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吹雪のゲレンデが熱く、9回目のAPPI JAZZY SPORT閉幕

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「APPI JAZZY SPORT -TEAM- 2015」でのGAGLEのパフォーマンスの様子。(Photo by Takanori Tsukiji[STARSERVERCLUB]&Yasuhiro Orii)

「APPI JAZZY SPORT -TEAM- 2015」でのGAGLEのパフォーマンスの様子。(Photo by Takanori Tsukiji[STARSERVERCLUB]&Yasuhiro Orii)

1月17日から18日にかけて、岩手・安比高原スキー場 安比プラザ屋内特設フロアでオールナイトイベント「APPI JAZZY SPORT -TEAM- 2015」が実施された。

音楽レーベルJAZZY SPORTが“音楽とスポーツの緩やかな併走”を志向し毎年行っている「APPI JAZZY SPORT」。同イベントは深夜までウインタースポーツと音楽が楽しめるとあり、毎年多くの来場者を集めている。9回目を数える今回は“TEAM”をテーマに、例年よりもヒップホップ色の色濃いラインナップに。17日の夜に吹雪に見舞われた安比高原を、各々のパフォーマンスで熱く彩った。なおイベント時はスキー場に併設するフードコートに2つのステージが用意され次々とアーティストが登場。来場者はドリンクを片手に良質な音楽を存分に味わっていた。

長い夜の幕開けを告げたのはDJ Mitsu the BeatsのDJプレイ。会場にはスピーカーからの出音に引き寄せられるようにどんどん人が吸い込まれていき、続くU-zhaan×mabanuaが演奏を開始する頃にはフロアは観客で満たされていた。U-zhaan×mabanuaは、タブラやラップトップを用意したU-zhaanとドラムセットに陣取ったmabanuaがメインステージ上で対峙するような陣形でライブを実施。ステージ上のスクリーンには演奏風景とGROUNDRIDDIMが手がけるビジュアルアートが投影され、多彩なサウンドを繰り出す2人のセッションを視覚的にも盛り上げた。

金屏風が存在感を放つサブステージに登場したPUNPEEはDJプレイで会場を沸かせたのち、PSGの盟友GAPPERをDJブース前に招聘。2人は「かみさま」や曽我部恵一とのコラボ曲「サマーシンフォニー」などPSGのトラックを繰り出しファンをおおいに沸かせた。続いてメインステージには鎮座DOPENESS&DOPING BANDが登場。パーカッション、ドラム、ターンテーブル、ベース、ギターというこの日随一の大所帯が奏でるぶ厚いサウンドに乗せて、鎮座DOPENESS、CHAN-MIKA、カトマイラの3MCで「MODE」を投下したり、田我流とコラボしたりとにぎやかなライブを展開した。

同イベント恒例のダンスタイムが始まると、Stax Groove、BrokenSport、RhythmSneakersなど計6チームがフロアで観客に囲まれながら各々のスキルを見せつけていく。中でもGuerrilla Gorillaはgrooveman SpotがDJを務めるコラボパフォーマンスでディープな世界観を提示し観衆を魅了した。続くKan Sano×関口シンゴは神谷洵平(Dr)をサポートに迎えた3人編成で演奏。Kan Sanoがベニー・シングスをフィーチャーしアルバムに収録した「Go Nowhere」やロイ・エアーズ「Everybody Loves The Sunshine」のカバーなどボーカル曲でもファンを喜ばせた。

cro-magnonKINGDOM☆AFROCKSのIZPON(Perc)とともにステージに登場。彼らは最新アルバム「V」のナンバーを中心としたセットリストを息の合った演奏で届け、強靱なグルーヴを生み出していく。終盤ではゲストシンガーとして有坂美香をステージに招きコラボ曲「survivor」やJackson Sisters「I Believe in Miracles」のカバーをプレイしたり、キラーチューン「逆襲のテーマ」を投下するなどして、観客の体を約1時間にわたり揺らし続けた。山仁と三根星太郎から成るACOUSTIC & SOULGANGはアコギの心地よい音色をフロアに届け、観客をクールダウンさせていた。

22:00を回った頃、メインステージにSick Teamが登場。Budamunkが出力する低域がスピーカーを振るわせる中、5lackとISSUGIはビートを乗りこなすように言葉を紡いでいく。オーディエンスは皆一様に浮遊感のあるトラックに身を委ねていた。THE NORTH FACEによる映像作品が上映されたのち登場したCHAN-MIKAはアコースティックセットでパフォーマンスを披露した。途中、鎮座DOPENESSとのコラボステージを挟みつつ、「一つの星」「愛のあるほうへ」「TOUCH MY SOUL」といった代表曲を熱演し、ピースフルな雰囲気の中stillichimiyaへバトンをつないだ。

初登場のstillichimiyaはMr.麿が「ゴッドファーザー 愛のテーマ」を熱唱するという仰々しい演出でライブをスタートさせた。ステージ上にずらりと並んだ5人はタオルを回しながら「うぇるかむ」でギアを上げ、さらに「Hell Train」「ズンドコ節」などを連投しフロアを爆発的に盛り上げていく。彼らは30分にわたりフロアをロックしたのち、大音量で上田正樹「悲しい色やね」が流れる中ステージをあとにした。MARTER with Monkeyhillsは、MARTERの最新アルバム「songs of four seasons」収録の「森の言葉」からライブを開始。さらに「夏の終わり」「skankingroove」などを丁寧に音を重ねながら届け、ソウルフルな歌声とグルーヴィな演奏の融合で観客を酔わせていた。

Physical Sound Sport「bass song」が場内に轟いたのを合図に、いよいよ大トリを務めるGAGLEの時間に。“東北の至宝”として岩手でも絶大な人気を誇る彼らは、「ミチスガラ(intro)」と大喝采をバックにステージに現れる。この日GAGLEはHUNGERの背後にDJ Mitsu the BeatsとDJ Mu-Rが陣取るフォーメーションでライブを進行。DJ Mitsu the BeatsがNATIVE INSTRUMENTS Maschineでビートを繰り出すといよいよライブはスタートし、「Statnd Still」「舌炎上」「Straight No Chaser」といった最新アルバム「VG+」の収録ナンバーがアグレッシブに届けられていった。

「APPI JAZZY SPORT」にはなくてはならない「雪ノ革命」で場内をひとつにしたところで、HUNGERはMCでGAGLEがしばらくライブを休止すること、そしてこの場で新曲「GRAND GAINER」をプレイすることを宣言。「DJ Mitsu the Beatsのビートが4年ぶりに覚醒しつつある」と前置きし新曲をプレイし場内を沸かせた。さらに3人は硬質なビートが会場の壁を軽快に揺らした「Unfaded」、PVがスクリーンに投影された「聞えるよ feat. 七尾旅人」を続けてファンの涙腺をくすぐっていく。そして最後の最後でクラシックトラック「屍を越えて」を繰り出し、年に1度の祭りに終止符を打った。なお本編終了後も現地ではアフターパーティが開催され、来場者たちはジャジスポが演出する祭りを朝まで楽しんでいた。

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