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羊毛とおはな、千葉はなお別れ会で大橋トリオ、コトリンゴら友人歌唱

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羊毛とおはな「千葉はな お別れ会」にて、千葉はな(Vo)の写真の前で楽曲を披露する羊毛こと市川和則(G)とライブのサポートメンバー、大橋トリオ、コトリンゴ。

羊毛とおはな「千葉はな お別れ会」にて、千葉はな(Vo)の写真の前で楽曲を披露する羊毛こと市川和則(G)とライブのサポートメンバー、大橋トリオ、コトリンゴ。

4月に逝去した羊毛とおはな・千葉はな(Vo)のお別れ会が昨日5月14日に東京・品川教会グローリアチャペルにて開催された。

この教会は羊毛とおはなが2013年と2014年にライブを行った場所で、司会者はお別れ会の冒頭で「この場所で行われる羊毛とおはなの“3回目のライブ”です」と説明。千葉の意向に沿って、会はしんみりしたムードを感じさせない明るい内容となった。

お別れ会ではまず所属レーベルLD&Kの大谷秀政代表取締役による挨拶を経て、羊毛とおはなのミュージックビデオや「FUJI ROCK FESTIVAL」出演時のオフショット、癌の発覚後に行われた結成10周年ライブの模様など千葉の生前の映像が上映された。そして所属事務所・Lucy+Kの小山奈々子代表は千葉が逝去した4月8日当日の様子を報告。当日は7:00より「ようはな=487」の語呂合わせで生まれた、羊毛とおはなを聴きながら朝食を楽しむイベント「羊毛とおはなの日」が東京ほか各所で行われ、千葉も病室にて夫と一緒に楽曲を聴いて過ごしたという。しかしその後14:00頃に千葉は他界。小山代表のもとに訃報が届けられたのは、ラジオで「羊毛とおはなの日」の内容が彼女たちの楽曲とともに紹介された直後だった。

小山代表の話によると、千葉は昨年11月に医師から治癒が不可能だと聞かされ、1月に「私はそろそろダメだと思う」と覚悟し気持ちを一転。自らの葬儀について小山代表らと会場を選んだり、羊毛こと市川和則(G)の考えたBGMの選曲を「ダメじゃん、これじゃ暗すぎる」とたしなめたりと、普段のライブの打ち合わせさながらの勢いで“終活”を行い始めた。また一方で、体調がよい日はかすかな声量ながら家族を前に市川と“ミニライブ”を実施することもあったいう。小山代表は病床で千葉がやりたがっていたことを聞きながら1冊のノートに書き留めていたことを話し、千葉から「体はなくても生き続けられる。マネージャーさんよろしくね」と託された遺志を今後も引き継いでいく意向を明かした。

続いて小山代表は「はなちゃんの要望通り明るく楽しくやりたい」と市川を壇上に招き、千葉がお別れ会のキャパをしきりに気にしていたことや「地方の情報源といえば新聞だから」と地元紙のおくやみ欄の掲載にこだわっていたことなど独特な視点の“終活”秘話を2人で紹介し、会場の笑みを誘う。トーク後半には羊毛とおはなのライブのサポートメンバー“ゆかいな仲間たち”こと塚本亮(Key)、須長和広(B)、神谷洵平(Dr)、武嶋聡(Flute, Sax)、田中佑司(Percussion, Piano)も参加。メンバーは千葉がアーティストとしてのプロ意識を高く持っていた一方でマイペースな部分もあったと口々に話し、笑いの絶えないトークを繰り広げて千葉をしのんだ。そして小山代表は生前に千葉から預かった各メンバー宛のメッセージを紹介。内容はそれぞれ短く珍妙なもので、市川やサポートメンバーは壁面に掲げられた千葉の写真を眺めつつ笑いながら千葉にツッコミを入れた。

トーク後は友人アーティストを招いての羊毛とおはなの楽曲披露に。市川はまずコトリンゴをステージに呼び、2人で「明日は、」をプレイ。コトリンゴは市川の演奏とともに楽曲を伸びやかに歌唱するも、終盤に涙を流し声をつまらせる。彼女は歌を終えると赤い目のまま「泣いちゃった。はなちゃんに怒られちゃう」と笑った。2人目のゲストシンガーは、CDデビューのタイミングが同時期で“ほぼ同期”という大橋トリオ。大橋と市川は過去に共演した思い出のほか、大橋が羊毛とおはなの復帰時にはプロデュースさせてほしいと話していたことを明かす。そして彼らは「ずっと ずっと ずっと」をしっとりと弾き語った。

2人のシンガーソングライターが歌ったあとは来場者全員による合唱に。市川のギターと塚本によるピアノの伴奏に加え、コトリンゴ、大橋、“ゆかいな仲間たち”もステージに上がり、ファンとともに千葉の写真を見上げながら楽曲を歌う。塚本は「月見草」「ホワイト」「おまもりのうた」といったナンバーをしっかり歌い上げたファンに拍手を送り、「(来場者が)歌ってくれるかわからなかったからガイド用メロディを必死に練習してきたけれど、その必要はなかった(笑)」と喜んだ。そして千葉が生前にライブで披露するも期待通りの合唱が起こらず残念がったという逸話がある「空が白くてさ」でも合唱が繰り広げられ、市川と塚本は「よかったですね。(千葉の)夢がかなって」と満足そうに話した。そして市川は「千葉が1月や2月に『この曲歌いたい』『葬式でかけてほしい』と言っていた曲を」と話し、「ミグラトリー」をチョイスした。

お別れ会は、千葉が品川教会でライブを観て感銘を受けたという吉田美奈子からのメッセージを司会者が読み上げ、吉田が「愛があたためる」を歌唱する音声が流されて終了。終了後は献花を待つファンの列が教会の外まで続いた。

なお石川県金沢市では5月23日にpuddle/socialにて千葉のお別れ会「LIVE IN LIVING ~特別編~ for 千葉はな」が、24日には同市内のカフェ・もっきりやで市川と見田諭(mitatake)によるギターデュオTHE BOCOSのライブがそれぞれ開催される。

※記事初出時、一部アーティスト名の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

LIVE IN LIVING ~特別編~ for 千葉はな

2015年5月23日(土)石川県 puddle/social
OPEN 18:00 / START 19:00

THE BOCOS LIVE in もっきりや

2015年5月24日(日)石川県 もっきりや

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