]

「40年前には、いろんなゲストに出てもらったんですよね。でも今日はゲストをいっぱい呼ぶわけにはいかないから……予算の関係でね(笑)」とオーディエンスを笑わせた細野は、「その代わり素晴らしい人を」と星野源をステージに呼び込んだ。真っ白なスーツで着飾った星野は「こんばんは、昔の細野晴臣です」と挨拶してステージ下手のマンドリンの前に移動すると、シロフォンの前に陣取った細野と共にマーティン・デニーの曲で細野がイエロー・マジック・オーケストラでもカバーした「Firecracker」をプレイ。難解なフレーズを物ともせず演奏する星野に対し細野が「努力家だね」と声をかけると、星野は高校時代にマリンバを弾く細野の写真を見て、自身もマリンバを始めたことを明かした。さらに観客の手拍子の合いの手をバックに、星野と伊藤のバンドの名前の元ネタとなったマーティン・デニーの「Sake Rock」を披露したのち、細野と星野はジェームス・ブラウンの「Get Up(I Feel Like Being) A Sex Machine」もコラボ。伊賀が奏でるこの日唯一のエレキベースのサウンドと、伊藤、林によるグルーヴの上で、細野と星野は「Get up!」のフレーズで掛け合った。

星野がステージを去ると、細野が「日本最高峰のブギピアニスト」と紹介する斎藤が登場。昨年よりたびたび細野と共演を重ねる彼は、バンドと共に「Cow Cow Boogie」「The House Of Blue Lights」などブギウギチューンをプレイ。リズミカルなピアノでバンドサウンドを牽引し、5曲にわたって観客の体を揺らし続けた。

斎藤の出番が終わると、ライブは終盤へ。細野は「2曲オリジナルで締めます。オリジナルなのにカバーだと思われる……矢野顕子と逆です」と観客を爆笑させつつ、「Sports Men」「Body Snatchers」というテクノ期の代表曲2曲で本編を終了させる。それから観客のアンコールを求める拍手に応じたバンドは、星野と斎藤と共に登場。軽快なリズムに合わせた細野とコーラスの掛け合いが楽しい「Pom Pom 蒸気」をプレイし、40年ぶりの横浜中華街公演を終えた。

なお細野は6月にライブツアー「港町ツアー」を開催。6月8日の東京・ LIQUIDROOMから7月3日の北海道 金森ホールまで、計7カ所を巡る。

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細野晴臣「細野晴臣 A Night in Chinatown」
2016年5月7日 同發新館 セットリスト

01. 北京ダック
02. 香港ブルース
03. 熱帯夜
04. はらいそ / PARAISO
05. Heigh-Ho
06. Angel On My Shoulder
07. Good Morning Mr. Echo
08. I’m A Fool To Care
09. Pistol Pachin' Mama
10. Tutti Frutti
11. Firecracker~Sake Rock
12. Get Up(I Feel Like Being) A Sex Machine
13. Ain't Nobody Here But Us Chickens
14. Down The Road A Piece
15. Beat Me Daddy, Eight To The Bar
16. Cow Cow Boogie
17. The House Of Blue Lights
18. Sports Men
19. Body Snatchers
<アンコール>
20. Pom Pom 蒸気

細野晴臣「細野晴臣 港町ツアー」

2016年6月8日(水)東京都 LIQUIDROOM
2016年6月10日(金)大阪府 ユニバース
2016年6月12日(日)鳥取県 HUT SBALCO design
2016年6月14日(火)岡山県 YEBISU YA PRO
2016年6月16日(木)兵庫県 チキンジョージ
2016年6月18日(土)福岡県 BRICK HALL
2016年7月3日(日)北海道 金森ホール(※追加公演)

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細野晴臣 Haruomi Hosono _information @hosonoharuomi_

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