在日ファンク、“ぜいたく”な対バンツアー恵比寿で終幕

在日ファンクが5月16日に東京・LIQUIDROOMにて全国ツアー「在日ファンク『ぜいたく』発売記念わからんツアー」の最終公演を行った。

彼らのニューシングル「ぜいたく」の発売を記念して行われた今回のツアーはツーマン形式で全4公演を実施。ツアーファイナルの東京公演は初日の福岡公演と同様にZAZEN BOYSをゲストに迎えて実施された。

先にステージに立ったZAZEN BOYSは、向井秀徳（Vo, G, Key）の「マツリスタジオからやって参りました。ZAZEN BOYSです」という自己紹介から「サイボーグのオバケ」でライブをスタートさせる。続く「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」では向井の激情的なボーカルにオーディエンスが熱狂。「COLD BEAT」では松下敦（Dr）と吉田一郎（B）が強靭なビートを繰り出してフロアを揺らす。また「泥沼」では向井が「（泥沼に）ハマりながらボールにいっぱいのアレが食いてえ！」と絶叫し、「ポテトサラダ」さらには「Honnoji」のフレーズが披露される場面も。自在に楽曲を操る4人に、観客からは大きな歓声が送られる。

MCでは向井が「今日はSCOOBIE DOのアルバム発売記念ライブに来ていただきありがとうございます」とうそぶいて笑いを誘った。彼は「破裂音の朝」をまっすぐに歌い上げ、ラストナンバー「Asobi」で「ホントに皆さん、今日はありがとう！」と感謝し、軽快に体を揺らす。吉兼聡（G）はギターを置きステージ前方に歩み出て、ロボットダンスを披露した。演奏を終えると、彼らは大きな拍手に送られてさっそうとステージを去っていった。

「大イントロ」で幕を開けた在日ファンクのステージでは、冒頭から浜野謙太（Vo）がフルスロットルのパフォ―マンスを見せる。彼は軽快なターンを織り交ぜたステップで「爆弾こわい」を歌い踊ると、続く「断固すいません」では「すいません」というフレーズのコール＆レスポンスを巻き起こした。この曲では後関好宏（Sax）と村上基（Tp）がハイテンションなソロ回しを見せ、ジェントル久保田（Tb）は2人の音に没頭するように体を揺らす。5曲目を終えると浜野は「ファイナルにお越しくださいましてどうもありがとう！」と口を開き「ソールドアウトです！ フロア、ギュウギュウでしょ？ みんな楽しんで帰ってくださいね！」と観客に語りかけた。

彼らのテーマ曲「マルマルファンク」では浜野が「みんな一緒にやろう！」とオーディエンスの声を求める。ファンが大歓声でこれに応じると、彼はスタンドマイクをスピーディーに操るパフォーマンスを披露した。「嘘」でホーンセクションが美しいハーモニーを聴かせると、続くMCでこの曲が向井から「あの曲いいね」と褒められたエピソードが明かされる。作曲者の仰木亮彦（G）は満面の笑みを浮かべ、浜野は「よかったな仰木！」と彼に声をかけた。

久保田の熱心なグッズ紹介を経てステージは後半戦に突入。彼らは「むくみ」「わからん」「根にもってます」を続けて演奏しフロアのテンションを最高潮へと導いていく。本編ラストに届けられた「ぜいたく」では、観客による大きな「ぜいたく」コールが沸き起こった。アンコールでは浜野が「今日楽しかった？ “ぜいたく”な対バン・ZAZEN BOYSに拍手！」と先輩バンドに感謝し「今日は在日ファンクという“きず”を残して、家に帰ってください！」と呼びかけてから、バンドは「きず」をプレイ。続く「場」ではファンが挙げた手を揺らしながら曲を口ずさんだ。華やかなムードの中で公演は終幕。ステージの前方で1列に並んだ7人は手をつないで一礼し、舞台をあとにした。