Kidori Kidori自主企画、ヘルシンキ橋本がマッシュにギター借りる

Kidori Kidoriが4月19日に東京・新代田FEVERにて自主企画「Kidori Kidori presents まともなイベント vol.8」を開催した。

このイベントにはゲストとしてHelsinki Lambda Clubが参加。ステージに上がった彼らは「宵山ミラーボール」でライブを勢いよくライブをスタートさせる。橋本薫（Vo, G）のギターの弦が曲の冒頭で切れてしまうという事態に見舞われるも、弦が切れたままキャッチーなナンバー「ユアンと踊れ」へとつなげてフロアのテンションを高めていった。その後、Kidori Kidoriのマッシュ（Vo, G）から赤いギターを借りた橋本は「すげえ似合わねえな（笑）」と言いつつ、「どうも、マッシュです」と冗談を飛ばしてから「ばっくとぅざふゅーちゃー」を披露した。

バンドは6月8日にリリースするマキシシングル「友達にもどろう」に収録される新曲「しゃれこうべ しゃれこうべ」をエモーショナルに奏でたほか、スーパーカーのカバー「DRIVE」や、The Clashの同名タイトルの楽曲をモチーフにした「Lost in the Supermarket」などを演奏。ライブの途中、再び橋本が自身のギターの弦を切ってしまう場面があったが、すぐさまマッシュのギターを借りに行き、「マッシュさんが弦張り替えてくれたし、ギターこんなに持ち変えるなんてめっちゃプロっぽくないですか？」と話すなど、場の空気をしらけさせることなくライブを進めていく。彼らは「バンドワゴネスク」では観客の合唱を起こし、テンションを保ったままアッパーチューン「All My Loving」をプレイしてフロアをさらに沸かせた。MCでは橋本がKidori Kidoriに向けて「いい先輩です。僕らと一緒にやるのって本当にいい組み合わせだと思うんですよ。今後ともよろしくお願いします」とコメント。そして4人はユーモラスな掛け合いを盛り込んで観客の笑いを誘った「TVHBD」まで全14曲を届け、Kidori Kidoriへとバトンを渡した。

Kidori Kidoriはリラックスした様子でステージに登場し、1曲目に「なんだかもう」をプレイ。マッシュが「皆さん歌えますか」と観客に呼びかけてシンガロングを誘った。続けて3人は汐碇真也（B）加入後に初めて作ったというナンバー「ナイトミュージック」や、陽気なコーラスワークが印象的な「住めば都」を披露。マッシュはMCで2015年のツアーでHelsinki Lambda Clubと競演した際の思い出を振り返り、「べらぼうによかった」ということで今回の企画にゲストとして招いたことを語った。また本企画のライブ会場限定で販売されたソノシート「タイムセール」については「物販コーナーに置いてあるんですけど、『ソノシートってなんやねん』って人のために家からターンテーブル持ってきて回してあるので、それも見てみてください。じゃあ今からその曲を実演します」と話し、曲名を力強くコールしてから「タイムセール」へ。バンドは汐碇がステージから身を乗り出すなどアグレッシブなパフォーマンスとともに同曲を演奏して観客を楽しませた。

そして「ホームパーティ」「アフターパーティ」という哀愁を帯びた歌詞と明るいメロディのギャップが印象的な2曲を続けて披露したKidori Kidori。マッシュは曲中、フロアの反応のよさに笑顔を見せながら「めっちゃ楽しい、これこそ『まともなイベント』やと思う！」とファンに伝えた。その後「4月とか5月って新しい環境になることがあって、なじみにくいこともありますよね。そんなときに作った曲をやります」と話してから「5/10」へとつなぐ。さらに「!」「コラソン」と落ち着いた雰囲気のナンバーを届けると、観客は情感たっぷりのマッシュの歌声に聴き入っていた。

ライブ終盤、マッシュが「今日は重大な解禁事項があるんですよ」と述べてから、6月8日にニューシングル「フィールソーグッド e.p.」をリリースすることを告知。汐碇を迎えた新体制で初めての全国流通音源であることを伝えるとともに、自主企画「Kidori Kidori presents まともなイベント vol.9 ～『フィールソーグッド e.p.』レコ発編～」を東京と大阪で行うこともあわせて発表した。そしてバンドは新作の表題曲となる「フィールソーグッド」を投下。疾走感のある日本語歌詞のナンバーで観客の体を揺らした。ラストにはHelsinki Lambda Clubのメンバーをステージに迎え、「テキーラと熱帯夜」を観客と合唱し、にぎやかにライブ本編を締めくくった。

アンコールを求める拍手に応えて3人は再びステージに登場。マッシュは「アンコールでやりたいことがあって」と切り出し、ゲストボーカルとしてヘルシンキの橋本を招く。さらに「もう1つやりたいことがあって、同じ曲をもう1回やってみたいねん」と話し、橋本とのコラボで「タイムセール」を披露。ヘルシンキの佐久間公平（G, Cho）、稲葉航大（B, Cho）、アベヨウスケ（Dr, Cho）も途中からステージに上がって笑顔で踊り騒ぎ、自主企画は大きな盛り上がりを見せて終幕した。