このライブは彼らが6月に2ndアルバム「SEASON」をリリースしたことを記念して行われたもの。「いざ、プレイボール 編」と銘打たれた大阪公演に引き続き、会場には多くのファンが詰めかけた。
ステージにふらりと現れた5人は「SING A SONG GIRL」から軽快にライブをスタートさせる。互いに向き合って演奏したり、飛び跳ねたりしながら楽しそうに演奏していく彼ら。ポップな楽曲で会場を温めた前半を経て、中盤には「SEASON」収録曲を連投する。「ギター」でミラーボールが回り場内を華やかに彩ったかと思えば、薄暗い照明の中でプレイされた「ひみつ」「STEP」では池田健(G)と星野隼一(G)によるメロディアスなギターの音色と山本剛義(Vo, G)の熱唱が相まり、感傷的なムードが場内を包み込んだ。
MCでは山本の同級生や池田の父親、阪口晋作(B)の母親などの微笑ましいエピソードが和やかに繰り広げられる。そのユルさから一転、彼らはひとたび楽曲が始まれば、より熱を帯びた演奏を繰り出す。「ファンタジア」では安定感のある谷口修(Dr)のドラムに乗せ、小気味よいアンサンブルと山本の伸びやかな歌声が広がった。そして山本の「今日、僕が一番歌いたかった歌を歌います」という前振りから始まったのは「アンセム」。彼がアコースティックギターを弾いて歌い始めると、あわせてバンドが演奏が加わり、5人はゆったりとしたミディアムナンバーを丁寧に届ける。山本は声を張り上げ、腕を大きく動かし力強くギターをかき鳴らしながら渾身のプレイを見せた。
山本がギターを高く掲げると、バンドの演奏は疾走感のある「青写真」へとなだれ込む。メンバーはステージ上を所狭しと激しく動き回った。曲が終わると山本がギターを置き、タンバリンを手に「ボールズはロックバンドです」と叫ぶ。そして5人は最後に「Akutagawa Trip」をドロップ。山本は阪口のかぶっていたキャップを星野にかぶせたり、マイクをスタンドから外し拳を突き上げて歌唱したりと、自由に振舞う。勢いを増したバンドの演奏にあわせてファンは手拍子を送り、大盛り上がりのうちに本編が締めくくられた。
アンコールで5人は「ばんねん」「瞬き」をプレイする。さらにダブルアンコールでみたびステージに登場すると、山本が「夏の終わりの曲をやります」と言い「メルトサマー」へ。山本は叙情的な歌詞をかみしめるように歌い上げ、5人はゆったりとラストナンバーを演奏していく。バンドがエモーショナルにアウトロを届ける中、山本は声を張り上げて「僕らまだまだやります!」と宣言。さらに曲が終わると「ずっと5人でやります。よろしく!」と言葉を残し、ステージをあとにした。
記事初出時、本文に事実と異なる記述がありました。訂正してお詫びいたします。
ボールズワンマンライブ “ボールズのSEASON~9回裏ツーアウト満塁 編~”
2015年9月25日 下北沢SHELTER セットリスト
01. SING A SONG GIRL
02. 魔法
03. 退屈な遊び
04. 君はまぼろし
05. 通り雨
06. YOUTH
07. トンネル
08. ギター
09. ひみつ
10. STEP
11. ファンタジア
12. too late
13. アンセム
14. 青写真
15. Akutagawa Trip
<アンコール>
16. ばんねん
17. 瞬き
<ダブルアンコール>
18. メルトサマー
リンク
- ボールズ - UNIVERSAL MUSIC JAPAN
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
音楽ナタリー @natalie_mu
ボールズ、“9回裏ツーアウト満塁”公演で宣言「ずっと5人でやります」 http://t.co/o1OAzR9GpL http://t.co/iZNpaLEyW0